第144話 夜は長い3
現在の俺は、海夜のご注文通り――のはずの行動を今している。サラサラの海夜の髪をわしゃわしゃである。うん、楽しいぞこれ。頭皮のマッサージではないかもしれないが。とにかくわしゃわしゃしてみたら――ボサボサ猫の完成ってやつだな。うん。もっと撫でまわしてほしい。みたいなこと言っていたはずだからな。これも――ありだろう。と思っていると――。
「にゃぁああ。タイムタイム!先輩。いじめ。これはいじめです!」
俺が頭わしゃわしゃをしていると海夜が俺の手を掴みつつそんなことを言ってきた。
「撫でるに入るんじゃないか?だから問題ないだろ」
「あります!あとこれは優しくないです!いじめです。ボサボサですよ!にゃあ!」
「じゃ――撫でるはやめて――猫と言えば――首根っこでもつまむか?」
俺はそう言いながら、俺のわしゃわしゃから逃げるためなのか。ちょっと身体を丸くしていた海夜のがら空きになっていた海夜の首を摘んでみる――って、ちょっと浴衣に隙間が出来ていて――見えちゃっていたが。今日の海夜は黒の気分らしい。珍しくないな?って――あれ?これ――と。俺が思っていると。つまんですぐだった。
「ふにゃぁぁぁ!」
海夜がびくっとしてからわたわたしだしたのだった。うん。必死に逃れようとわたわたを開始したのだった。そんなに暴れると――いろいろ捲れるぞ。何だが――と俺は思いつつ。
「——予想以上にいい反応だな。ってか。猫ってつままれたら大人しくならないんだっけ?あれ?どうだっけ?なあ海夜?」
「もう!先輩。きゃはっ――く、くすぐったいからそれはダメです。つまむのなしです。首解放を求めますにゃ!きゃはははっ」
「これそんなにくすぐったいか?」
俺はそう言いながら再度首を触る。ちょっと追加でムニムニと首あたりで手を動かして、海夜の肌はどこも綺麗で肌触りいいんだよなぁ。びっくりだわ。などと思っていると……。
「ふにやぁぁぁ!」
うん。小さなかわいらしい悲鳴が聞こえてきたのあった。海夜は身体をねじりわたわただった。
「……海夜。いろいろ弱かったんだな」
ペチ。ペチ。ペチ。
「きゃはっ――きゃっ!ひゃああ」
「が、もうちょっと遊ぶ」
海夜からの連続攻撃が来ようと。この面白い反応をする海夜を楽しまないとだからな。俺は解放。ということはもちろんせずに、もう少し海夜で遊んでみる。
「ちょ、くすぐったい言ってるじゃな――きゃっ」
「騒がない騒がない。近所迷惑だろ?」
「む、無理ぃぃぃぃ……きゃはっ!あはっ」
一応海夜も声は気にしているのか。口を押えつつだったが――まあ漏れまくりだった。ってか。意外と首の後ろって力が入らないというか。海夜も手が届くが――うん。俺を止めることが出来ないという感じだった。完全に俺勝利だな。
それからも俺が首根っこをつまんでみたり。頭を撫でまわすということを繰り返していると――海夜が逃れようとわたわた動くため。海夜の着ている浴衣がどんどん乱れて……乱れということが起きていて――。
バタバタ。
うん。海夜は足もバタバタしていたので――ふと俺が海夜を見ると――だった。あっ、先に言っておくが。丸見えではない。ちらりである。多分大丈夫である。
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