第124話 着いた

本当にバスに三時間ほど揺られて……俺達は山奥に。うん。すごく空気の綺麗なところだった。

寝起きの海夜は……。


「いやー、どこですかここ?緑ばかり。あっでも家は――ポツポツありますね」


バスから降りるとめっちゃキョロキョロ周りを見ていた。

ちなみに俺たちの乗ってきたバスはまだ先まで行くらしく――うん、お客さん居たんだよな。うん。数人の人を乗せてさらに奥地?うん。多分山の方へと向かって行った。


俺と海夜はバス停からは少し坂道を歩いていた。


「ホント山ですね」

「マジで山。なんで海夜の母はこんなところをチェックしていたのか。ってか、よく知ってたなー。だな」

「何でですかね?何かあるんですかね?」

「さあ?か、日常から離れたかったか――いや、海夜のところ楽しんでる感じだよな」

「なんか私たちを監禁するためにチェックしていたような――」

「……」

「……」

「……あたり――だったりするのか?うん。すぐに出てきたんだからな。この場所が」

「……まあ、理由は聞かないでおきます。はい。お金払ってくれたんで、私たちは山奥での生活を楽しみましょう」

「まあホント山奥。コンビニもバス通りだと――1時間くらい前に見たのが最後だからな」

「マジです?」

「マジです。誰かは爆睡だったからな」

「—―いや……ちょっと寝不足でして……」

「楽しみで寝れなかった子。あれか。遠足の前とか」

「子どもじゃないですよ!」

「はいはい。ってか――旅館……すぐ見つかったな」


俺が言うと海夜も前を見た。

うん。山奥だが……新しめの建物が見えてきた。ってかそれしかない。

周りは――緑。坂道の途中には民家があった気がするが――ここは旅館だけらしい。すごいところに作ったな……である。

まあでも周りの雰囲気にちゃんと溶け込んでいるので――いい感じの場所だった。


俺と海夜が近づくと――ちゃんと旅館の名前があり。うん。間違っていない。ここらしい。ってか――お客さん居たー!あれか。駐車場が見えるので――ってそうか。バスは時間が決まっているからな。車ならいつでも来れるか。と俺が思っていると――。


「先輩。早く行きましょう」

「……」


うん。周りの事など見ていないのか。既に中を早く見たいという感じで目を輝かせている海夜が居たのだった。うん。子守は大変だぜ。だな。テンションが高い海夜だった。


海夜に続いて建物内へと入ってみると――めっちゃ綺麗だった。

今は受付のある建物に居るのだが――うん。綺麗。中は山奥に居るとは感じさせない今風のつくりだった。


そして受付の建物には売店、自販機やらの設備もちゃんとあった。

うん。っかここに集結しているというか。ここしかないんだろうな。である。

受付の人が売店も対応できるように――という感じだったのでね。

でもまあコンビニがないからか。そこそこの種類の物を売店は置いてある感じだった。そして自販機は――料金高め設定だが。数社の自動販売機が見えた。

うん。まあ山籠もり生活に困ることはなさそうだな。と俺は思いつつ反対側を見て見ると――窓から見えるのは山。うん。山だった。ホントに山だけだった。


あっ、ちなみに今は昼を過ぎた時間だ。明るいから山がはっきり見えているが……受付に書かれていた内容的には夜は真っ暗。星がきれいらしい。うん。まあだろうな。その予想は出来た。街灯というものが旅館の入り口や駐車場以外ないと思われるから――今見ているこの山の方向は――うん。真っ暗だろうな、と。

まあそんなことを俺は思いつつ。とりあえず受付を済ませる。ちゃんと予約されていて、支払いも完了だった。それから内を案内してもらい……部屋に移動した。うん。この移動。外である。いや旅館の敷地内だと思うが――うん。受付の建物からしか入れない感じだったからな。ってか、部屋に行くのに外を歩くとは……なんかすごいところに来たわ。である。

俺と海夜が周りを見つつ旅館の人に付いていくと――俺たちは1番奥にある建物へとやって来た。ちょっと他の建物より小さいものらしいが――いやいや、充分だよ。である。


平屋の建物が俺たちの目の前にはあった。

ホント家だよ。である。

鍵を開けてもらい中へと入れば――家。うん。家だった。

簡単に館内の説明を受けた後。俺と海夜は室内へと入って行く。


靴を脱いで中へとはいると……すぐに洗面所などがあり。って、一応室内にシャワールームだけあった。まあ外に露天風呂があるみたいだからな。俺はそんなことを思いつつ前を歩いている海夜について行く。


さらに奥に行くと、畳のスペースと……って、でっかいテレビ!?映画とか見たら迫力ありそう。ってのがあって――あと、大きなサイズのベッドが1つどーんとあった。


「うわっ!すごいベット。大きい!」


そしてベランダというのか。外か。部屋の一番奥には露天風呂と――目の前大自然だった。

山が見える――ではなく。受付のところは山が見えていたが。こちらは……山も先には見えるが……目の前は崖ってか。高台にこの旅館あったらしい。外に出て下を少し覗いてみると川が流れていた。うん。すごいところだな。であった。怖さもちょっとあったが。でもたしかに絶景だ。多分見える範囲には建物はなさそうなので、ホント夜は星がきれいってのも頷けるだったな。

ってか――海夜どこ行った?外に出てきてないんだが?と俺が思い後ろを見て見ると――。


海夜は……ベッドに跳ねてみたり。室内の写真を撮りまくったりと楽しんでいた。そういやベット見て感動してたな。と俺は思いだしつつ室内へと戻った。

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