第109話 後悔
……大丈夫。
私には……先輩が居る。
1人じゃない。あの時とは違う。一緒に居てくれる先輩が居る。
それに周りに振り回される必要はない。
私は――先輩と居れるだけで幸せ。そう、それだけでいい。
馬鹿にしてくる人たちは……可愛そうなだけ。うん。私が逃げる必要もない。あの時みたいにされるがまま。我慢する必要はない。またはっきり言えばいい。
前は……ちょっとだけ頑張って言い返したこともあるけど……結局最後はたまたま見ていた先輩が――あの場から助けてくれたっけ。
ってまあ、あのときの先輩も無理してたみたいだけど――。
ってか、なんで私は絡まれやすいのだろうか……最近は静かになったと思っていたのに――。
思い出したかのような……?ってことなのかな。いや、忘れた頃に――かな?
最近学校のことより……先輩とのことばかりだったから。私も周りなんて気にもしてなかった。
まあ原因は主にお父さんの馬鹿野郎でー。うん。ほんと馬鹿野郎。だよ。なんなの?だよ。先輩と会わないくせに、いろいろ言っちゃって。意味わかんない。それにお母さんは……楽しんでるからだめ。うん。話したら恥ずかしい思いを私がするだけ。うん。とかとかいろいろあって――先輩のことばかりだったからか。
周りを気にしていなかった私は――またちょっかいをかけられていたのだった。多分ちゃんと周りを見ていれば――予兆。気が付き対策は出来たのだろうと思うが――なんだけど。にしても……先輩。ちょっとピンチかもです。
今回は男子が私にちょっかいをかけてくるくるとか聞いてませんし。予想もしていませんでしたよ。
――。
「海山道さん。ちょっと今からいい?」
「いや、用事……」
「いいからいいから。ちょっとさ。カラオケみんなで行くからたまには海山道さんも来なよ。ちょっとだけでいいから」
「いや……」
いやいや誰ですか?この2人。
授業が終わって帰ろうとしたら……下駄箱付近で私に話しかけてきて――いや、待てよ?うっすらだけど――休み時間にもなんか声をかけられたような……と思い出していたが――もちろん私はこんな人たちの相手をしたくなかったから、すぐ逃げてたけど……うん。休み時間はそれでよかった。
あと。一度断ればほとんどの人は来ないのに――なんで、今日はしつこいの?って、ほんとこの人たち誰?私知らないんだけど……。
私早く帰りたいんだけど……なんで一緒についてくるかなぁ……それもぴったり利用サイドに……あと距離が近い。なんなの。ほんと……。
「先輩に早く相談しておけばよかった――」
私は心の中でそんなことを思いつつ。男子2人につきまとわれながら駅へと歩いていたのだった。
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