第62話 癒しの時間
「…。来ないじゃん」
海夜が来る来る来る。と言っていたから俺は帰ってきてすぐ風呂に入っていたのだが…。
未だに海夜は来ない。うん
すでに9時。21時を過ぎた。
そしてなんやかんや言っていたが。やっぱり自分の部屋でくつろいでいるのかと俺が考えだした時だった…。
確か時間は…。21時半過ぎだったな。
ピンポン。
インターホンが鳴った。
いやいや、何時に来るんだよ。とか思いつつ玄関に行き。ドアを開けると…。
「遅かったな」
「お、おまたせしてすみません」
まだ風呂上がり?らしい海夜がドアの前に立っていたのでとりあえず中に入れてやった。いや、こんな姿というか。海夜は部屋着で普通に来ていたからな。あまり人の目には…。だろうと思ってな。
「…」
「…」
俺の部屋に入ると海夜はベッドに腰掛けて…。静かだった。うん。どうした?である。海夜が静かだから俺も何を話したらいいのだろうか…。とか思いつつ声をとりあえず書けてみたら…。。
「海夜?」
「ひゃい!」
「ひゃい?」
うん。変な声が聞けたのだった。
「な、なんでもないです。大丈夫です」
「どうしたんだ?」
「…」
なぜか恥ずかしそうに下を向く海夜。
「もしもーし。体調悪いなら帰って寝ろよ」
「ち、違いますよ…」
「じゃなんだよ」
「だ、だって、先輩が…。覚悟して来いとか言うから…」
「なるほど。くすぐりでいじめてほしいと」
「言ってません!」
「くすぐりされたいんだろ?」
「ちが、違います!」
ちょっと緊張?も取れてきたか?とか思いつつさらに話を続ける俺。
「いやさ、別になにもしないし。覚悟とか冗談だし」
「なー、冗談なんですか!?」
「なんだよ」
「だ、だって…。先輩が覚悟して来いでしたから…。いろいろ…」
「なに?襲われたい?やめてくれ。俺が捕まる」
「むー、なんなんですかー、雰囲気チラつかせてー。馬鹿」
「海夜って、甘えん坊で変態なんだな」
「ち、違います」
隣からポカポカと叩かれる俺。ってか…。こいつマジで準備してきたというか…。風呂入った後の割に寝る感じじゃないというか…。ちょっと色気?とかはしらんが…。うん。覚悟?をまじめにしてやってきたというのだろうか。ってこいつ…。かわいいよな。とか俺は思いつつ。
「海夜。とりあえず飲み物でも飲むか?」
と立ち上がると…。
「なっ、お酒飲ませて…。ですか」
「おい、誰も酒と言ってないし。未成年に飲ませるかよ。ってか酒なんてそもそもこの家にないし」
どうやら海夜が変なスイッチ?が入っているみたいなのだが…、どこに切るスイッチあるんだよ。とか俺が思っていると…。
「そういえば先輩お酒飲まないですよね?もう20歳なのに」
「別に飲む機会なんてないからな」
俺はそういいながら冷蔵庫にあったお茶をコップに入れて海夜に渡した。
「お茶ですね」
「お茶だよ。なにをどうしてもお茶だよ」
「先輩は…。お酒飲んだらどうなりますか?黙りますかね?喋りますかね?」
「知らんな」
「あー、でも、乱暴になったら…。嫌です」
「だから飲む機会ない言ってるだろ」
「…。まあ先輩ぼっちですからね。かわいそうに」
「しみじみ言うなよ。ぼっちが」
「先輩」
「うん?」
「私が20歳になったら一緒に飲みましょうか」
「何年先だよ」
「私が大学2年生になったらですかね」
「無事にな」
「なりますから!」
「っか、それまで海夜と一緒に居るかね」
「えっ…。居てくれないんですか?」
急にトーンダウンした海夜。
「なに?チワワの練習?うるうる海夜になりたいの?」
ペチ。
うん。軽く叩かれた。ってか…。まあ数年後ね。っか明日でもなにがあるかわからないからな。
「まあ、なるべくだな」
「むー、まあ…。先輩は普通なら。普通なら大学卒業してますからね」
「普通って2回も言ったよ」
「先輩。お茶おかわりです」
「喉乾いていたのか?」
「ちょっとお風呂長かったですからね。水分は大切なんですよ」
「そんなに…。見てほしかったか。変態だな。まあ見る気ないが」
「先輩!」
「はいはい。なにもいいませんよ。ってか、はい、お茶」
「…。ありがとうございます」
俺が海夜に再度お茶を入れて渡すと…。一気に海夜は飲んで…。
「ぷはぁー」
「おっさんか」
「ち、違います。先輩が馬鹿なことばかり言うからです」
「いやいや意味わからん。ってか海夜」
「なんですか」
「いつ帰るんだ?」
「ちょ、来たばかりですよ。なんですぐ帰れになるんですか。酷いですよ」
「いや、来るの遅かったからな。もういい時間だし」
「…。帰らないです」
「約束と違うだろうが」
「…。まだ来たばかりです」
「お茶飲み干しただろ」
「じゃおかわりを」
そう言いながらまたコップをこちらに差し出してくるが…。
「飲み過ぎも良くないぞ?」
「もう少し居ます」
うん。水分補給はもういいみたいだな。コップひっこめたし。とか俺は思いつつ。
「やっぱ帰らないか」
「…」
「また黙ったよ」
「先輩と居ると楽しいですし。あっ、変なことはしなくていいですから」
「よし、くすぐるか」
「だから。ってか先輩くすぐりいう割にしてこないですよね」
「いや、とっておきは取っておかないとだろ」
「いつする気なんですか?」
「まあ必殺技的な?」
「怖いこと言いますね」
「海夜が泣き叫んでもその場合はやめないだろうな」
「…」
「だから大人しく帰れよ」
「…。やーだ」
「おい。ってか、かわいく言っても許可は簡単には出ないぞ。俺は睡眠大切派だからな」
「やーだ。やーだ」
「…。海夜。何度もやると効果薄れるぞ」
「むー、だって…。お泊りしたい…。です」
「なんでだよ。近いじゃん帰れよ」
「先輩。彼女が甘えてます」
「どこに居る?どこ?」
「ここですよ!」
「なっ、ちょ」
海夜はそういいながら俺に飛びつくというか…。うん。ベッドに押し倒された俺だった。っか意外と押し倒す際の力は強かった海夜だった。
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