第75話 注文が多い

夜中にケーキを完食の俺たち。まあ小さいやつだがな。とりあえず完食した。


「…。ケーキ美味しかったです」

「結局半分以上海夜に食われたな」


俺は片付けながら海夜に言う。


「た、食べてないですよ。ちょっとですよ。嘘を言わないでください先輩」

「食べたよ。しっかり餌付けしたよ」

「餌付けって…。別に…。もう懐いてます」

「なんか言ってるよ。そんなこと言って恥ずかしいやらやら次は騒ぐんだろ?」

「もう!この先輩は…」

「ちなみにほっぺにクリームついているぞ?」

「なっ!?本当ですか!?」

「嘘」

「もう!」


ほら騒いだ。とか俺は思いつつ。紅茶の追加を準備して…。海夜の近くへと戻った。ゆっくりしているのは明日がまだ休みなんでね。って、すでに今日だな。時間を確認したら00時11分だったからな。

とか俺が思いつつ飲み物を飲んでいると…。


「先輩に無理矢理ケーキを夜中に食べさせられるとは…」

「おい。くれくれ言ってたよな?口開けて」

「…。言ってないです。口も開けてません…。多分」


何をこいつはさらっと先ほどの記憶を消しているんだよ。と俺は思いつつ…。


「言ったからな?あと口も何回も開いていたからな?」

「…。でもまあ…。とっても美味しかったです」

「まあコンビニのスイーツもすごいよな。ってことで飲み物飲んだら海夜は家に帰れよ」

「えっ?」

「いやいや、海夜まだ帰ってきた時のままだろ?」


俺は海夜の服を指さしつつ言った。


「…。あっ」


海夜は自分の姿を見て…。うん。いろいろ思い出したみたいだ。俺はいつでも寝れる状況だからな。うん。まあまだ寝る気はないが。とか思いつつ。


「それすら忘れてたか」

「だ、だってー、お風呂入ったりしてる間に先輩がケーキ食べちゃうかもしれないじゃないですかー」

「そんなに欲しかったなら自分で買ってこいだな。まあ夜中に1人でうろうろするな。だがな」

「…。あっ、なら、先輩。夜中に彼女がうろうろしちゃわないように。見守ってくださいよ」

「はっ?」

「今日は私の家でお泊りです」

「やだよ」

「って言うと思ったので。早速言うこと聞く券。発動します。やっぱとっておくより使った方がいいですからね」

「えー。このタイミングで?」


っかなんか海夜が言っているが…。そういえば、なんか負けたから言う事聞く券みたいなのが発行って…。うん。発行されてないよ。まだ作ってもない感じだしな。とか俺が思ったところで…。この甘えん坊でわがままな後輩は…「絶対です!」とか言いながら騒ぎそうだから…。とりあえず大人しく聞いてやるか。とっとと終わらせた方が安全だしな。変なところで使われたら…。ってのがあるからな。


「絶対です。勝ったのは私です。だから先輩は私の命令にはちゃんと従うこと。です」


ほら「絶対です」って言ったよ。と俺は思いつつ…。


「…。って、これだけははっきりさせておくが。1回だけだからな」

「違いますよ?」

「違いますよ?じゃないからな。なんでずっとなんだよ」

「ダメですか…?」

「ダメだよ」


こいつ…。ずっとパシリみたいに使うつもりだったのかよ。怖すぎるわ。である。とか俺が思っていると…。


「…。まあ、でも、今日は私の家でお泊りです。行きましょう先輩」

「マジで言ってるの?」

「先輩。負けたんだから従うのです」

「まあとっとと終わらせた方がいいか」

「先輩。早く行きますよ」


それから俺は海夜に引っ張られて…。海夜の部屋にやってきた。夜中にな。外を歩いている時静かだったよ。


海夜の部屋は当たり前だが、誰も居ないため真っ暗だった。海夜が部屋の電気をつけると…。うん。やっぱ帰ってきてからそのままだったんたな。椅子のところとかにカバンやらがまだ普通に置いてあった。


とか思っていると…。


「先輩。私は今からお風呂に入ります。絶対に覗かないこと。部屋をあさらないこと。勝手に帰らないこと。です。いいですか?」

「っかそれなら。海夜が風呂出てくるまで俺自分の部屋いたらいいよな?」

「ダメです。先輩に恥ずかしい思いをしてもらいます」

「俺が風呂場突入したら海夜が恥ずかしい思いするぞ?」

「なっ、せ、先輩。そんなことするつもりですか?最低です。お巡りさん呼びますよ!?」

「まあしないがな」


うん。そんなことしたら…。どえらい騒ぎになりそうだからな。しないよ。とか俺が思っていると…。


「…。ま、まあ。す、するなら…。わかってますか?責任取らせますからね。わかってますか?」

「だ・か・ら。俺海夜が風呂に入っている間帰ってよくない?」

「ダメです。今の先輩は私のいいなりです。音だけでにやにやして私にあとで叩かれるのです」

「なにそれ。叩かれる未来とか嫌なんだが…」

「正座でもして待っていてください」

「なにこの罰ゲーム」

「いう事聞く券。発動中ですから。守らなかったら先輩はずっと私の言いなりです」

「やだよ。ずっととかマジでやだよ」

「だから大人しくしていてください」

「…。なら、早く風呂行けよ。片付けも後でしないと何だろ?」

「片付けは…。しますよ。はい。ってか。先輩が正座をしたらお風呂に行きます」

「…。はぁ」


結局それから俺はお座り状態。まあ胡座だかな。

なんか風呂場から水の音が…。というのをしばらく聞いていた。静かだから無駄に響くんだよな。

まあでも今更だからな。変なこと。ってのはないが…。まあそれにしてもあの後輩が考えることは謎である。


まあ一緒に居たい。というのはなんとなくわかるんだがな。甘えん坊に最近なりすぎているからな…。うん。いろいろ大変だよ。ホント。

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