第64話 癒しの時間3
あれから俺はすぐ寝れたらしい。のだが…。
それはどのくらい時間が経ってからだろうか。
ふと…。
「…。チュ」
「…」
「先輩、無防備ですね」
「…」
…。なんだろう。変な夢を見た気がする。かなしばり?全く動けない俺が海夜になんかされる…。夢?あれ?なんか…。うん?思い出せない…。あー、そうか夢だからか。って…。なんか耳がくすぐったいような…。うん?なんだこれ?変な夢?
…。そこで俺の目は覚めたらしい。
まだ部屋は暗いが豆電球が付いていたので、周りはちょっと見え…。ってか海夜が見えた。
そしてめっちゃ驚いた表情しているな…。って。なんで海夜が見えるのか。寝ていなかったっけか?俺の記憶では…。うん。確か海夜は俺より先に寝ていた気がするのだが…。とちょっと頭の中を整理。
うん。わかった。現状は海夜がちょっと起き上がりこちらを見ていた。だな。あっ、あと驚いた表情をしているな。
「…。海夜。なんかしたか?」
「ふぎゃ…。や、やっぱり…。お、起きていたんですか?」
「今起こされただな」
「なっ…。何もしてないですよ。たまたま私は…。その…」
「海夜。先に言っておくが耳は噛むものじゃない」
「か、噛んでませんから!私は…」
「私は?」
「な、何も」
「したな」
「な、なんですか。実は…。ずっと起きて…。いて…」
「いや、夢をみた気がしてな。海夜に襲われる」
「お、襲いませんから。なんですか、その意味のわからない夢は。先輩の妄想が見せた夢ですよ。変態ですね。最低な夢です」
「夢に怒るなよ。っか選べるなら俺も平和な夢見たいし。って…。なんでこんな話してるんだよ。って何時だよ?」
「わ、わからないですよ。スマホ机ですから」
「まあ、時間はいいか。まだ夜中な感じだし」
俺は一度身体を起こしたが…。ベッドからは降りなかった。っか海夜が腕掴んでいたからな。動けなかった。というのが正しいな。
すると…。
「外も暗いですからね。だから先輩。また腕枕してください」
海夜はこのまま何もなかったで終わらせたいみたいだが…。まあどうせ目も覚めたというか起こされてしまったので…。しばらく相手をすることにした。
「…。その前に耳を噛んだことについてだろ」
「なっ、だから噛んでません。ちょっと…。って何言わせるんですか」
「勝手に騒ぐなよ。夜中に」
「だ、だって…。私は…。むー、先輩が起きるから」
「海夜は寝ている時に襲ってくる。要警戒だな。警備体制強化が必要か」
「ちが…。わないような…。ですが」
「認めたな。よし危険人物認定」
「み、認めてないです」
「っか。人の夢をぶち壊したやつには罰が必要か」
「な、なんですか、私何もしてないですちょっとだけ…」
「ちょっと?」
「…。触りました」
「ふーん。変態」
「な、なんですか。変態じゃないです。か、軽く触り…。触れただけです」
「海夜にもしてやろうか?」
「なっ…。何を言い出し…。うー…。でも…。…。はい」
「はい。って…。やっぱ海夜は変態だよな」
うん。俺の隣に居るやつマジで危険人物だわ。なんか変な病にでもかかっているのだろうか…。とか思いつつ。俺はそんなことを言いながら隣に座っていた海夜を引き寄せ…。
「もう…。えっ…。へっ!?」
ちょうど見えていた首筋に…。うん。なんか思いつきの勢いでやったからあまりわからなかったが…。綺麗な肌だったな。感触は良しだった。あと香りがめっちゃよかったな。
そして…、俺が離れると…。海夜がフリーズした。うん。俺を見つつ固まっていた。
「…」
「…」
「…。せ、先輩?」
「うん?」
「今…。なに…。しました?」
「罰?」
「き、キスしましたよね!しましたよ!?Q?%&$」
「…。てんぱりすぎて、謎な声になってるぞ?」
「…」
急に元気になった。後輩だった。今夜中ってことをこいつ忘れて居るだろ。とか俺は思いつつ…。
「仕返しだからな」
「く…。くすぐったいことしないでくださいよ。ぞわっとしました」
「海夜もしただろ?変な感触こっちもまだ残ってるんだからよ」
「そ、そりゃ…。しちゃいましたけど。先輩が無防備だからです。だから先輩が悪いのです」
「人が寝ている時に襲ってくる奴やつが」
「お、襲ってません」
「はいはい。ってか…。夜中に俺たち何やってるんだ?」
「せ、先輩がいきなりキスしてきました。首筋に」
「海夜が先。という事実を飛ばすなよ。重要なことだろうが」
「私の方は…。証拠がありません。はい。そうですよ。証拠なしです」
「なら俺のもだな」
「私が見てました。だから証拠ありです」
「なんだよそれ」
うん。本当に俺達何しているんだろうか…。とちょっと冷静になると…。アホだな。俺達。と思えてきた俺だった。
「…」
「…」
っか…。なんだろう。今の照れている海夜がいつも以上にかわいいな。とか見ていたら…。
なぜに海夜は俺を見ながら目を閉じた。何してるんだこいつ?眠くなったか?座りながら寝るのか?とか俺は思いつつ。
「…」
「何してるんだ?海夜」
「…。く、口封じ…。したら秘密にしてあげなくも…。ないです」
とか目をつぶったまま海夜が言った。
「何言ってるんだこいつ」
うん。本当にこいつなんかおかしな病にかかったらしい。めっちゃかわいいじゃんである。うん。
「…。しないなら…。たくさんばら撒き…!?」
海夜が目をつぶったまま話している途中に、俺は再度海夜を引き寄せた。そして次の瞬間には…。海夜の顔が目の前にあった。うん。一瞬だけな。一瞬だけ距離が0になった。
あと…。海夜が急に目を見開いたから綺麗な目も間近でちょっとだけ見たな。って…。まあちょっと海夜がうるさかったから一瞬だけ塞いでみた。
そしてすぐ離れた。というのが今の出来事。
ということなんだが…。これ恥ずかしいじゃん。ミスじゃん。とりあえず触れただけだが…。次なにを言ったらなんだよ…。なんかめっちゃいい香りがさらにして意味わかんなくなったよ。とか俺がいろいろ思っていたら…。
俺の前で目をパチパチさせている海夜。何が起こったのかまだかわかっていないのだろうか固まっている。
ちなみに照れたりはなく。ただ俺を見て目をパチパチしていた。壊れたのかな?とか思っていたら…。少しして…。
「…。…。…。先輩。今のは…」
「…。口封じだな。海夜の提案を採用しただけだが?」
うん。海夜が長い間固まってくれていたおかげで俺はちょっと冷静になっていた。
「い、いきなり過ぎますよね。びっくりしてなんの感想も出てこないですよ!馬鹿じゃないですか!?」
「なんで怒っているのか」
「わ、私の初めてがびっくりで終わったからです。どうしてくれるんですか!?責任取ってください!」
「…。海夜が言ったんだろう?塞げやら」
「い、言ったかもしれませんが!」
「言ったし。言ったから塞いだんだから黙れよ」
「う、奪われました…」
すると急に海夜がしょぼんとしたので…。さすがに冗談だったのだろうか…。と俺は思いつつ。
「…。いや…。その悪かった」
一応謝っておいた。うん。謝ったからな。
「え?あ、いや、その悪くはなくてですね。はい。びっくりはしたのは本当ですが…。はい」
「っか。もう寝る」
「なっ、ちょっと先輩。今寝ちゃいます?ちょっと。今寝ちゃうんですか!?」
俺が寝転ぶと海夜もとなりに慌てて寝転んできた。
「もう…。先輩。次は長めで。ですからね」
「…。おかしいな。まったく黙らないのだが…」
うん。さっきの俺の謝罪は不要だったらしい。無駄な事させるなよ。である。
「今は塞がれてませんから」
「ガムテープガムテープどこだ?」
俺は起き上がってガムテープを真面目に探そうとしたら…。海夜に腕を掴まれた。
「ちょ。なにするつもりですか!」
「いや、うるさいからな。口を塞ぐ」
「ガムテープは嫌です。先輩に塞いでほしいです」
こいつ…。アホなことをマジで普通に言いだしたよ…。と俺は思いつつ。
「海夜の頭がおかしくなった…。いや、さらにか」
「馬鹿ですか」
その後はなんか隣からポカポカ叩かれるため…。寝れなかった。うん。
しばらく海夜が静かになる気配がないから…。こいつ目覚めたな。とか俺が思っていると…。
「先輩」
「うん?」
急に肩をトントンされたため海夜の方を見たら…。
「隙あり!」
「…」
目の前に海夜の顔がまたありましたとさ。
俺が気が付いた時には密着でしたよ。はい。
2回目はちょっと長かった。というか…。海夜がくっついてきたからな。離れなかったんだよ。引きはがすわけにもいかないし…。なんかめっちゃ…。良い香りするし。とりあえず大変だったよ。
ちなみにそれから数時間後。翌朝のことを言っておくと…。
海夜は起きるなり…。顔を真っ赤にして…。即帰って行きましたとさ。
まあだから翌日は平和な休日だったよ。以上である。
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