第74話 勝負です5

海夜に睨まれながら自分の部屋へと向かった俺。もしかしたらこれはすぐに海夜が来るか…。とか思ったが。海夜が追いかけてくることはなかった。

なので俺は部屋に入ると、とりあえずケーキを冷蔵庫に入れた。


って、マジで美味そうなんだよ。最近のコンビニスイーツすごいんだよなあ。うん。あとコンビニは買いやすいからいいな。とか思いつつ荷物の片付けをして…。


チラッと玄関の方を見つつ。


「風呂入ってから食べるか」


と俺は先に風呂に入る準備をすることにした。いや今すぐケーキを食べると…。だからな。海夜がどうするか…。というのが気になっているし。まあ今はちょっとした待機時間だな。だからその時間を有効活用して風呂へと入ることにした。


それから俺が風呂入っている間は特に海夜から何か連絡や部屋に乗り込んでくるは…。あった。


うん。あったよ。

いや俺が風呂から出て、スマホを一応確認で見てみたら…。


「ずるい」


「意地悪」


「先輩。太りますよ」


♪♪〜


「無視ですか先輩。いい度胸ですね」


「夜中にいけないことですよ」


「美味しいものは太るんです」


どうやら俺のスマホは何度か鳴っていたらしい。かわいそうにスマホの充電が少し減っていた。っか着信も1回あったようだ。


「食べたいなら素直に言えばいいのに」


とか俺は呟きつつ…。


「今風呂から出たしケーキ試食するわ。感想は後日でいいか?」


と返信をしてから着替えやらしていると…。


ピンポンピンポン。


夜中に俺の家のインターホンが鳴った。それも連続で…。

まあ犯人は…。もちろんあいつだよ。


「はい」


俺が玄関へと移動してみると…。


「先輩。ずるいです」


訪問者はやっぱり海夜だった。うん。少し前に別れた後輩の声が外からしている。っか夜中にそこそこの音量で叫ぶな。である。近所迷惑だろうが。とか俺は思いつつ玄関のドアを開けた。


ガチャ。


俺がドアを開けると…。ちょっと頬を膨らませている海夜が居た。

今日よく頬膨らませてないか?とか俺は思いつつ。って、海夜は先ほど別れたた時のままの服装だったので…。こいつ部屋でずっとこちらになんらかの恨み?でも送っていたのだろうかとか思ってしまった。怖い怖い。


「なんだ?」

「意地悪です」

「ケーキ。そんなに食いたいんだな」

「食べたいですよ」


海夜が1歩前に来た。


「怒ってるよ」

「怒ってないです。先輩がケーキで私を部屋に連れ込もうと…」

「自分から今来てるが?っか自分から1歩踏み込んできたが…」

「…。たいです」

「鯛?」


いきなり魚?とか俺が思って聞き返したら…。


「食べたいです!」


うん。はじめの言葉が聞こえなかっただけだった。っか海夜は…。恥ずかしいのね。とか俺は思いつつ。


「何を?」

「だから…。ケーキです」

「海夜。顔赤い」


うん。ホント恥ずかしそうに海夜はしていて少しずつ声も小さくなっていた。


「…。ケーキください。連れ込まれてあげますから」

「いやいや、もう自分で入ってきてる」


海夜はそう言いながら俺の部屋へとさらに自分で入ってきた。うん。自分でな。そして俺が返事をしている途中に靴を脱いで…。普通に中へと入っていき。最近よく海夜がくつろいでいる場所。まあ俺のベッドに座りこちらを見た。


「先輩。ケーキ。早く」


うん。室内に入ったからか。声の音量が普通に戻った。あれか。外だったから誰かに聞かれると…。とか思ってしまったのか。とか俺が勝手に思いつつ。


「ケーキに負けた海夜だった」

「うー…。太るけど…。食べたいです」

「大丈夫だろ。海夜は細いし」

「…。先輩が言うのは全く信用できません」

「何でだよ」

「太らせて笑うために嘘を言う可能性があるからです」

「はぁ…。いろいろお考えで」


とか俺は言いつつ。冷蔵庫に入れてあったケーキを机の上に出した。すると海夜がすぐに机へと移動してきた。


なので俺はすぐにフォークを海夜へと渡すと…。


「…。えっ?」

「はい?」


何故かフォーク見て不思議がる海夜だった。


「先輩。フォーク2つもいりませんよね?」

「なに?1人で全部食う気だったわけ?」


この後輩マジかよ。とか俺が思っていると…。


「ち、違いますよ。先輩食べさせて…。くれると…。言いました」

「…。餌付けね」

「え、餌付け!?」


なんか前で騒いでいるやつがいたが…。って、ちなみ今俺たちの前にあるケーキはチョコケーキだ。うん、何度見てもめっちゃ美味そうである。そして先ほども言ったが…。最近のコンビニスゲーである。


「っか、同じフォーク使わなくてもいいだろ?」

「べ、別に…。一緒でいいじゃないですか。洗い物減りますよ」

「1つくらい大差ないような…。って照れてる照れてる」

「むー、先輩がぼっちのくせにいじめてきます。早くケーキください」


そして小さく口を海夜が開けてきたため…。


まあこれ以上いじめると暴れる可能性もあったからな。俺は少しケーキをフォークで取り。


海夜の口の中に…。って、かわいいな。おい。である。食べる瞬間の海夜めっちゃかわいかったわ。


「…。おいひぃ…」

「ちゃんと食べてからから話せよ。っか…。幸せそうなことで」

「…。先輩。次です。早くくださいよ」


そう言いながら海夜がまた口を開けた。


「…。全部1人で食いそう」

「早くです」


ってことで1つのケーキを取り合い?ではないが…。まあ、うん。俺が海夜に与えつつケーキを2人で味わいましたとさ。

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