第38話 事情聴取

海夜の実家に行った日の翌日。


昼過ぎに海夜からメールがあった。


♪♪


「夕方に行きますから家に居てください。絶対居る事です」


そんなメールが来た。

まあ海夜も俺と話したいことがあるらしい。っか絶対と書いてあるのが…。なんか気にはなったが。俺別に予定なく家に居るのでまあそこは問題なかった。


そして予定通り夕方くらいに…。


ピンポン。


「はい」

「あ、先輩。私です」


インターホンが鳴ったので玄関に行くと海夜の声がしたので俺はドアを開けた。すると…。


「…。私は怒ってます」

「はい?」


ドアを開けるなりそんなことを言われた。うん。謎だ。

どうやら…。まず俺が先に取り調べらしい…。って、なんでだよ。である。


まあとりあえずそれから部屋の中へと入ってきた海夜。


ちなみに一度自分の部屋に寄って荷物やらは置いて…。多分着替えてから来たらしい。部屋着というか。まあラフな感じだったからな。


そして海夜はベッドに腰掛けて…。


「先輩。私の前に正座」


とか床を指さして言っている。うん。海夜の行動が謎だな。マジで。とか思いつつ。


「何でだよ。何故に俺が海夜の前に正座をしないといけないのか」

「早く」

「嫌だよ」

「ダメです」

「…」

「…」


ちょっと睨み合い?ではないが…。まあ無言のやりとりのち…。

このままでは面倒な気がしたので…。


「はいはい。で、なんだ?」


とりあえず話が進まない感じだったので俺は海夜の前に…。正座はなんか嫌だったから胡座で座った。


「わかればいいのです。先輩は反省すべきです」


…。まあ胡座に関しては海夜は何も言わないんだな…。とか俺が思っていたら…。


「先輩。正座」

「…」


やっぱり正座と言っていたので胡座は禁止らしい。ということで俺は結局正座をしてやった。うん。床だから正座は痛いな。


「では先輩?何故私が怒っているかわかりますよね?」

「いや」


うん。全くわかってないし。むしろ俺の方がいろいろ海夜に言いたいんだがな。俺に発言権はあるだろうか…。とか思っていると…。


「わかってますよね?昨日あれだけお母さんの前でペラペラと…。その…。恥ずかしいことを…」

「あー、海夜が嘘ついていろいろ言っていたことか。ってか、それならまず海夜も正座したらどうだ?どうぞ。俺の前に」

「何でですか!」

「誰だよ。彼氏ですとか言っちゃいました。みたいなこと言ったくせに。実は普通に先輩しか言ってません。って、なら俺友人です。みたいなもっと気持ち楽に行けたんだが?」

「せ、先輩も!…。付き合ったになったら…。私抱いたりして、楽しんでました」

「…。まああれはあれで…。楽しかったな。甘えん坊海夜」

「黙れー」


怒られました。まあ顔真っ赤の海夜はかわいいが…。っか見ていて楽しい。うんうん。


「ま。まず…。先輩は謝罪して…。行動でも示してください」

「何を?」

「謝るんです」

「俺…。海夜のお母さんに事実を普通に話しただけなんだが…」

「変なこと言わない約束でしたよ!話さなくていいことを先輩はペラペラと話したんですよ」

「したっけ?」

「しました!」

「記憶に…」

「ないなら。先輩の頭をガンガン揺らします。それはもう大波に飲まれたかのようにぐちゃぐちゃに揺すってでも思い出させます」

「やめい。っか、謝るいえば…。海夜がだろ。おもいっきり嘘を言ってたんだから」

「…」


海夜はそっと視線を明後日の方向へ…。


「無視してきた」


と、俺がつぶやくと…。小さな声で…。


「…。ごめんなさい。先輩。嘘…。言いました。伝えました…。はい」

「よしよし。許してやろう」


うん。まあこれで良し。っか俺そんなに何も思ってなかったしな。これで終わりだ。よかったな海夜。と俺が思っていたら…。


「…。なんか…。ムカつきます」


と。なんか睨まれた…。が。


「とりあえず海夜」

「はい?」

「彼氏の役は…」


もういいのでは?変なのがあるとだからな…。とか俺が思いつつ言おうとしたら…。


「終わっちゃダメです!」

「…。必死ー」


めっちゃなんか慌てているやつが目の前に居た。なんでだよ。


「ダメです。も、もう…。そういう話になりました」

「なりました?」


うん?なんか…。いやな予感がするぞ?まさかだが…。こいつまたなんかやらかしたのだろうか…。とか俺は思いつつ聞いていると…。


「…。お。お父さんがいろいろうるさかったから…。先輩と…。もうイチャイチャ…。とかしたから。とか言っちゃったから…。そのうちお父さんが先輩を刺しにき来るかもです。まあ始まりは…。お母さんが勝手に話を盛っちゃったから…。ですが」

「待て待て待て、また何を言ってきたんだ!この後輩は!」

「い、イチャイチャは…。しましたよね?」

「…。確かに」


うん。確かに…。ちょっとっか。かなり最近にした気がする…。その抱きついたりというか。まあじゃれあったな…。って、それはいい。

っかこいつはまた親に何を言ってきたんだよ。である。


「もとはというと…。先輩が馬鹿みたいにいろいろ話しちゃうから…。お母さんがそれをペラペラとまたお父さんに…。話したから…。そのお父さんキレたんですから」

「…。マジ?」


うん。海夜のお母さんも…。なんか話を盛るのが好きというか…。波乱を起こすのが好きそうだから…。マジなのかもしれないというか…。なんかこれはマジな気がする…。いや…しばらく近寄れないじゃん。うん。危険である。俺の命が…。とか思っていると…。


「確認したいなら今から行きますか?私の実家に多分今ならお父さんいますよ」

「ご遠慮します」

「…。だから…。この関係は続きます。わかりましたか?これでお父さんに何もありませんでした。でもイチャイチャはしました。みたいなおかしなことになりますよ?…。イチャイチャは…。まあホントですから…」

「…」


うん。確かになんかじゃれあっていて…。いやいや何もありませんよ。というのは…。いや、待てよそもそもだが…。とか俺が思っていると…。


海夜が困った顔をして…。


「な…。何か言ってくださいよ。先輩」

「いや、なんかいろいろ起こっているがさ。そもそもというのか海夜さ。なんでそんなに俺のこと好きなの?」

「ち、違いますから!」

「…。矛盾しまくってる気がする…」

「馬鹿ー。変態」

「わけわからん後輩が1人」


ホント謎な後輩というか。わからん後輩が居たのだった。

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