第98話 父降臨?

――ピンポン。


「うん?海夜か――」


時間的のそろそろ海夜が帰って来る時間。

そしてこのインターホンは――まあ99パーセント海夜だろうな。と俺は思いつつ玄関へと移動してドアを開けると――。


――ガチャ。


「先輩!先輩!」

「—―どうした海夜?そんなに慌てて」


連休明けの学校帰り。というか放課後と言った方がいいな。

放課後に海夜が何やらバタバタと俺の部屋にやってきたのだった。

いつもはのんびり帰って来るが――今日は走って来たのか。なんかちょっと息切れ?という感じで帰って来たのだった。


――うん。この時点で嫌な予感がすでにしていた俺だった。うん。これ当たる。である。まあとりあえず話を聞こうか――と、思っていたら――海夜は既に話し出していた。


「大変です」

「—―何が?」


海夜の大変って……やっぱりなんか嫌な予感—―と、俺が思っていると。


「今晩お父さんが――電話してくるって言ってます」

「……はい?電話?」

「はい。お母さんから連絡があって、なんかついに決心したとかで、先輩と話す気になったみたいでして――電話してくると。今日」


うん。これは予想してなかった。いやいやな予感は当たったのだが――

父登場か――と俺が――って待て。会うじゃないんだな。と俺は再度確認する為……。


「会うじゃなくて……電話で話すなんだな?」

「どうやら会うのは無理みたいです」

「……なぜ?」


うん。マジで何で?と、俺が思っていると――。


「お母さん曰く……身体がいうことをきかないと。意味わからないことを言っていると」

「—―悪い。理解が難しい」


多分俺がバカなんだよな。

海夜が言っていることがほとんど。うん。全くわからなかった。海夜父はかなりすごい人って……謎だわ!?身体がいうこときかないってなんだよ!?と、俺が一人で思っていると――。


「大丈夫です。私もなに言ってるんだろう?って聞いていて思いましたから」

「……で、でもまあ電話なら会うよりハードルはか……うん。いいのかなー?だが」

「先輩。ハードルが下がるみたいな事言ってますが。それはお父さんもで、先輩のことをボロボロに言うかもしれませんよ?相手が見えない。自分の前に居ないなら言いたい放題ですよ」

「えっ?悪口祭り?」

「—―かもしれませんし……下手したら先輩と居ることを反対と言いますか――その……別れるように言いだすかもしれませんから……でも大丈夫です。その場合は先輩覚悟してください」

「……覚悟?えっ?全然大丈夫じゃない気がするんだが――」

「大丈夫です。簡単なことです。私は家を出て先輩と暮らしますから」


――何言ってるんだ?こいつ。と俺は思いつつ――。


「いや、前にも似た話したが。今海夜は一人暮らし中だから――既に家出してるようなもんてか……」

「わからないですよ。お父さんが乗り込んでくるかもしれませんから。その場合は助けてくださいね?今更ポイとか許しませんからね?」


そう言いながら――俺の服を掴んでくる。海夜。うん。年齢下がったか?と俺は思いつつ――って、うん。海夜はずっと下がってるかー。と俺は思いながら――。


「……その場合はまた一度海夜の実家で話した方がいいのでは?俺も行くから」

「無理です。お母さん曰くいつも甘々とか意味わからないことをお母さんも言ってますが――わたしにはそんな姿今までには一度もなしですからね。話にいったら先輩刺されますよ?日本刀で串刺しですよ?ご臨終ですよ?」

「なんか……電話でもやばそう。っか日本刀あるの!?」

「—―あるかもです。だから先輩。覚悟です」

「—―えー。まじか」

「って、先輩。とりあえず今日は電話だけですから、話すことに集中すれば大丈夫なはずです――はずです。なにか言っていても無視です。そうしましょう。聞こえないふりをして。適当に話して終わりましょう」

「—―そんなもんかね。ってか――今晩か――夜が超長く感じそう」


とりあえず海夜は帰って来たばかりでずっと話していたので――一度荷物を置くようにと俺は言い――それからしばらく俺と海夜は対策会議を始めたのだった。

まあ必要かはわからなかったが――うん。っか、ぼっち2人が話し合ったところで――なんだがね。経験がなさ過ぎて――何聞かれるんだろう?何話すんだろう?と考えているだけという感じだった。

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