第19話 炬燵2

 炬燵を探しにというかテーブル。机か。机さがしに海夜と2人で出かけてから数日後のこと。


 ネットで探し購入した炬燵はあれから3日後?だったかな?に無事俺のところにやって来た。


「先輩届きましたか?」


 そして、炬燵が届くとその直後くらいにちゃんと海夜も俺の家にやって来た。いやびっくりだよ。ドンピシャのタイミングで来たよ。とか思っていたら。どうやら配送状況?もちゃんと送られてくるらしいので海夜には荷物の現在地が筒抜けだったらしい。ホント今のネットすごいわ。俺社会に置いていかれてますわ。知らないこと多すぎる。


 ちなみに炬燵は組み立てが必要だったのだが。組み立ても簡単であっという間にできた。さらにこたつ布団も付いているものだったので箱から出してしばらくしたら完成。めっちゃ簡単だったよ。


「炬燵ー」


 炬燵が完成して試運転時に早速海夜のテンションがおかしくなったが。そうなるのもわかる。炬燵が来てから初めての夜はめっちゃ快適だったからな。小さいサイズなので部屋にもちょうどいい感じだったし。今のところ問題なしだ。


 ちなみに暖かくなってきたらこたつ布団をなくせば普通の机としてつかえる。テーブルもしっかりしているので問題なく。今まで活躍してくれたテーブルは一応非常用というか。何かで使えるか。ということで折り畳み部屋の隅に移動した。


 そして炬燵が来たことでちょっと部屋が暖かい雰囲気になった気がするのだが。予想通りの光景もすぐに出来上がっていた。炬燵が活躍しだして数日。


「身体も暖かくなってきましたよ」

「すっかりハマってるよ」


 後輩がこたつむり状態になりました。予想通りだ。


「あっ、先輩。今炬燵の中は――覗かないでくださいよ?」

「覗かないから。どうせ制服のままでだらけてるからいろいろ丸見え。とかだろ?」

「なー。もう馬鹿ー。先輩の馬鹿ー」


 ホントこたつむりが出来上がるまでは早かった。今ちょっと抗議?されているが出てくる気がないので、なんかかわいい生き物が軽くバンバンしている感じにしか俺には見えない。炬燵最強だわ。


 そして、炬燵が来てからは、学校から帰って来た海夜が俺の家にいつものようにやって来て。そのままこたつむり。


「海夜」

「なんですか?」

「くつろぎすぎだろ。なんか反対側から足が出てるが」


 先ほどまでは座っていたがいつのまにか寝ころんで入っている海夜。ホントくつろいでらっしゃる。人の部屋でな。


 足が出るのは炬燵が小さいサイズだからそれは仕方ないのだが。足が反対からチラチラしている。


「って。これじゃ俺のスペースが狭いだろが」

「上手に入ってくださいよ」

「無理だろ。誰だよ完全に突き抜けてるのは」

「気持ちよくて」

「足をどけろ」

「まだ充電中です。外は今日も寒かったですから。制服寒いんですよ」


 そんなこんなでしばらく炬燵の陣取り合戦は続いた。


 結局動きたくないやらで泊まるやらいうのを引き剥がして帰らせるまで俺が平和に炬燵の中でくつろぐはこの日なかった。ちなみに帰り際のこと。


「明日も放課後すぐ来ます」


 宣言してらっしゃった。


「やだ」

「来ます」


 もうこいつ寒い間は毎日来そうだ。やはり炬燵は人をダメにするか。でもな。わかるちゃわかる。炬燵に入っていると。とても、とても快適だったからな。出たくなくなるもん俺も。


それから炬燵は大活躍。2人を温め続けてくれた。もちろん大学、高校ともに冬休みに入っても毎日温めてくれた。っか冬休みに入ったらほぼ毎日のように海夜がこたつむりになりにきた。宿題するときもご飯食べる時も雑談するときも。ってほぼ俺の家に海夜が日中は居た。


「海夜」

「はい、なんですか?先輩」


 冬休みになってから毎日来る後輩。家を間違ってるが。1つ早めに言っといてやった。


「――太るぞ」

「なっ。先輩それは禁句です。女の子に向かってなんてことを言うんですか!」


 俺が言うと寝ころんでいた海夜は慌てて起き上がり抗議してきた。


「じゃ冬休み入ってからの生活は?」

「それは――休みですから。先輩ところにお世話になっています」

「はい、次」


 海夜は言いながら体勢を変えてちゃんと座る。


「――ご飯美味しいです」

「次」


 そっと炬燵から出て炬燵の横に座りなおす海夜。


「……炬燵でよく丸まってます。あっ。宿題もちゃんとしてます――よ?」


 ちょっとドキドキというのか自分でも『あっ。これやばい』と思ったのか。海夜の目がウルウルしてきたように見えてきた気がする。 っかうるうる海夜。かわいいと思ってしまう俺もいた。


「俺が炬燵にいる時間短いよな?」

「それは、ここが気持ちいいですから」

「まあとりあえず太っても知らん」

「なっ――また禁句を」

「まあ本人にまかせるがな」

「……あの先輩」

「なんだ?」


 するとこたつの横に座りなおしていた海夜が俺の横に近づいてきた。


「もしかして……ほんとに私。太りました?見てわかるレベルに――」


 かなりドキドキ?というのか切羽詰まったような?表情で海夜が聞いてきた。なのだが。先に言ってくと、びっくりするくらい変わってない。


「いや全く変わってないだろ。なんでこんなにぐーたらなの変わらないかと思うくらい変わってない」


 ホント見た目は全くと言っていいほど変わってない。

 こんなにダラダラ生活なのにホント不思議。ホント。実は帰ってから必死で運動でもしているのだろうか?とか思っていたよ。


「――ほんとに?」

「気にするなら動け」

「ほらー、太ったんだー。先輩のせいです!幸せ太りですー!」

「炬燵――そんなに幸せだったか」

「なっ。そ、そうです!あー、太ったんだ。どうしよう――」

「いや。まじめに見た目は全く変わっ」

「ダメです!先輩はほぼ毎日。私を見てるから気がつかないんです。これは…。先輩。ダイエットです。炬燵を片付けましょう」

「はい!?」


 おかしい。何かがおかしい。なぜクリスマス前この寒さで。炬燵のコンセント抜くとか馬鹿だろ。この後輩。おい。ちょっと待て!である。っか言い出したの俺か。俺のミスか。単にぐーたら姫にちょっと言ってみるか。がこんなことになるとは思っても居なかった。


「暖かくなければただの机です。そうすることによってだらだらは減ります」

「馬鹿だろ。お前」

「……我慢です」

「なんで俺もなんだよ。なら自分の家帰ろうよ」

「……一緒にいるから?」

「ない。ないから。ここ俺の部屋」

「だめです。私が太ります」

「じゃ帰れー。休みだし。実家どうした?」

「今回は親が居ないから。帰ってこなくていいそうです。電話だけしました」

「――そうか」


 ってなんか急に暗くなったが。海夜がコンセントを抱いているため。寒い。

にしても海夜のやつ。高校生で年末1人なのか。

 それからこの寒さで炬燵あるのに使わないは馬鹿だろ。と馬鹿ばっか言っていたが結局話し合いの結果。炬燵は夜だけ使う。午前中から夕方まではなし。と。なんかルールができましたとさ。

 何度も言うがここ俺の部屋。家なんだが――どうしてこうなった。俺が原因?俺が余計な事言い出したから?あんなこと言わなければ。だったのか。

 まあ炬燵の電源をつけてない時でもこたつ布団があるから。ちょっとはマシなのだが。

 ってか。炬燵の電源をつけないと。海夜がなんか俺の近くにいるようになりましたとさ。寒いかららしいが。意味わからん。じゃ炬燵の電源入れるか。自分の部屋で温まれ何だが。何故か俺の部屋には来ているし。そして何故か俺の近くに居るようになった。


 って。海夜最近は自分の家に寝に行ってるだけな気がしている俺だった。住み着いているからなこっちに。

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