雨の日のホットココア

第101話 母降臨

再度海夜のスマホが鳴ったので――俺は父からか？電話を海夜がブチ切ったからお怒りで――再度か？と俺が思っていると……海夜は無視するではなく。一応スマホを見て……。

「……あー、お母さんからだ」

自分のスマホを見ながら海夜はつぶやいた。

「チェンジしたか」

「—―はぁ……」

海夜は出たくないなーという感じで――でも相手を確認すると通話ボタンを押したのだった。まだ母とは話せると思ったのだろうか――と俺が思っていると……。

「あっ、海夜？」

通知が始まってすぐに海夜母の声が聞こえてきた。

先ほどの空気とは違って――今度はとってもやわらかい空気。優しそうな雰囲気に電話はなっていた。

「……何？」

まあ既にお怒りだった海夜は――まだご機嫌斜めモードだったので――海夜の方。俺のお隣だけなんか暗いオーラが見ているような感じだった。

ちなみにそれに関しては海夜母もすぐにわかったらしく――。

「あらあらー、不機嫌ねー。超不機嫌みたいね。ふふふっ」

電話口からは……何故現状を楽しんでいるかのような――楽しそうな？声が聞こえてきていた。

「当たり前じゃん！」

「いろいろ言ってたわねー。ふふっ。楽しかったわー。面白かったわー」

「……めっちゃ楽しんでる」

「親子の喧嘩いいわねー！」

「ちょ、お母さん！」

うん。海山道家――大変だな。と俺が思いつつ聞いていると――。

「大丈夫よ。お母さんは二階堂さん派よー」

「先輩派って……」

突然俺が会話に出て来た。だった。って海夜も言っているが――俺派ってな何だろう――と俺が考えていると――。

「あっそうそう二階堂さん居るかしら？」

俺は海夜母に声をかけられたため。すぐに反応した。というか。うん。返事をしてしまった。という感じだった。

「あっ、はい、聞いてます」

「あらあら、よかった。こんばんは二階堂さん」

「あ、はい、こ、こんばんは」

「会いもしないくせに、電話であんなことごめんなさいね。気にしなくていいからねー」

「あ、いや、でも……」

「大丈夫よ。私は2人を応援してるから」

「お母さん……」

俺の横で海夜が呟いていた。うん。ちょっと嬉しそうにしていた――のだが。そのまま平和に物事は進んでいかなかった。

「でね、二階堂さん。こうなったら。理由作っちゃいましょうよ」

「……はい？」

「実はこの前海夜にね。いろいろ楽しめそうな――夜の玩具を渡してあるから。やっちゃっていいわよ？にひひーまだ海夜は恥ずかしがって出してもないかもねー」

「……へっ？」

うん。俺がそっと横を見て見ると――海夜が赤い顔をしていた。うん。真っ赤になった。だった。