第183話 こっちの実家も大変7
俺の実家。新、に泊まることになった俺と海夜。田舎はすぐ帰れなくなるから注意だな。前の場所ならこんなことはなかったはずなんだが……まあ実家なので泊まることは問題ないのだが――って、マジで海夜の準備の良さにはびっくりだな。
ちなみにあれからのことをいうと、親父はちゃんと19時過ぎに夕食の準備をしており……いや、あれは海夜が居たからだな。俺だけだとこんなことはないだろう。だって、少し前からお店の方は賑やかで――リビングなら普通に声やら、歌が聞こえてきていたからな。そんな中こちらにも――というのは、なかなかだからな。海夜が居なかったら出てこなかったと思われる。
「賑やかですね」
「謎ってか、普通に店持つとは、だな」
「先輩の秘密たくさんでしたね」
「ちなみに何聞いた?」
現在はリビングでお店の方の賑やかな感じを聞きつつ海夜とテレビを見ている。
「昔の先輩の写真見ながらー」
「……」
「小さな先輩居ましたね。可愛かったです」
「……」
あの馬鹿は何を見せているのか。海夜の話を聞いていると頭が痛くなる俺だった。
「ってか、先輩お友達本当にいなかったんですね。お友達との写真がないって、笑われてましたよ?」
「普通は――嘆くとかじゃないんかね。笑い話になるのか。まあいいが」
「先輩心配して欲しかったんですか?」
「全く」
「ならいいじゃないですか。笑い話になって、今は彼女有りですからね」
「ご機嫌だな……無駄に」
「先輩を任されましたから」
「……勝手に話が進んでた」
「先輩が変態ならお仕置きの許可ももらいました」
「めっちゃ普通に話したみたいだな」
「はい!」
うん。馬鹿親父のせいで 海夜が前より力を持ったのだった――。
「……よし。俺は風呂入って休むか。海夜はご自由に」
「あっ、先輩。なんで、逃げようとするんですかー。ちなみに1番風呂は私です」
「知るか」
「お客さんですよー」
「知らん」
「先輩が拗ねてます」
うん。お店も賑やかだったが。こちらも賑やかだった。
ちなみに親父は店があるからだろう。夕方以降姿は見せない。まあ店にこっちから行く理由もないからな。楽しそうにしているのを邪魔してもだし。会話はあまりわからないが――笑い声とか、音楽がずっと聞こえてきているのでね。うん。向こうは向こう。こっちはこっちである。
ってことで、そのあとは海夜が風呂のち、俺が風呂となったのだが……アホが居た。
「……先輩。パジャマ忘れました」
さあ、露天風呂楽しんできます!みたいな感じで海夜は出て行き――すぐ戻ってきたのだった。
いや、バスタオルとかは貸したが……それしか海夜は部屋を出て行く際手に持ってなくてね。俺も気が付いていたのだが……まあ黙っていたらすぐにUターンしてきたのだった。
「——下着でいいんじゃね?」
「なっ、変態です。言付けますよ?」
「はぁ……大きめのシャツでいいか?それしか海夜が着れそうなのないわ」
「適当なこと言って……もう」
「要らないならいいが?」
「貸してください。下着姿とか――先輩に襲われます」
「親父かもな」
「そ……それは助けてくださいよ」
「えー」
「えー。じゃなくて」
それから再度海夜が部屋を出て行き……しばらくして満足そうに海夜は帰ってきたのだった。ちょっとシャツだけだから。下半身に目がいくが……まあ、寝るだけだしいいだろう。っか。風呂は大変満足できたようで。ぽかぽかになって帰って来た海夜だった。
その後、海夜は荷物を置きながら、俺が風呂の準備をしていると話しかけてきた。
「そうそうお店、まだ賑やかですよ。繁盛?しているみたいですね」
「元気だね。海夜ちょっとお店見てきたら?」
「なっ、馬鹿じゃないですかー、こんな姿で行けるわけないじゃないですか。先輩の前くらいしか無理です」
「かわいいから大丈夫だろ。じゃ、風呂行くか」
「先輩が適当なことばかりです!かわいいはもっと違う時に使ってくださいよ!」
「はいはい。悪い悪い」
「めっちゃ適当!」
「海夜の相手は大変だからな。風邪引いても休めないくらいに」
「なんで、過去のこともってきますかねーこの先輩は」
「勝手にいろいろ聞いたやつには適当で十分だろ」
「先輩が仲間はずれで拗ねてますね」
「……そう解釈するか」
いや、全く仲間はずれとか思ってないからな?海夜が取られて――って、そんなこともない。さあ、風呂風呂だ。うん。海夜と話していると、風呂に行けないからな。
それから俺は風呂に行くと――マジで無駄にいい露天風呂があった。そりゃ海夜長風呂するわ。だった。1人用くらいだがめっちゃいい感じの露天風呂。うん、豪華すぎるわ。俺の実家おかしなことになっていた。
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