第76話 注文が多い2

海夜が風呂へと消えてからしばらくして…。


「…。先輩?大人しくしてますか?」


風呂上がりの海夜が部屋へと戻って来た。うん。まあ相変わらずかわいいことで。であるが…。俺はというと…。特に何もしないで大人しく待機していただけなので…。


「海夜」

「はい?」

「暇。眠い」


うん。めっちゃ睡魔が襲ってきていた。嫌だって地味に海夜の風呂入っている時間長かったし。うん。いやいつもと同じくらいなんだろうけどさ。今日は俺待機しているだけどいうか。真面目にいいなりを守っていたからな。めっちゃ暇だったんだよ。うん。とか俺が思っていると…。


「寝るのはダメです」

「寝ないと肌にー、とか海夜はないのかよ」

「ありますけどー。今日は先輩を自由にしますから」

「変態すぎてやばいやつだ」

「むー」


そう言いながら海夜が俺の横にやって来た。まだ風呂上がりだから海夜の身体が暖かい。そしてシャンプーやらやらの香りだろう。いい香りが一気にしてきた。


俺にぴったりとくっついた海夜は…。


「先輩。今日は寝かせませんからね」

「すぐに海夜が寝るとみた」

「寝ません。まず…。そうですね。抱きしめてください」

「…。あー、この甘えん坊マジで大変」

「先輩。拒否権はないんですよ?」

「はいはい」


俺はまだ暖かい海夜の身体を引き寄せ。自分の足に向かい合う形になるように座らせた。


「ふぇっ!?」


海夜と向き合うと…。ってかこの体勢の場合。海夜の方がちょっと高くなるな。っかなんか驚いている顔してるな…。と俺が思っていたら。


「せ、先輩。なんでこの体勢なんですか?ちょっと恥ずかしいです。普通に…。その抱きしめてくれたら…。で良かったのに。って、軽々持ち上げられました…」

「立ち上がるの面倒じゃん」

「…。この姿勢だと…。しがみついたら…。離れませんよ?」


と嬉しそうになんか言っている後輩が居たが…。しがみつくって…。


「コアラかよ」

「先輩は木ですからね。ピッタリですね」

「前は壁じゃなかったか?」

「今日は木です」


そう言いながら海夜がしがみついてきた。って足までしっかりまわしてきた。

ほんとコアラじゃん。ってか…。地味に暑いというか。海夜風呂上がりだからこいつめっちゃ熱持ってるわ。うん。暑い。でもいい香りするから…。許す。だな。とか思いつつ。


って何してるんだよ。俺達だよな。夜中にイチャイチャして…。だが…。とりあえず海夜の背中に手を回した。これで文句はないだろう。俺が背中に手をまわすと海夜はさらにしっかり抱きついて来て…。


「…。先輩」

「うん?」

「…。なんかこれ。とっても嬉しいのですが…。恥ずかしいですね。顔見られてないのですが」

「ホールドだからな。海夜も必死にしがみついてるし」

「なっ、だ、だって…。これ安心しますから…」

「っか海夜軽いな。心配になる軽さだわ。もっと食えよ」

「か、軽くないですよ。重いです」

「いや、だって…」


俺はそう言いながら。海夜を抱えながら簡単に立ち上がった。

っかちょっと眠気覚ましだな。気持ちいいというか。いい抱き心地でマジで睡魔が…、だったため。俺は海夜を抱えながら立ち上がった。


「きゃっ!?ちょっと、先輩。これはダメです。ダメ。下ろしてください」


なんか抱えたコアラがわたわたしていたが…。まあ海夜はホント軽いからね。それに密着状態だったから俺が抱えれば完全に海夜は動けないというか。なんかめっちゃ照れていて力は言ってないというね。っかこいつ身体やわらかいな。女子ってみんなこんなにやわらかいのか?とか俺は思いつつ…。


「軽いってことの証明。楽だろ?軽々持ち上げれるって証明するのが」

「ち、ちょっと…。なら先輩。その…。手の位置。馬鹿ですよね?変態…」


と、わたわたするのを海夜がやめて…、赤い顔をして俺の方を見てきた。


「うん?」

「…。だ・か・ら。お、お尻触ってますよ」

「あっ…。悪い。すまん」


そう言えば…、座っている時は腰あたりに手があったが…。立ち上がった際に手の位置を下にしたから…。うん。感触がやわらかくなるはずだ。って、うん。完全に触っていた。俺は慌てて少し手の位置を変えた。ちょっと支えにくくなったが…。でも海夜は軽いので問題なかった。っか海夜も捕まっているからな。


「い、いいですけど…。とりあえず恥ずかしいからベッドに座りましょう」

「…。はいよ」


まあ確かに立ったままだと…。ってことで俺たちはとりあえずベッドに腰掛けた。すると…。

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