第86話 GWはいろいろある5

海夜と海夜母がなんか楽しそうに言い合っているな……と俺が思っていたら。


「二階堂さん。娘に飽きたら本当に私のところきていいわよ?ふふふっ」


うん。ホントいきなり爆弾発言が飛んできた。

ホントこの家に居ると体力使うぜ。ってやつだな。体力というか……精神的に攻撃されているのか?とか俺は思いつつ。とりあえず苦笑いをしておいた。


まあもちろんそんな母の発言に対して子が黙っているわけもなく……。

うん。このパターン多いな。と俺が思っていると……。


「絶対だめだから!お父さんに言いつけるよ!?」

「冗談よ。慌てちゃってー」

「むー。冗談に聞こえない……」


うん。海夜の家は――にぎやかですね。 と俺は思いつつ……。


「……ほんと。なんちゅー会話してるんだよ。だな」


と俺はつぶやきつつ。2人のやり取りをその後も少し見ていたのだった。


いや、さっきみたいにね。ちょっと気を抜くと……。

いきなり何か飛んでくるかもしれないからね。その後はちゃんと聞いていたよ。


そしてたら海夜に「先輩。そんなに真剣に聞かないでください」って怒られて……まあ海夜母が喜んでいたというか。楽しそうにしていたな。うん。


その後も、まあ今までみたいにいろいろ話つつ。

海夜が毎回爆発して……とかいうのがありまして。

海夜の実家には結局夕方くらいまで居たな。


ちなみに結局海夜父は最後まで今回も現れなかった。


っかまあ海夜母もなかなかだからな。ここに父も居たら……かと再度俺は思いつつ。海夜母に挨拶をして今日は海夜とともに海夜の実家を後にした。

本当は海夜母が父にも会っていったら?というのを今回も子には言っていたが……。


「いやだ。怒ってたって言っといて。2回もドタキャンじゃん」


と海夜が言ってましてね。まあ今日は海夜母はそんな子を見て……。


「あらあらー。お父さん泣いちゃうわよー?」

「いいじゃん。ってか毎回怒ってるとこしか私見たことないし……それに自分がドタキャンしてるんだから。いいじゃん」

「まあそうね。じゃ、海夜は二階堂さんに全て奪われました。って言っとくわ」

「へっ!?」

「ちょっと待ってください」


うん。なんか親子のやり取りに入るのは……だったのだが。

なんかね。怪しい方向に進んだので、玄関先で帰ろうとしていたところだが。再度俺が話しに入った。というのがありまして……ちょっとそこでまたしばらく話し合いが行われまして……うん、。ちょっと変えるのが遅くなったね。

でもまあ何とかその後帰宅しました。はい。


でも帰り際に……。


「海夜。押し倒したら勝ちよ」


みたいなことを海夜母が言っていたのだが……うん。ホントなんちゅー家族だよ。だったな。まあ……なんやかんやで楽しそうなところだったんだがな。まあ精神的にはめっちゃ疲れたな。うん。


とかいうことがありまして……今は何とかアパートへと俺たちは海夜の実家の最寄り駅から電車に乗り帰ってきたのだが……。


今度はまた甘えん坊が……ちょっとね。


「海夜。なんで腕離さないんだ?」

「……」


駅からの帰り道。っか電車の中あたりから海夜がずっと腕にくっついてるんだよな。まあ帰りの電車も結構混んでいたこともあり。俺が海夜が潰れないようにドア付近で守っていたんだが……。

その頃からだな。腕にしがみついて来て……電車を降りても離さないんだよな。っか無駄に海夜が静かだったから。なんか怒らせたか?とか思っていると……。


「……先輩は言いました。あの時ちゃんと帰ったら連休中は泊めてくれる。って」


やっと海夜が小さな声でなんか言った。うん。こやつ……なんか照れてる?とか俺が思いつつ……。


「—―言って……」


と言いかけてから。

あー、言ったか。連休前に海夜を帰らすためにそんなことを言ったわ……とか俺が思い出していると……。


「言いましたよね?さっきまでずっと恥ずかしい思いさせられたから慰めてくださいよ。いいですよね?先輩」


うん。これは怒っているのではなかった。うん。海夜も多分実家ではいろいろあって忘れていたのだろうが…。どこかのタイミングで思い出したのか。絶対今日は俺のところへ……ってことでしがみついていたらしい。多分だがな。とか俺は思いつつ……。


「……海夜は母にかなりいじられてたからな。仲良くていいじゃん」

「先輩がいるとお母さんおかしくなるからダメです。電話でも最近おかしいですが……」

「っか。海夜このまま来るのか?」

「はい。もちろんです」

「お土産というかいろいろもらったのどうするんだよ」

「あっ……」


うん。説明しておこう。

今俺の手。海夜が捕まっていない方の腕。手だな。

そこにはお土産というか。海夜母よりいろいろもらったものが紙袋に入っている。何やら準備してあったのか。帰り際に渡されていた。

実家の前でこそ海夜は自分で持っていたが……なんか気が付いたら駅くらいから俺が持つことになり……今に至る。とりあえず俺は持っている物を海夜に見せつつ……。


「ってかさ。まあ言ったから泊まってもいいが……着替えとか知らないからな?」

「あっ……」

「もう、ボロボロだなこいつ。っかこの変態」

「う、うるさいです。って変態って何ですか。変態と言った先輩が変態です。そ。それに……わかってましたから。ちゃんと荷物置いてお泊りセット持ってすぐ行きますから」

「お泊りセットって……」

「連休の残りは先輩と過ごしますから。これは絶対です」

「……疲れそう。ってかまだ連休始まったばかりなんだが……」


うん。折り返しもしてないよ。と俺が思っていると……。


「……約束しましたよ?」


と。再度海夜が確認してきたので……ってか。かわいい顔して聞いてきたな。と俺は思いつつ。


「はいはい」


うん。この後輩……やっぱり最近甘えん坊過ぎる……って母も言っていたか。うん。まあかわいいから許してやるが……とか思いつつ。

ちょっとウザい海夜の頭をわしゃわしゃしたら……。


「ちょ。何するんですか!?」


うん。騒ぎだしてちょっとご近所さんにご迷惑……ということがあったりしたのだった。


いやいや撫でるのと頭わしゃわしゃって同じじゃないの?と俺は思っていたんだが……違うらしい。

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