第37話 実家3

海夜の実家に来てからしばらく海夜の母親と話していて。そういえば海夜のお父さんは?となったのが今である。


「それがねー。娘を奪いに来た奴と会う気はない!とかでね。今居なくて…。困ったもんよ」

「…」


うん。この情報は…。聞きたくなかったかな?海夜のお父さんとは…。どうなりますかね?とか俺が苦笑いしていると…。海夜がちょっと慌てながら…。


「ちょ、奪いにきたって…」

「あら?海夜。二階堂さんと結婚する言ってたわよね?」

「はっ!?」


海夜がわたわたしだした。ってかよ。俺も踊りたわ。お前は何を言ったんだ?と海夜の方を見ると…。


「い、言ってないから!ただお世話になってる先輩を…」

「で、付き合ってゆくゆくは結婚する。でしよ?」

「ち…。違…。うー…。先輩」

「なぜこっちにまわす…。って俺も全く聞いてないことなんだが…」


まあ付き合ってるまでは海夜がなんか言っちゃったとか言っていたから話を合わせる準備をしていたが…。なんかおかしいな。と俺は思いつつ。

海夜とコソコソと話していると…。


「まあ、付き合ってると結婚はママが勝手につけたんだけどねー」

「…。あっ」


海夜のお母さんが勝手に言ってましたー。をすぐにばらしたって…。あれ?


「…。うん?」


あれ?ちょっとまて…。今の海夜のお母さんの話だと…。どういうことだ?付き合っていると結婚やらやらは海夜のお母さんが今…。言った事?うん?なんかおかしいような…。と俺は思いつつ。


「…。あれ?海夜。確か親には彼氏とか言ったとか言ってなかったか?」

「あわわっ…。ちょ、先輩。今は黙って」

「あらあらー、海夜。まさか…」


すると海夜のお母さんがニヤニヤしながらこちらを見てきて…。というか。海夜を見ているな。


「お母さん黙ってて!って、なんで話し膨らませてるの!」


ってここで俺が静かになってもなので…。


「おい、海夜。ちゃんと説明が必要だろ?本当はなんて言ったんだ?」


うん。楽しい。


「先輩も黙る!」


うん。マジ海夜がどこまで説明してたかがわからなくなってきたからな。取り調べだ。とか思っていたら…。海夜のお母さんが。


「あらあら。私が聞いたのはお世話になっている大学に通ってる先輩。までよ?」

「お母さんお願いだから。黙ってよー」


気が付いたら海夜の顔が真っ赤になっていた。


っか。俺はわかった。


これは…。


「あの…。俺は海夜に…。両親には勢いで彼氏やらやら言っちゃった。と聞いていたんですが…」


俺は海夜のお母さんに聞いてみた。


「あらっ。海夜。話が違うじゃない。まだお付き合いしてないのかと思ってたわ。でもなるほど海夜は嘘ついてでも二階堂さんと一緒になりたかったのねー」

「先輩。お母さん!勝手に話さないで!」


となりでポカポカ足を海夜が叩いてくる。


「二階堂さんごめんなさいね。わがままな娘で、大変でしよ?」

「大変ですね。まんまとやられてますねー」

「なんで先輩とお母さんもう打ち解けてるの!」

「海夜は二階堂さんのこと独り占めしたいみたいでね。ホントかわいいでしよ」

「お母さん!やめて!」

「最近は甘えん坊ですね」

「先輩もマジで黙れー!」


ちょっと海夜の叩く力が強くなってきた。


「あら。もう本性出しちゃってるの?」

「出てますね。だからちょっと部屋ではぐーたらが…」

「あらまー。くつろいじゃってるわね。抱っこー。とか言ってません?赤ちゃんみたいなこと昔はよくあってね」

「…」


ついに海夜はあきらめたのか。俺の足を叩くのをやめた。


「いや…。まあ最近は…」


と、俺が最近の事をちょっと思い出していると…。


「あらあらー。ちなみに海夜はくすぐり弱いわよ」

「お母さん!!」


うん。

気がついたら海夜が大噴火?しそうなくらい顔を真っ赤。耳まで真っ赤にしていて…。


っか、今海夜の弱点聞いたな。覚えておこう。とか俺が思っていたら…。


「2人とも黙って!それ以上言ったら…。出てくから!」


と。俺と海夜のお母さんは海夜に怒られました…。が。

まあ俺と海夜のお母さんは笑ってました。うんうん。楽しかったよ。怒っている海夜見ているのは。


まあ部屋の雰囲気がいい雰囲気でよかったよかっただな。


そんなことがあってから…。


海夜のお母さんがまあちょっと海夜が落ち着いたくらいに。お昼ご飯準備していたんだった。みたいなことを言いつつ。部屋を出て行き…。

少ししたらとても美味しいちらし寿司が出てきたのだった。


うん。


美味かった。マジでめっちゃ美味しいものをいただいた。だったな。


そして…。結局俺が居る間に海夜のお父さんが現れることはなく…。


「先輩。帰りますよ!こんなところにいたら寿命が縮みます」

「海夜が嘘を言うから」 「海夜が嘘を言うからでしょ」


俺と海夜のお母さんが同時に答えた。


「なんで2人がハモるの!ちょっと最後だけ違ったけど…。って、もう!」


うん。俺…。海夜のお母さんとは話が合うみたい。というか。まあでも、あまり長く居ても邪魔になるとなので…。


っか。帰ったらいろいろと海夜に聞かないとだからな。とか思いつつ。


そんなこんなで「また来ます」ということになり。


俺は海夜のお母さんにお土産をもらいアパートへと戻ることになった…。ってそうそう俺は。だな。ここ大切なことだな。


いやさ…。海夜のお母さんが夜にはお父さんが…。とかで、海夜は久しぶりに会っていきなさいよ。的な話になり。俺は1人で帰ることになったかなら。


まあ春休みだからな。海夜はせっかく実家に近いとはいえ帰ってきたんだから。ちょっとくらい顔見せたり話したりすべきだろう。

ってことで海夜への事情聴取は翌日の夕方からとなった。


いやまあ翌日の夕方となったのは、単に翌日の夕方に海夜が帰ってきたからである。  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る