第165話 安静に…… 海夜side

「マジで怠さがレベルが上がってるからそっとしておいてくれ」

「わかりました。お大事にです」


……はい。私が返事をしたら先輩は即寝ました。ホントにビックリするくらいすぐに寝息が聞こえてきました。

よっぽど疲れていたんですね。ならとっとと寝たらよかったのに――なんで素直に寝ないんですかね。私は寝顔が早く見たかっただけなんですが――って、よく見ると――先輩。本当に辛そう?うん。演技じゃなかった?いや、体調が悪いのは見ていてわかりましたが――私本当に邪魔だった?うーん。


「——ちゃんと看病した方がいいかも」


それから私は再度外へ出ました。雨が降っていたけど関係ないです。私は傘をさしてそのままドラッグストアを目指しました。

本当は先輩の部屋を漁ったら冷えピタのシートとかいろいろありそうだったけど――探しているより買ってきた方が早そうだったので。見つけたけど中身空っぽだったー。とかだとですからね。


ちょっと途中で雨が強くなってきたのは――だったけど。うん。靴下が冷たいです……でも何とかドラッグストアに到着した私は店内をウロウロ――ウロウロ。

そして冷えピタのシートと、スポーツ飲料を数本。あと、食べやすそうなゼリーに――先輩汗かいていたから――身体拭きたいかも。拭いてあげた方がいいかも――ということで、たまたま目に付いた身体拭きのシートを買ってレジへと向かったのですが――ですが。です。その途中でお菓子コーナーがありまして――。


「ありがとうございました」


お会計終了後。


「——誘惑に負けました」


私の買った袋の中にはお菓子が追加されていたのだった。今月新発売のチョコのお菓子です。新発売は試さないとですから。仕方なかったんです。本当は早く先輩のところへ――だったのですが。仕方ないです。はい。それに先輩は寝ているはずですからね。あっ。そうそう、先輩が何か食べたがるかも――ってことで買ったんです。はい。ってか。もしかしたら――帰ったら淋しがって起きている可能性も――とか思いつつ歩いていたら。


ビューー。


「—―きゃっ」


突然の突風。雨が攻撃してきます。冷たいです。何なんですかー。傘が意味ないじゃないですか!最近の雨おかしいですから!

雨によって少しずつ濡れる制服を傘でガードしつつ。私は先輩の家へと急いで向かったのでした。


――ガチャ。


「——ただいまです。あと。冷たいです。もう」


先輩の家へと入って声をかけましたが――先輩の返事はなしですね。私はそんなことを思いつつ。まず玄関で靴下を脱ぎました。いや、びちゃびちゃになりましてね。もう重たくて気持ち悪くてなんですよ。それに履いたままだと先輩の部屋に足跡を付けることになりますからね。


それから先輩のところの洗面所を借りまして――ここにタオルがあることは知っていたのでね。ちょっとタオルを借りまして――パパっと濡れた制服を拭きます。身体も拭きます。はい。OKです。冷たいですが――。

濡れた靴下は――先輩の家の洗濯籠をちょっと借りましょう。帰る時に回収したらいいですからね。先に先輩が着替えた服が入ってますが――まあ濡れているので私の靴下が上に乗っても問題ないでしょう。

ポイっと洗濯籠に濡れた靴下を入れた後。私は買ってきた荷物を持って先輩のところへ。先輩は――。


「——よく寝てますね。死んだように寝てますね」


超ぐっすり寝てました。全く起きる雰囲気は――なしですね。

トコトコと先輩に近寄り。ちょっと先輩に触れてみると――熱は結構あるみたいだったので、まず冷えピタちゃんを先輩にペタッと貼りました。貼った時ににやけていた気がしますが――先輩まさか起きてますかね?私の変なところ見たんじゃないですよね?とちょっと胸元とか警戒したのですが――先輩は起きずでした。


冷えピタを貼った後は買ってきた飲み物の半分を冷蔵庫に入れて――一応先輩へのメモも書いて――いや、ちょっとやっぱりお風呂に入るためにですね。一時自分の部屋に帰ろうと思いましてね。濡れたところやっぱり冷たいので。先輩の風邪菌は弱そうでも、身体が冷えると――ですから。だから私が居ない時に先輩が起きてもいいように――というメモです。

先輩へのメモをセットしてから私は机の上にゼリーなどが入っている袋を置いて――一時撤収。の予定だったんですが。


ビュー。


「……」


また外は風が強く吹いていました。これは――お風呂に入って戻って来る時にまた濡れてしまう――ってか。靴が濡れているから――履きたくない。うん。昨日も濡れて――ってそういえば先輩がキッチンペーパー?入れてくれてましたね。うん。今入れておきましょう。


ということで先輩のところからキッチンペーパーをもらった私は靴に詰めまして――さて、お風呂をどうするか。


答え。先輩のところを借りたらいいんですよ。ですです。目の前にありますしね。私と先輩ですからね。それに今の先輩は当分起きる雰囲気ありませんし。大丈夫です。


それから私は静かに先輩の部屋の中を移動して――ハンガーとかをお借りしまして――少し濡れた制服を脱いでハンガーにかけまして――って、今先輩が起きたら目潰しに行かないとなので起きないでほしいですね。などと思いつつ。ちょっと大胆な事をしている気もしつつ。お風呂へ突入です。


お風呂――気持ちよかったです。はい。


しばらくお風呂を楽しませてもらった後――先ほど先輩にはバスタオルで――とか言いましたが私もバスタオル――ってか。タオルでウロウロ。いえ、着替えがですね。なくてですね。わたわたですよ。お風呂を借りましたが――どうしよう?また制服?でもちょっとまだ濡れている――でもさすがにこのままだと先輩が起きるとなので――ここは先輩の服をお借りしまして、って昨日借りた服もまだ私の部屋に――まあいいでしょう。いや、昨日借りた服もサイズがあってなかったからか。帰り先輩の部屋から私の部屋へと移動する際に足元がビチョビチョになりまして――なので。


はい。それからはですね。うるさいかな?と、思ったのですが。先輩の着替えとかも洗濯籠にあったので――洗濯機をポチッとです。籠をそのまま洗濯機に入れたら問題なしです。はい。


ちなみに洗濯の音でも先輩は起きずでした。何度か見に行ったんですが――熟睡でした。ホント死んでいるので――いやでもちょっとほっぺを突っついたら動いている感じだったので大丈夫でしょう。先輩ホントお疲れだったみたいです。


そして本当は晩ご飯先輩何か食べるかな?だったのですが――この雰囲気はホントに起きそうにもなかったので――でも、先輩の様子は見ていたかったので、私は少し先輩の部屋の冷蔵庫を漁らせてもらいまして―—おにぎりとかを簡単に作らせてもらい。いただきますです。先輩が起きたらもちろん先輩の分も作る予定でしたが――はい。起きませんでした。さらにその後はお菓子タイムです。お菓子は先輩も起きたら分けてあげたのに――まだまだ起きる雰囲気はなかったです。って、先輩ホントに生きてますかね?とちょくちょく様子を見たんですが――いつ見ても熟睡中でした。


「——心配になるくらい寝てますね。でも――表情は良くなっているみたいなので――って先輩なんの夢見てるんですかね。なんか笑顔です。怖いですね」


ぶつぶつと私はつぶやきつつ。って、その時にちょうど洗濯が終わったみたいなのでパパっと干しまして――いや、お風呂場で干して乾燥できるって便利ですよね。うちもなので私は自分のところのようにパパっと洗濯をしまして――OKです。


その後の私は先輩の隣へと移動して――しばらく様子見です。

でもやっぱり先輩は起きる雰囲気はないので――冷えピタを確認。うん。まだ効果はありそうですが――なんかぬるくなっている感じがしたので、交換です。ってかこれだけ触っても起きない先輩。大丈夫ですかね?いたずらしまくりじゃやないですか。などと思いつつ。汗はかいているみたいだったので、ちょっと身体拭いてあげようかな?ということで、拭ける範囲で先輩を拭いてみました。手とか腕とか、首や顔。起きるかな?と思ったのですが――この先輩。起きないんですよね。ホントですか?だったんですが――まあ起きないので、パパっと身体を拭いてあげた後は、冷えピタ再ピタです。貼ってあげるとまた気持ちよさそうな表情をしてましたね。


それから私は先輩の隣でスマホをいじったりして、くつろぎつつ先輩が起きるのを待っていたのでした。


はい。先輩は起きませんでしたね。私の方が先に寝てしましました。ふわふわ雲の上で気持ちよく寝転がっている夢を見ていたら――の部屋で寝ていました。


「はい!?」

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