第63話 癒しの時間2
ドサッ。
うん。海夜が飛びついてきたというか。押し倒してきたため…。倒れ込んでいる俺達。
「…。はぁ…。海夜。何してるんだよ」
「大丈夫です。誰にも見られてません」
「いやいや、どうした?」
「来週また学校を乗り越えるためです。先輩補給です」
「昼休みもリフレッシュに来るじゃん」
「それはそれこれはこれです」
「甘えん坊」
「甘えん坊です」
「開き直ったか」
俺が言った後しばらく静かな時間があって…。
「先輩を…。押し倒しました」
とか海夜が急につぶやいた。
「まあだな、お巡りさん呼ばないとな。俺危険。スマホスマホ」
「なんでですか」
「ヤバイ後輩が居るってな」
「じゃ、先輩が動けないようにずっとくっつきます」
「海夜」
「なんですか?」
「…。めっちゃいい香りするな」
「なっ、き、急になんですか」
「いや、海夜からめっちゃいい香りしたから」
うん。さっきからずっとしてるんだよな。石鹸?の香りなのか。とってもいい香りが海夜からしていた。
「ま、まあ、そりゃ…。お風呂入ったばかりですから」
「これは…。寝れそうな香りだな。リラックス効果あり」
「な、なんで寝ちゃうんですか」
「えっ?やっぱくすぐり必要?」
「なんでそこですぐにくすぐりなんですかー。ふ、普通に抱きしめるとかだけでいいのに…」
「こうか?」
「わふっ!?」
俺らのりかかってきていた海夜を軽く抱きしめてみる。うん、やっぱりこいついい抱き心地なんだよな。ってか…。癒し効果すごいな。今はいい香りもしているし。いつも以上だな。とか俺が思いつつ。ってか。海夜の身体ってホント脆そうってか。力加減が怖いわ。力入れたら折れないかと心配なんだよな。腕とかぽっきり折れそうな気がするし。とか思っていたら…。
「先輩…。あの」
「なんだ?」
「顔見られると恥ずかしいですから電気消してください。あっ、でも真っ暗だと…。ですから豆電球で」
「すでに真っ赤だもんな。ってか注文多いな」
「見るなー。です」
「なら真っ暗でいいじゃん」
「…。豆電球がいいです」
「謎なこだわり」
「真っ暗は先輩が何するか見えないから危険です」
「海夜の行動の方が危険なんだけどなー」
「うるさいです」
「はいはい」
とまあ、うるさいのがいたため一度海夜と離れて電気を消して…。豆電球に変更。部屋は薄暗くなったが。まあ普通に物などは見える。
そして今度は海夜とベッドに寝転んだ。ってか寝るように言われて俺が寝ころんだら…。海夜が俺の上乗っている。ってか仰向けで寝ていた俺の上に座りやがったんだが…。何様こいつ?である。まあ軽いから落とすようなことは今のところしない予定だが…。
「なんかおかしくないか?」
「先輩に勝った証です」
「落とすぞ」
うん。ホント落としてもいいだろうかとちょっと検討確率が上がった。
「ダメです」
「っか豆電球だと、普通に表情はわかるな」
「なっ、見ないでくださいよ」
「っか、恥ずかしいならするなよ。大人しくしてろよ。泊めてやったんだから」
「は、恥ずかしいですが…。嬉しいんです」
「まあ、抱き心地は良しか」
そういいながら俺が海夜を引き寄せると海夜もこちらへと倒れてきた。
「…。いいですよ。もっと抱きしめて。先輩が素直なのはいい事です」
「そう言われるとしたくなくなるな」
「なっ、なんでですか!もうこの先輩は…。甘やかしてくれたらいいのに…」
「面白くないだろそれ」
「面白さは求めてませんよ」
そういいながら海夜は俺から降りて…。なんか俺の腕を伸ばし。寝転んだ。
「なんで腕枕なんだよ」
「…。もしかして重いですか?」
「いや全く」
「なら…。今日はこれがいいです」
「今日めっちゃ甘えて来るな」
「…」
「また無視」
「…」
「寝るなら大人しく寝ろよ」
「…。はい」
それから…。数分後の事。
「…。すぅ…。すぅ…」
「寝るの早すぎだろ。びっくりだわ」
なんやかんや騒いでいた海夜は俺の腕を枕に夢の中へとすぐ入っていった。
って…。まじで甘えん坊っか…。まあうん。表情は安心しているというか。リラックスしている。というのが見ればわかる状態なので…。うん。そのままにしておいたのだが…。
耳元で寝息はね。くすぐったいというか。何というか。うん。まず…。
「寝れん」
っか海夜はなぜかこちらを向いて寝ているから…。変に海夜の方見れないんだよな。近い位置に居るし。
こういう時は…。何したらいいんだろうな。鼻でもつまん…。じゃだめだよな。また騒ぐ未来が見えた。だから…。ほっぺたでも突っついていればいいのだろうか…。うーん。
とか俺が思っていたら…。急に隣から…。
「…。先輩」
「はいっ?」
びっくりだよ。起きてたのかよ。マジで驚いたよ…。とか俺が思いつつ隣を見たら…。
「…」
「…。夢にも俺参加かよ」
真横で寝言とか。やめろである。心臓に悪いわ。
っか。隣にいる奴は…。大変良い夢を見ているのだろう。顔ニコニコだし。とか思いつつ。天井を見る俺。
とりあえず眠くなるまでボーっとすることを選んだ俺だった。
ちなみにそのあとの俺の記憶は…。
ない。どうやら疲れていたのかすぐに寝たみたいだな。
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