第100話 父降臨?3

「突然現れた奴に娘をやるわけがない。わかったか!」

「……」


うん。いきなり詰まったか?ってか……これどうするんだよ。だったな。

まあ今—―俺は海夜の頭を撫でていたから――すでに触れてるいうか……まあいろいろやってますが……と、俺が思っていると――。

今の父のセリフは許せなかったのか――隣に居た海夜がスマホを握りしめて――。


「ちょ!お父さん!な、何言い出すの!ちゃんと先輩と会いに行ったのに居なかったのお父さんじゃん!なのに何勝手な事言ってるわけ!?」


うん。娘。ヒートアップ。すると――電話口からも――。


「知らん!勝手に来るやつの相手などできるか!」

「お父さん!」


うん。結局父と娘のバトルが始まったのだった。


「海夜。海夜」

「先輩。止めないでください!

「いやいや言い合っても――だから」


俺は再度海夜を止めた。けど海夜は引き下がれない問題らしく……。


「私は先輩のものです!」


と、海夜が言ったのだが――それはうん。何というか。自分をものと扱っているような――と俺が思いつつ聞いていると――。


「あっ、先輩は私のものです――うん?」

「海夜。おかしなこと言ってる。それじゃ、海夜の父と海夜が俺の取り合いをしているようなことに聞こえないか?」

「—―うわ――」


俺が声をかけると海夜が――それはなんか気持ち悪いです。みたいな表情をこちらにした。


「—―おい」

「あっ。すみません。ってお父さん!わかった?」

「いやいや伝わってないだろう――」


と。俺が海夜に突っ込むと――。


「海夜。今すぐそんなやつとは別れて帰ってこい。1人暮らしさせた私のミスだ。すぐに分かれて帰ってこい!わかった!今すぐだ!」

「ちょ!嫌だから!お父さんの馬鹿!もう知らない!」


――トン。


海夜が叫びながらスマホをタップし。 通話を強制終了した。うん。切ったよこいつ。だった。


「……」

「……」

「……海夜?」

「むむー……やっぱりこうなる。わかっていたけど……むかつくーなんなのー!」


海夜がお怒り……いや40パーセントくらいは泣きそうな顔をしながら俺にもたれてきた。 うん。まあ複雑な顔をしている。ってことだ。


「—―なかなかな父だな」

「先輩。わかりました。今日から2人で暮らしましょう。事前に話した通りです。私は家を出て先輩と暮らします」


海夜がいきなりそんなことを言い出したが……。


「いやいや、っか、海夜の生活費やらやらは出しているの海夜父なんだからさ」

「でも、あんなジジイの相手はできません。もらえるもの貰って出ます」

「ジジイって……」

「ジジイです。見たらわかります。お母さんが物好きなんです。頑固じじいです」

「—―まあ見るのは――会う機会があればだな……今の雰囲気からだと会ってくれないだろうが」

「ホントにもう――!」


お怒りがピークらしい海夜。

俺はとりあえず再度頭を撫でてやると――海夜はくっつきながら言った。


「先輩。何があっても私は離れませんからね?」

「はぁ—―海夜のいう通りでびっくりだよ。なんというか。厳しいというのか……難しいな」

「ホント――はぁ……ですよ。ガミガミガミガミですから。絶対私の事褒めませんし。かわいがりもしてくれませんからね。だから私はぼっちになったんです」

「……それ関係ある?」

「あります。全部お父さん。頑固じじいのせいにします」

「……」


うん。海夜が荒れています。と俺が思いつつ海夜を撫でていると――。


♪♪〜


また海夜のスマホが鳴ったのだった。

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