第102話 母降臨2
「あ、あんなの入れないでよ!!」
海夜がまた叫んだのだった。うん、今夜。海夜。周りの部屋考えて。と俺は言いたかったが――俺が言うよりも早く――。
「あらあらー。もしかして本当にまだ二階堂さんに言ってないの?」
「やめて」
「まあまあ。かわいいって海夜が言ってもらえるようにネコミミまで入れたのよ?なんで使ってないのよー」
「それは……かわいい言ってもらっ――――あっ!?」
「あらあらー。言ってもらった。ってことは――二階堂さんももう知ってるのねー、あら 。もしかして――事後?」
「ち、違うきゃら!!」
うん。なんか海夜――噛んだ?「きゃら」って何だろう――と俺は思いつつも……まあ今この親子の会話には――どうも入りたくなかったので、うん。話しているだけでおかしなことになりそうだったのでね。
「まあ、嬉しいわ。孫の顔を見る日は近いかしら?」
「お、お母さん!?な、何言ってるの!ほ。ホントなに勝手な事言ってるの!?」
「大丈夫よ、海夜。勢いでやったら勝ち。私は勢いで海夜を産んだわよ?むしろ襲ったら勝—―」
――トン 。
なんかすごい事話し出したぞ。この親子。と俺が思っていると――。
海夜が目にも止まらぬ速さでスマホの通話終了ボタンを押して――スマホを机の上に放置したのだった。
うん。海夜の顔は――真っ赤だった。
「……」
「……」
また海夜による電話強制終了が発動してから――少し。部屋の中は静かだった。
海夜がね。今はちょっと話しかけないでください。落ち着こうと頑張ってます。という感じだったので――俺は大人しくしていた。
すると――。
「……先輩。こっちはこっちでおかしな親ですみません」
海夜が謝ってきたのだった。
俺はそんな海夜を見つつ――うん。ちょっと思い当たることがあった。
ってか今の海夜母の会話を聞いていて――。
「海夜の性格は……母譲りか。襲ってくるのは。なるほど」
「ち、違います――よ。何言い出すんですか」
海夜はそんなことを呟いていたが。うん。海夜は母寄りだろうな。と俺は決定したのだった。そして海夜を見ていると――。
「—―なんですか。先輩。襲うつもりですか?」
「なんでそうなるんだよ」
「先輩がおかしな表情をしてます」
「いや、大変だなー、というのと。海夜は母に似たんだなーとしみじみとな」
「むー、似てません」
それから俺と海夜はちょっと喉が渇いた。ということで、2人で飲み物を準備して――飲みつつ。再度あーだこーだと話していたのだが――うん。いや、まあ短時間だったがいろいろあったのでね。うん、思い出したくもないところもあったような気はするが――とりあえずちょっと2人で再度話していた。
すると――だ。
♪♪〜
また海夜のスマホが鳴ったのだった。
今度は誰から――ってまあ2人しか俺は思いつかなかったんだがな。
それ以外の人から掛かってきたら――それはそれでだな。うん。
そんな忙しい日にならなくていいからな。
俺派そんなことを思いながら――なっている電話を今度は触ろうともしない海夜に声をかけたのだった。
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