第66話 お勉強中

とある休みの日。


今日は海夜の部屋に俺が来ていた。というか呼ばれたから来た。何故俺が呼ばれたか。その理由は…。


「先輩。実力テストの勉強したいですから。私が怠けないように監視していてください」


という意味のわからない理由で呼ばれた。はじめ言われた時はもちろんお断りしたのだが…。まあ海夜が諦めることなく。最終的には無理やり連れてこられたのが今である。


現在海夜は俺の前で…。まあ真面目に?問題を解いている。


俺はというと…。ただ居るだけ。うん。教えるとかそんなことはなく。居るだけである。まあ海夜がやっている問題を俺が解ける自信もないし。聞いてこないからセーフ。とかも思っているんだがな。


ってか居るだけってむしろ邪魔じゃないだろうか?とかも思うのだが…。海夜的には1人だと怠けるから。らしい。うん。俺にはわからない世界があった。


っか、マジで暇。俺はスマホをいじるくらいしかないのでね。

たまにはちょっと海夜の観察…。とかで海夜を見ていると…。なんか言われるかもだから。なるべく見ないようにはしている。


にしても。

先ほどから問題をスラスラ解いていく海夜だった。さすが学年上位か。


ちなみにだが現在は夕方である。実はすでに4時間ほど俺は暇暇している。いつ終わるのかなー。なんだが…。


なかなか終わらなさそうな感じ。雰囲気なんだよな。とか思っている…。


「先輩。あまり見ないでくださいよ。恥ずかしいです」


ちょっと見ていたのがバレたってかさ。


「なら一人でやれよ!」


である。うん。俺は正しいことを言った気がするのだが…。。


「それはダメです」

「はぁ…。っか頑張るね。学年3位」

「むー、次は1位です」

「1位になれたら…。どっか連れていってやるわ」

「ほ、ほんとですか!?」


海夜の身体がこちらに乗り出してきた。そんなにどこか行きたいのかよ…。とか思いつつ。


「…。まあ無理だろうがな」

「で、出来ます。聞きましたからね、聞きましたよ!連れて行ってくださいね」

「はいはい、まあ頑張れ。っかそろそろ俺帰っていい?」

「ダメです。この後晩ご飯作ってありますからあとしばらく居てください」


どうやらこの監視役?は食事つきだったらしい。まあ何もないよりはいいか。それに見てるだけでご飯が出てくるならいい役か。とか俺が思っていると…。海夜が何故か照れつつ…。


「…。ご、ご飯のあと…。くっついてあげますから」


とか言うことも付け加えてきたので…。


「それは要らんな」

「な、なんでですか!」

「海夜がくっつきたいんだろ?」

「…」

「はいはい。黙った。最近よく黙るね。っか食べたら帰るか」

「…。その場合部屋まで付いてきますからね」

「…。ストーカー。っか勉強しないのか?さっきから手止まってるぞ?」

「し、しますから!」


俺が言うと海夜は…、まあなんかまだ言いたそうな感じだったが。ペンを持ち再度問題とにらめっこを開始した。


そのあと結局海夜は19時前まで勉強を頑張っていた。


「ふー、あっ、先輩晩ご飯にしましょうか」

「…。超暇だった」


うん。暇。超暇だったが…。まあ勉強している海夜見ているのは…。まあうん、よかったか。あまり勉強してる姿ってみないからな。途中でなんか海夜が声をかけてきてからは俺が見ていても海夜何も言わなかったからな。観察させてもらった。


その後は海夜が作ってくれた晩ご飯のち…。俺は帰れなかった。その理由はもちろん…。


「先輩。勉強頑張ったから撫でてくださいよ」

「ウザい」


うん。こんな後輩が居たからである。最近の甘えん坊海夜は大変である。


「むー」

「帰る」

「ダメです。居てください。帰るなら…。先輩の部屋にお持ち帰りしてください」

「こんなでかいのお持ち帰り拒否だよ」

「…。自由にしていいですよ?」


何を期待しているのかはわからないが…、ってか海夜よ。そんなことをさらっと言うでない。と俺は思いつつ…。


「先週くらいか?暴走して数日間恥ずかしがっていたやつが居たな。また同じことをするのか」

「だ、誰ですかねー」

「誰だろうな?」

「私は…。そんなことしません」

「へー」

「…。なんですか」

「やっぱりどこかでぶつけて海夜の頭のネジ取れたのかなぁー。ってな心配してた」

「壊れてませんよ!」

「最近ボロボロな気がするが。頭が」

「もう!わかりました。絶対、今後は絶対先輩からのスキンシップを拒否しますからね」

「海夜が我慢できないだろ」

「チッチッチ、先輩。先輩からです。私からは自由です」

「…。謎、まあご自由に」

「ちなみに先輩は私に触れてはいけませんから、引き剥がせないってことですからね?」

「それ…。ウザいしかないな」

「嫌なら…。はい。撫でてください。簡単な事ですよね?」

「おやすみ」


俺が向きをかけて玄関の方へと歩き出そうとすると…。また捕まった。うん。腕を掴まれた。


「なっ、もう。先輩。ちょっと。私勉強頑張りました」

「ならゆっくり休めよ」

「…。泣きますよ?」

「子供か」

「彼女です」

「子供ってことに否定が無かったから子供なんだな」

「先輩の耳がおかしいですねー。会話が不成立な気がします」

「あー、わかったわかった。うるさいやつだな」


俺はそういいながら海夜に近づいて…。


「そうです。はじめからそう…。ふぎゃ!?」


海夜の頭を掴むと…。わしゃわしゃしておいた「いつもより多めにわしゃわしゃしておりまーす」とかのナレーションをつけておいてくれてもいい。という感じでわしゃわしゃしておいた。


「なっ、ちょ、髪がボサボサです。先輩の馬鹿ー」

「よし。OK」

「なにがですか!」

「かわいいぞ?」

「嘘ですよね!?ボサボサにしてー」


まあ俺のわしゃわしゃにより。海夜の髪はなんかあちらこちら?に飛んでいるので。今海夜が手櫛で直しているが…。うん。別にこれはこれでいいと思うんだがな…。嫌がっている?のかもしれないが…、表情は緩みっぱなしだし。と俺は思いつつ。


「まあかわいいのは本当だな。いい笑顔だし」

「えっ…」


はい、海夜が固まったところで俺は帰宅したのだった。

うん。こいつは褒めればなんとかなるな。急に褒めたら大体の確率で固まってくれるからな。


まあそれが効果なしになったや、あと超不機嫌になった場合は。最終兵器?ではないが海夜にはココア与えたらいいだろうし。うん。


っか、ふと思ったが…。マジでご褒美の時だけにしか飲まないのか。海夜が家でココアを飲んでるところ見たことなんだよな。マジで。とふと思った俺だった。


にしても俺が海夜の部屋を出てくるときの海夜…。良い表情してたな。

驚いたみたいな表情で…。顔赤くして。まあ次会った時になんかいろいろ言われそうだが…。まあ今は解放されただけで良しだろう。うん。

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