第93話 GWはいろいろある12

ぎぃ……。


俺がベッドに横になってちょっと夢の世界――という感じになっていると――ベッドのきしむ音がした。


――ぎぃ。


さらに近くで……って、なんか……隣で動いた?動いてる?

そもそもなんか身体が重いってか……もしかしてこれが金縛りというやつか。


とまあ何かが起こり。ちょっと夢の世界に入りかけていた俺は現実に戻された。

というか。金縛りというより……前にもこんなことあったような……と思いつつ目を開けると――。


「――なっ!?」


目の前で驚く顔がぼんやりとだが確認できた。


いやいや最近の幽霊はこんなにはっきり見えるのか――びっくりだよ。うん。ホントびっくしりたわ。


まあなんか目を開ける前に予想は出来ていたから、飛び起きるとか。そん驚き方はしなかったが……でもさすがに目を開けて目の前に人が居たらね……うん。驚くよ。


でもまあ今の俺は驚きつつも……。


「……海夜。何してるの」


普通に聞くことが出来た。うん。俺一応こいつの彼氏だからね。

最近はよく人に甘えている奴の体重を知らないはずがない。うん。寝る前も抱っこしてやったし。乗られた感覚の時点で誰かわかっていたという事よ。うん。っか体重の事を言ったら叩かれそうだから触れずに……とか俺が思っていると。


「ま、まだ起きてた……」


うん。海夜の方が驚いている感じだな。

とりあえず現状は俺にまたがっている海夜が居た。というか。顔近いな。と俺は思いつつ。


「やっぱ危険人物か。拘束するぞ」

「な、だ、これは……です。です」

「ですを二回言ったぞ」

「……」


海夜がそう言いながらちょっと顔を離したが……っかどうやら俺が部屋のカーテンを寝る前に閉め忘れていたらしく。月明かりが入り込んできて――で恥ずかしそうにしている海夜の顔が見えていた。

普段ならこの部屋はもっと寝るときは暗くなるはずなんだがな。海夜よ。残念。今日は電気消しても暗くならない部屋だったから犯行がバレたな。である。


「っか何してる?」

「――だって」

「だって?」

「先輩。寝ちゃったから」

「海夜が寝たんだよ。っか。夜は寝ろよ。寝たんだから朝まで寝ろよ。途中で起きるなよ」

「だ、だってー。き、キスも何もしてもらって……無いです」

「……だからまた襲いにきたか」

「お、襲っては――」

「またがってるし」

「の、乗っただけです」

「寝ている人の上に乗るなよ」

「……」

「現行犯だな。ほんとこいつは――」

「……ごめんなさい」


俺が呆れつつ言うと海夜は素直に謝ってきた。まあまだ乗ったままだがな。


「今日は素直で」


俺はそう言いながら――海夜の身体を引き寄せた。


「……あっ」


俺が引き寄せるとはじめは「――何?」という顔をしていた海夜だったが。すぐに俺のがしようとしたことが分かったらしく。目を閉じつつ。俺にされるがままというか。引き寄せられて……。


――チュ。


密着した。なんか甘い香りがする気がした。

ってか。俺の予定では一瞬の予定だったのだが……。


なんな海夜がびっくりしつつも、舌をなんか絡めてきて……ってこいつは何をしてるんだよ!である。

っか俺がそんなことを思っていると――さらに「……ハムっ」ていう効果音?ってか俺食べられた?感じがあったが……まあ力では勝てるので――とりあえず適当なところで終了させた。


いや、なんか雰囲気的にね。あまりするとなんで。ちょっと俺の初めの予定よりは長かったが……まあこれでいいだろう。と俺が思いつつ。海夜の身体を離すと……。


「……ありがとうございます……です」


恥ずかしそうにでも嬉しそうに海夜が言った。うん。なんか俺噛まれたというか食われたのかな?ってこいつは本当に――だった。


「これで大人しく寝るか?」

「……は……あっ!」


俺が聞いてみたら……何故か海夜は何か思いついた?みたいな表情でこちらを見て、ちょっと恥ずかしそうに……うん「はい」ってこいつ言わなかったよ。と俺が思っていると――。


「……前から思ってましたが……先輩は変態です。こういう体勢の時――当たってます」

「おいこら。危ないワードをいきなり言うんじゃない!」


マジだよ。なんで急にその話するんだよ。今まで触れてこなかったから。海夜もそれはわかってるとか思っていたが――なんでこのタイミングでなんだよ!である。


「じ、事実です。恥ずかしい先輩ですね。ほんと。困りますねー」

「海夜の行動の方が恥ずかしいわ。っか…・・降りろ。マジで生理現象が限界になる」

「――あの先輩」

「……なんだよ」

「……」


海夜は考えているのか。それとも恥ずかしいのか。少し時間があってから……。


「もう少しダメですか?」


うん。考えた結果どんどん悪い方に進んで行く海夜だった。って誰だよ。海夜の変なスイッチ入れたやつは……俺?いやいや違うよ――ね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る