第65話 体操服
昼休み。
今日は快晴。こういう日はうるさい後輩がやってきていろいろおしゃべり…。がよくあることだったのだが…。今日はちょっと違った
「…」
「…」
「…」
「海夜?」
「なっ、はい!」
俺が声をかけると海夜がびっくり?したのか現実に戻ってきたのかは知らないがちょっと大きめの声で反応した。
「声でかいな」
「あっ、そ、その…。なんですか」
「まだ自分が暴走したこと思い出しているのか。何日目だよ。久しぶりに来たと思ったら」
「お、思い出してません!」
ちょっと頬を赤くする海夜。うん。思っていたな。とか俺は思いつつ…。
「思い出すなら昼休み来なければいいのに」
「昼休みは…。晴れたら先輩との時間です」
「日曜は静かだったもんな」
「よ、用事があったんです」
「月曜、火曜、水曜も静かだったよな」
ちなみに海夜とこうやって話すのは4日ぶり?くらいだったりする。
「もしかして…。先輩。私が来なくて寂しかったですか?」
「いや、久しぶりに。ホント久しぶりに静かで嬉しかった。だからありがとう」
「むー、何ですか。そのお礼は…。い、いろいろこっちは大変だったんです」
「へぇー、まあなにも聞かないが」
「先輩!」
「うん?」
すると海夜が近づいて来て…。
「あ、あの…。は、恥ずかしいですから…。この前のことは…。なるべく…」
「バラまけか。ぼっちには難しいな。そんな友人居ないんだが」
「ちょ、馬鹿ですよね。先輩も恥ずかしいですよね?馬鹿じゃないですか」
「俺襲われた。的なイメージを広めればいいんだろ?」
「ち、違いますから!」
「海夜。また顔赤いぞ」
「むー、意地悪意地悪。今日は帰ります」
そう言いながら海夜は立ち上がった。そして高校の方へと歩き出したので…。
「顔真っ赤で帰ったら怪しまれないか?クールダウン必要だろ」
と。声をかけると…。
「馬鹿ー!先輩と居なければ落ち着けますよ」
昼休み。ちょっと後輩いじめをしていたら…。いつもより気持ち海夜が早く高校に戻っていったとさ。
っか海夜は先ほどボーっとしているというか…。あれ…。本人気がついているのだろうか。上の空というか。どこ見ているか知らんが。ああいいながら今は…。多分ニャッと?まではしてないが…。ニコニコ?まあご機嫌?な感じで思いにふけているというか。まあ…。多分いろいろ嬉しいことがあったんだろうな。
ちなみに先ほども言ったがもう一度ちゃんと言っておくと今日は木曜日である。
海夜は珍しく3、4日静かで先ほどちょっとぶりに話したというところだ。
いや、姿を見たのは見たんだがな。家の前やらで、でも小さく会釈して海夜が逃走だったんだよ。謎なやつだわ。まあでも俺は静かで平和な時間を久しぶりに満喫出来たから良しなんだがな。
それから講義がお昼までだった俺はのんびりといつもの場所でした後…。人が少ない時間帯にゆっくりと家へと帰った。
家に帰ってきてからは今日は昼休みに海夜が来たから…。もしかしたらまた夜ご飯を食べに来るかな?とか思いつつ部屋に居たら…。
ピンポン。
「来たよ…。多分な」
俺は多分海夜だろうと思いつつ立ち上がった。
いや、まだ見てないから確定ではないがな。
でも海夜の気がすると思いつつ。玄関へと行ってみると…。
「はい」
「先輩」
よく知った声が聞こえたので…。俺が玄関のドアを開けると…。
ガチャ
珍しい姿の海夜が立っていた。
「うん?珍しいな。体操服?」
「…。失礼します」
「へっ?」
普段なら制服で乗り込んで来ることが多い海夜だったが。今日は体操服でやってきた。
って、ドアを開けるとスタスタ部屋に海夜は入っていったので追いかけてみると…。
海夜はすでにベッドに座っていた。そして何故かめっちゃ落ち着いた?表情をしつつ。つぶやいたのだった。
「先輩の部屋だ」
「いきなり気持ち悪いこと言ってるよ」
「な、何がですか!久しぶりだから…。でして」
「いやいや、数日来なかっただけじゃん」
「数日もです…。先輩。呼びにも来ないですし」
「あっ、呼んでほしかったのか」
そのパターンは考えてなかったな…。と俺が思っていると…。
「違います!」
「なんだよ。っか体操服で来るとか体育終わりか?」
「いえ、今制服脱いできました」
「ホント謎なやつ」
「…。制服で先輩の前は危険とこの前わかりましたから。先輩がお願いしない限り制服は着て来ません」
とかそんなことを言っている海夜だが…。なんでこいつ私服で来るという考えが無いのだろうか…。と俺は思いつつ。
「いや、お願いなんてしないが」
「します。絶対」
「っかさ。体操服の方が…。露出高くないか?」
「ろ、露出!?」
うん。肌が見えている面積は制服より…。とか思っていたら…。っか、半袖短パンって今はまだ4月だぞ?とか思いつつ。
「まあ別にいいけど。なんかガキみたい」
「なっ、ガキ?」
「いや、放課後に毎日半袖半ズボンで遊んでる奴らいるじゃん」
「が、ガキじゃないです!先輩が…。そのエッチなことしてくるから…。仕方なく安全なものを…」
「いやいや、部屋着に着替えてきたらいいだけだろ」
「…。それだと普段とかわらないといいますか」
「なにが狙いだか」
「な、なにもないです。ただ…」
「ただ?」
「…。なんでもです!」
「はいはい。半袖半ズボン君」
「もう!」
「怒った怒った」
「怒らせたいんですか!?」
「楽しいからな」
「変態先輩」
「海夜に言われたくないな」
「なっ、むー。この先輩は…」
「ほら、また赤くなった」
「なってないです!」
と、顔を赤くしつつ言う海夜。こいつ…、自分の状態を理解していないのだろうか…。とか思いつつ。
「海夜」
「…。なんですか」
「足綺麗だな」
「…。な、なんで今足褒めたんですか。踏んで欲しいんですか?ド変態でしたか。もうホント最低ですね」
「普通に綺麗だから褒めてやったのに」
「先輩がいやらしい目線を…」
「わざわざ体操服で露出してきたの誰だよ」
「…」
「黙った」
「…」
「まあいいが」
結局それから海夜。体操服バージョンは夜まで俺の部屋に居た。
そして冷えてきたやらやらでやっと帰って行きましたとさ。
なお、その後体操服で海夜が来ることは…。減った。うん。来なくなったな。というか。また制服で来るようになったな。あれだけなんか言っていた割に…。早かったというか。だから何故私服に着替えてこないのかであるよ。ホント謎なやつだわ。とか思っている俺でした。
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