第180話 こっちの実家も大変4
それからの事。
俺と海夜は先ほど発見したお店。店内は落ち着いた感じで木のぬくもりのある落ち着いた感じのお店の中に居た……ここが親父のお店とは信じたくないのだが……現実を受け止めるしかないらしい。ここは俺の親父が始めたお店らしい……。
「仁悠が女の子連れてくるとか――なんで言わないんだよ。全く俺が準備できてないじゃないか。美容院も行きたかったのにー。ドッキリとか。仁悠もなかなかだなー。父さん嬉しいぞ。うぅー」
「知るか、あと嘘泣きやめろ」
「バレたか」
「バレバレだ」
ってか。美容院行ってるとか俺初めて知ったんですけど。行ってたの?まあ再度触れることはないが――俺に関係ないし。
「それにそれに、ちゃんと仁悠が彼女さんの事伝えてくれてたら、昨日からちゃんとした手の込んだお昼ごはんも準備できたんだぞ?」
「あっ。あのー。とっても美味しいです」
すると海夜が親父が準備していたハヤシライスを食べながら言う。うん。ちなみに海夜。ちょっと戸惑いつつも――だが。既に馴染みだしている。
「ありがとう。お嬢さん」
「……あっ、はい」
訂正。まだ馴染めてないかも。あと、親父キモい。やめろ。海夜に近寄るな。無駄なポーズするな。である。海夜が話した瞬間。急に親父が海夜に近づいたため。海夜がちょっと引いていたが――うん。これは昔から変わっていない。この親父……女の子好きだからね。うん。
「親父。海夜に近寄るな。被害者が増える」
「大丈夫だよー。仁悠のお嫁さんに手を出すとか」
「お、お嫁さん……」
うん。先ほどから何回も何回も親父がそんなことを言うため海夜はずっと顔を赤くしつつのお昼ご飯となっている。ってか、渋々親父にはちゃんと説明して――海夜は彼女と言ったんだがな―—すでに親父の頭の中では進んでしまったらしい。まあいろいろあったことは省いたが。っか。海夜言っただろ?海夜が照れるというか。恥ずかしがることになるぞって。言ったよな?俺である。
「にしても。何でぼっちの仁悠に、こんなかわいい子が居るんだ?あっ、いじめられっ子も付けとくか?」
すると、親父がふとそんなことを言い出した。うん。この親父黙れである。
「——この親父。食事中。静かにしてろ」
「先輩、やっぱりぼっち。ってか。いじめられっ子?」
「海夜も気にするな」
「はい。ぼっち先輩」
「こいつ――」
ダメだなんか海夜の目が親近感がさらにわきました。みたいな変な雰囲気になっている。そういえば――まあ俺の過去なんて触れることなかったからな。って、親父がニヤニヤしてる。キモい。
「仁悠。めっちゃラブラブだな」
「なっ」
「うるさいな。親父は親父で。昼もゆっくり食えない。ってか。親父。前の家どうなった?」
俺は仕方なく話題を変えるためにハヤシライスを食べつつ親父に聞く。うん。海夜も反応しまくりでなかなか食べれてないからな。
「売って、こっちに建てた。以上だ」
「——さらっと決めたな。俺全く知らないが。ってか。俺の荷物は?」
「あー、地下の仁悠の新しいへに積んだままだな。1年以上」
「……まあそんなに物を置いてなかったからな――って、そういう時は連絡してこないか?」
「しない」
「いやいやはっきり言うな。おい」
「親として、かわいい子には――だからな。仁悠が1人暮らしで、もしかしたらもしかしたら。俺みたいなハーレムを作っているかもしれないからな。その邪魔をするわけにはだからな。まあ無理だと思っていたが――そしたらかわいいお嫁さん連れてくるとか―—負けた!」
「うるせぇ」
「そうそう。海夜ちゃん」
「——俺の声が聞こえてないのか……」
コロッと俺の方から海夜の前に移動する親父。
「——あっ。はい?」
「仁悠な。男と思えんほど真面目でな。エロ本すら1冊も部屋になかったんだよ。どうせ高校までハイパーぼっちのいじめられっ子で経験なんてないが――まあ多めに見てやってくれ」
「黙れくそ親父。何を勝手に食事中に言ってるんだよ」
うん。マジで食事中にこいつなに言ってるんだ?である。
「……まあ先輩――今も1冊も持ってないですよね?」
「海夜も話に乗るな」
何で海夜がそれを知ってるなのだが――って、なんでこの2人俺の事を残念な子みたいな感じで見てるんだよ。帰るぞ。俺。
「やっぱりか。海夜ちゃん。ちょっと、詳しく聞かせてくれ。あっ、飲み物。好きなの言って言って、まあ大したものないけど――紅茶。コーヒー、オレンジジュース。りんごジュース。アイスココア。あとはお酒だな」
「高校生に酒を進めるな。って――」
ヤバい。今この店ココアあるって言わなかったか?と、俺が思った時には遅かった。
「ココアください!」
「了解」
「……」
笑顔で海夜がココアを頼んでいたのだった。うん。まあいいけどよ。なんか嫌な予感がする。好物をもらい――ご機嫌海夜が何か話しそうでね。
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