第84話 GWはいろいろある3
海夜の実家に来てしばらく。
海夜が恥ずかしくて爆発しかけていたこともあったが……。
その後は普段の過ごし方というのか。どのような生活をしているのか。学校生活の状況やらやら。まあうん。普通の事と言うのだろうか?うん。とりあえずそんな話を海夜と母がしているのは俺は聞いていて……少し家での生活の時に俺が話す。という感じだった。
少しすると――。
「二階堂さん。ほんとわがままで甘えん坊ですが。よろしくお願いしますね」
「あっ、はい」
「こちらは電話の時。常に娘がニヤニヤしてるのでなにも心配してませんから」
「ははは……」
俺が海夜の方を見ると……「ニヤニヤなんかしてません……」と。顔を赤くしつつ海夜が小声で言ってきた。うん。これはニヤニヤしてるんだな。と俺が思っていると――。
「あっ、二階堂さん。手に負えなくなったらいつでも捨ててやってくださいね。ひどいようなら迎えに行きますから。近くですから」
「ちょ、お母さん。何言うの!」
「海夜も、あまりベタベタしてると嫌われるわよ?」
「……」
母に言われ……なんか子はドキッと?したのか。一瞬俺の方を見て……下を向いていた。いやいや別にベタベタというか……俺もくっついているのは嫌じゃないというか……まあ今の生活を捨てる気はないんでね。とか思いつつ……。
「黙った」
「黙ったわねー。心当たりがあるのかしらね?」
「お母さん!」
「海夜。顔真っ赤だな」
「先輩はなんで普通なんですか!ってかお母さんと話し合いすぎだから!実は打ち合わせしてる!?」
「二階堂さん本当にどうしょうもないなら、いつでも連絡してきてくださいね。連れ戻しますから」
「お母さん!もう。先輩、帰りましょう。やっぱりここに先輩は来ちゃダメです」
そういいながら海夜が俺の腕を掴んできたのだが……あれ?そういえば今日ここに来たのって……と俺は思いつつ。
「っか海夜。父親が……とか言ってなかったか?」
俺が海夜に言うと海夜も思い出したらしく……再度座り直して……。
「そ。そうだよ。お母さん、お父さんは?お父さんだよね、先輩連れてこい。って言ったの。お父さんのせいで私はまた恥ずかしい思いを我慢してきたのになんでいないの!?」
海夜がここに居ない人物に付いて母に聞くと……海夜の母が苦笑い?をしつつ……。
「あー。それがねー、また前日になっていなくなっちゃて。困ったもんよねー」
「—―デジャヴ?」
俺がつぶやくと。海夜母が……。
「そうなるわねー、二階堂さん。わざわざ来てもらったのにごめんなさい。でも元気な娘がみれたあら。私はよかったわ。あっ、お詫びに娘を好き放題使ってください。私が許可しますから。お父さんには逃げたあなたが悪いから娘は二階堂さんに渡しなさい。って言っておくから」
「……」
笑顔で海夜母に俺がそんなことを言われていると……もちろん娘が黙っているわけがなく……。
「お母さん!だ・か・ら!さっきからおかしいことしかいってないからね!?」
「あら?そうかしら?」
「そうだから!」
「そんなこと言っちゃって、実はきっかけが欲しいんじゃないの?」
「お母さん!先輩!耳塞いでてください!聞くようなら耳切り落とします」
「怖っ……っか仲良いことで」
そんな親子のやり取りを見ていた俺がふとつぶやくと……それに反応した海夜母が……。
「でしょー」
「仲良くないです!」
「まあまあ恥ずかしがって」
「先輩の前で変な事言わないで!」
「あらあらー。かわいい。海夜ちゃん。今日は泊まっていく?一緒にお風呂入ろうか?」
この親子。なんちゅー会話してるんだよ。と俺が思っていると……。
「い、いやだから!もう。先輩!」
「なんで俺に話をふるんだよ。親子で話してくれよ」
「先輩も私の恥ずかしさを味わってください」
「いやいや、なんで?」
「なんでもです!」
俺と海夜がそんな話をしていると……。
それを見ていた海夜母は楽しそうにこちらを見ていたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます