第167話 睡眠大切

ちょっと朝からバタバタしているある日。って、俺が寝込んでの――まだ翌日だな。

今は海夜とベッドに腰掛けつつ――話が再開したところだ。


「で、先輩。寝ていた私に何したんですか」


……いきなり冷たい視線で睨まれる俺だった。うん。ご機嫌斜めなのだろうか?口がとんがり少し頬が膨らんでいる……ってこれかわいいって言ったらさらに怒られるよな。うん。冷たい視線で睨まれているってことにしておこう。


「——何もしてないし。ベットに持たれつつって謎な姿勢で寝ていた奴を運んだだけだ」

「怪しすぎます。絶対見放題だったじゃないですか。何したんですか」

「帰れと言ったはずなのに帰らず寝ていたのは誰か」

「知りません」

「おい。ってか。海夜。洗濯持って帰れよ。制服と――いろいろあったぞ?」


うん。はっきりとは言わなかったが――いろいろあったぞ?である。ホントは俺が寝ている間に回収しておきたかったんじゃないかと思うのだが――まあ忘れているのだろう。

そして数秒後――ちょっとはて?という表情になったなー。と俺が思った瞬間にはまた表情が変わっており。


「……ぎゃあああ。干しっぱなしだった!」


お寝惚けさん。本当にいろいろ忘れていたらしい。マジでこれじゃ朝から近所迷惑だよ。まあ大丈夫だとは思うが――大丈夫だよな?。


「まあ、洗濯はサンキュな」

「変態!見たー!もう!」

「いやいや、ってか。何で俺の部屋で風呂入ったんだよ。って、入ったんだよな?」

「入りましたよ!土砂降りで、外に出たくなかったんです。お風呂のために自分の部屋戻って――その後に通路またビチョビチョになったらーでしたから。って。見られたー。恥ずかしいです。もうなんで見るんですか!」

「朝からうるさいな。って――荷物持って帰るのと――一度着替えてきたらどうだ?さっきから気になってたが――海夜がワタワタ動くたびに際どくて危険だ。ちなみに残念ながらまだ何も見えてはない」

「なっ!?」


俺が一応早めに忠告しておくと――ハッと、海夜は自分の服装確認。うんうん。いやバタバタ暴れていたらいろいろ見ていただろうが――今のところはね。際どいけど何も見えてないって状況でね。うん。俺ちゃんと言ったからな?怒るなよ?である。

海夜は自分の姿確認後――再度恥ずかしそうにして――。


「き、着替えてきます」

「どうぞ」


再再度?かな?海夜が自分の部屋へと荷物を持ってバタバタと帰っていき――って、ちなみにまだ朝の08時過ぎ。うん、休みの日に俺達早起きだなである。って――腹減ってきたから何かある物で俺は朝ご飯作るか。と動き出した。


にしても本当にマジで昨日の怠さが嘘みたいなんだよな。寝ただけだと思うんだが――すごいわ。俺の身体。ってか――もしかして睡眠不足?でも――俺そんな最近徹夜とかしていたっけ?知らず知らずのうちにか?あっ。海夜の相手か。うん。いろいろ蓄積してそうだからな。なるほどなるほど。そういう事か。うん。そういうことにしておこう。だから寝て海夜の相手から完全に離れたことにより――俺回復。うんうん。なんかわからんがそれが一番しっくりくるな。とりあえずそういうことにしておこう。


海夜が着替えに行っている間。俺は朝食を準備した。そしてちょうど朝食が出来たころに海夜が俺の部屋へと何もなかったかのように戻って来て……うん。帰って来た時は平然と言う感じで戻って来たのだった。帰って来た時は。多分あれだな。先ほどの事は触れるな。という事だろうと思い。俺も触れなかったのだが――「あー、やっぱり恥ずかしいです!」すぐに元へと戻り――いろいろ文句を聞きつつも2人で朝ご飯となったのだった。


ちなみに俺の食欲OKである。ちゃんと食べれた。まあさすが完食した際には、海夜の文句も止まり――「いやいやおかしいでしょ。先輩」などと言われたり「先輩――本当に体調悪かったんですか?実は私に甘えたかった?とかです?」とか言ってきたな。なお、甘えたいとかそんなことは全くなかったである。うん。基本甘えてくるのは海夜だからな。


朝食後。って、ホント休みの日に早くから動いているから……なんかおかしいだな。まだ09時だよ。うん。早すぎるんだよ。本当なら今くらいから朝ご飯でもよかった――って俺はなんか既に起きてかなりの時間が――な感じでね。あれ?実際俺既にかなり起きてないか?うん。まあいいか。ってか今はというと――。


「——先輩。本当に大丈夫ですか?」


海夜に心配されてる俺だった。


「うん?なんだよ」

「いえ。昨日はぶっ倒れたように先輩寝ていて、特に私が何かしたってことはないんですけど――」

「あー、そういえば、海夜。いろいろ物買ってきてくれたんだな。雨の中悪いな」


俺はそう言いながらとりあえず海夜の頭を撫でておく。


「なっ――でへっ。って。あっ――いや、それは――はい。大丈夫です」


うん。簡単にご機嫌になる海夜だった。


「ってか。そうか。海夜が冷却シート貼ってくれたから気持ちよく寝れたのか」

「そういえば先輩。シート貼ってあげるたびにニヤニヤしていていたんですけど――」

「全くそんな記憶はない」

「いやらしいそうな先輩でしたよ?犯罪者みたいな」

「おい。おかしいだろ」

「でも――やっぱり元気な先輩が良いですね。こうやって乗れますから」


そう言いながら横に居た海夜が「よいしょっと」とそんなことを言いながら座っていた俺の足の上に乗ってきた。いやいや、なんで?いや、ダメってわけじゃないが――。


「ちょ、なんだよ」

「昨日は頑張りましたから。それにこれの方が先輩撫でやすいですよね?」

「そんなに撫でる予定は無いんだが――って、いや、単に俺が寝るまでは邪魔してきていたからプラスマイナスゼロだろ?」

「何でですかー。看病しました。はい。したんです。買い物も行きました」

「それでもプラマイ――」

「ごはんも作る準備はしました」

「あっ。そうなのか」

「でも先輩爆睡だったから先輩を見つつ、私が頂きました」

「——やっぱりマイナス?」

「違います。1人暮らしの先輩を見守っていたんですよ。先輩がぼっちだったら死んでいたかもなんですよ?そうです。私が居なかったら。先輩が倒れていても――だったんですよ?

「めっちゃ必死に理由を――って。はいはい。もう少し撫でればいいのか?ありがとうございます。ってことで」

「——はいっ」


ちょっと照れた海夜の頭を再度撫でると――うん。また顔が溶ける海夜だった。ってか。海夜を見つつ俺は「そういえば、海夜スマホがなんやらって言ってなかったか?」ということを思い出した俺だった。

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