第176話 冷たいもの注意3
少し前に海夜が俺の部屋にやって来て――今は2人でベッドにうつぶせになり。スマホを操作しているところである。
「あっ。先輩お母さんの消しがてらスマホ見せてください」
「謎――って、そういえば海夜。親への連絡どうやってしたんだ?連絡先わからなかったのに……」
「電話番号は覚えていたので、ショートメッセージ?でしたっけ?あれで送りました」
「あー、なるほど」
「あっ、そういえば先輩はパソコンどうするんですか?」
「そうなんだよな」
スマホを操作しながら俺は壊れたパソコンを見つつ考える。結構大学ではパソコンが必要。課題とか作成にいろいろ使うからな。タブレットを持っていれば――代用という形で何とかなったかもしれないが。多分キーボードがないと大変というか。慣れてないことはな――ってことで、パソコンを買うということが必要なのだろうな。と思っていると。
「次は先輩のパソコン買いに行きましょう」
海夜がそんなことを言ってきた。
「パソコンも親から支援がちょっとは欲しいから――行きたくねー」
「あっ。先輩のご実家行きたいです」
「やめてくれ」
何を言い出すんだよ。である。うん。
「何でですか?って、前にもチラッと聞きましたが、先輩ってホント実家行きませんよね?あまり話も聞かないというか――チラッとは聞いたような気がしますが……お父さんと2人でしたっけ?」
不思議そうな表情をしつつ――いや、これは興味津々か。俺の実家の話が出た。今だ攻め込め。という感じで海夜が俺を見て来てそんなことを言ってきた。
「疲れるからな――帰ると。うん。だからこっちにいる方が楽」
「——うん?疲れる?実家に帰ったら楽できるとかくつろげるじゃなくて……?」
「まあいい。バイトして貯めるか」
「えー、先輩と過ごす時間が減ります。支援してもらえるものは支援してもらってくださいよ」
「何故に海夜がそこまで必死というか――俺との時間そんなに必要?ってか。別に毎日こうしてるわけじゃないし――」
「必要です。ってか、先輩。たまには帰った方がいいですよ」
いやいやそれ君が言う?君も――前は帰っていたが。最近用事がないと帰ってないのでは?今日みたいに……などと俺は思いつつ。結論としては。
「——やめておこう」
「むー、この先輩頑固ですね。ってか。先輩――私が壊した……というのもあるので。少しくらい出しますが……お母さんに再度ご相談的な――?」
「いやいやそれはいい。うん。なんか海夜母に言ったら――えらいことになりそうだが……」
俺の勝手な予想だと――「まあ大変」ということから始まり――「海夜で支払いできませんか?」みたいなことに多分後半なっていき――うん。そして海夜が騒ぐ。おぉー。俺、海山道家の事。把握してきているんじゃないか?いや――でもまあそんなことにはならないか。いくらいつも楽しそうな海夜母でも……うん。いやわからんな。
「でも――」
やはり海夜気にしているのか。まだ話を続けようとしている。こういう時は話を変えるべきというか。あまり気にされるとだからな……。
「前にも言ったがいいって。海夜」
「そうですか?」
「また海夜が猫になってくれたらそれでOK」
「……鈍器か何かないですかね」
話を変えるために、冗談のつもりで言ってみたら――(80パーセントくらい本気)海夜が起き上がろうとしたため。俺はとりあえず海夜を止めた。いや命の危機を感じてね。必死に止めた。それでも無理ならこのまま押し倒す。潰すという計画もある。
「——冗談だよ」
「冗談に聞こえなかったです。それに先輩――ちょくちょく。変態になりますからね。変態先輩」
「ってか、海夜」
「はい?って、話を変えようとしましたね。そうはさせません」
そう言いいながらまだ鈍器を探そうとする海夜。そのため俺は海夜を捕まえる。それに、本当にちょっと思いついたこともあったんでね。俺は海夜を抑えつつ――。
「いや、ふと思ったんだが。連絡先登録もまあ必要だろうが――メッセージアプリ入れてログインしたらいいのでは?俺とは基本メッセージアプリだったよな?って、今唐突に思い出した」
「この先輩。逃げ道を準備してましたか――」
「いやいやホント偶然思い出したんだよ」
マジでこれは偶然思いついたである。うん。これはホント。
「ってか……まあ――そういえばそうですね。すっかり忘れてました」
そう言いながら海夜は再度うつぶせになりメッセージアプリを探していた。
「——腹壊して馬鹿になったか」
「ちょ、馬鹿は酷いです。先輩変態なことを言ったから必死で話を変えようとしてますね」
ポコポコ。
なんか隣から優しいパンチが来たのだった。ちなみにメッセージアプリのことを思い出したため。その後はパパっと海夜は俺のスマホから必要な連絡先をコピー。見ながら打ち込み作業が終わると……。
「こうなったら先輩をいじめ返します。覚悟するのです」
などと、意味の分からないことを言ってきたので――そうそう、いじめると言えば。海夜を俺はいじめるってことしていいんだよな。と思い出したので即俺は海夜に反撃をして、海夜を笑い黙らせたのだった。うん。このバタバタにより先ほどの猫発言は完全に消えたのだった。
まあ――見せてほしんだが……かわいいし。だが――あれからなかなか叶わないという――難しい。
「——いじめられましたー!いじめられた!くすぐったいじゃないですかー。もう」
その後俺の攻撃が終了し海夜が落ち着いた後。海夜にいろいろ言われながら蹴られたりしたが――まあ結果俺を抱き枕として海夜はお休みになりましたとさ。騒ぐだけ騒いで寝る腹痛娘だった。寝顔は――いつも通り可愛かったとさ。
……そうそう、ふと、そろそろこの家にホットココアをいつでも作れるように常備してやった方がいいのかと――と。寝る前に一瞬思った俺だったが――まあ俺も寝たら忘れましたとさ。うん。好物が常に目の前にあったら――海夜が住みつく。ずっと飲んでそれこそ腹壊しそうなのでね。忘れた俺。ナイスである。
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