第47話 水遊び3

「あー、楽しかったのに」

「おい。海夜」


俺は目の前で満足そうな顔をしいる奴に声をかけた。


「はい?」

「なにしてる」

「いえ、お風呂場なら水遊びが定番かと」

「めっちゃ鼻に水入ったんだが」


うん。ちょっと下からの攻撃が強かったし。めっちゃ近かったからな。

だから結構効果抜群だったよ。とか俺が思っていると…。


「狙いましたから」

「こいつ。同じことしてやろうか?」

「できるんですか?先輩」


と。挑発してくる後輩は…。めっちゃ余裕というか。ホント楽しそうにしていた。ちなみに俺の答えは…。


「できるな」

「先輩。そんなことしたらお巡…。あっ」


と俺は海夜からシャワーを返してもらうと…。ってなんか案外あっさり海夜は手を放してくれたんでね。普通取られまいと必死になるかと思ったんだが…。あれか全く予想してなくて力入れてなかったか。まさか俺が仕返しで海夜をずぶ濡れにはしないだろうとか思って…。な。と思いつつ。俺はシャワーを海夜に向けて…。蛇口に手を置いた。うん。これでいつでもOKだな。っかマジでかけていいのだろうか…。と思いつつ。


「マジでかけるぞ。謝るなら今だ」

「先輩にはできませんよ」


とか笑っている海夜。うん、まあなんかこいつ着替えて体操服だし…。大丈夫か。と俺は一応海夜の姿を確認してから…。


キュ。


蛇口をひねった。もちろん蛇口をひねったので…。ブシャー。と水がシャワーから発射された。


「きゃあ!」


うん。海夜の顔面にも水が直撃ってやつだな。


「だからできる言ったろ?」

「ちょ、ぜ、ぜんばい…。先輩!顔ばかりしないでください。目があけれないです」


と。なんか全敗?ではないか。単に水が口に入ってそう聞こえたのだろう。とか俺は思いつつそのまま海夜に攻撃をした。


「頭冷やしてろ」

「わっわっ」


俺の目の前では後輩がずぶ濡れ…。

ってか…。ホント全身から水ぼたぼたになってしまったので…。これは…。やりすぎか?と俺は思いつつ水を止めシャワーを置く。すると…。


「先輩。なかなかぶっかけてくれましたね。予想以上ですよ」


とずぶ濡れになった海夜が髪を整えつつ。そして手で顔周りの水を払いながらこちらを見た。

うん。ホントずぶ濡れ海夜だな。っか俺もずぶ濡れのままなんだがな。

っか…。ちょっとやりすぎたか?って…。体操服透けてる…。って、うん?なんだろう…。普通こういう時は…。下着が見えるんじゃないか?うん。そうだと思うのだが…。なんか違うような…。と俺が思っていると…。


「にひひー。先輩。残念でした。私水着着てますからスケスケー。のハプニングはなしですよ。ってか、それにしても水かけすぎですから!」


うん。最後怒られたが…。そうか。ちょっと透けているというか。見えているのは学校の水着か。うん。まあ下着…。に見えなくもないが。と思いつつ。


「海夜。いつの間に水着…。って、着替えに行ったときか」

「はい」


そう言いながら。体操服の上着を少しめくる海夜。いやいやその行動はさすがにちょっとドキッとしたが…。うん。まあ見えたのは本当に普通の水着。スクール水着だった。学校のものだろう物がチラリと見えた。


「掃除じゃなくてこっちが本命か」

「先輩が掃除してると聞いて、ビビッときました」

「馬鹿だろ。っか、服重い。めっちゃ重いんだが」

「確かにですが。ってか先輩マジで水かけすぎですから。体操服張り付いて気持ち悪いんですけど。髪もずぶ濡れですし。普通少しですよね?」

「俺知らん。っか俺ずぶ濡れにされたんだが」

「先輩のは知りません。ってか、やり返したいからシャワー貸してください」

「拒否」

「なんでですかー。濡れたからもう問題無しですよ」

「あるわ。俺着替えとか準備してないからな」

「何してるんですか。準備悪いですね」

「ずぶ濡れ予想なんてしてないわ。っか、バスタオルすら外にまだ干してあるし」


と、俺が言うと海夜の表情がちょっと変わった。そして…。


「…。あれ?タオル洗面所に無いんですか?」

「ないな。ハンドタオルくらいならあるが」

「ちょ、バスタオル無いと身体が拭けないじゃないですか」

「知らん。っか2人ともずぶ濡れでタオルなしとか…。部屋濡れるじゃ」

「むむっ…」


うん。何してるんだろ俺たち。ってことで…。とっととこの謎な状況を解決するためには…。


「海夜。体操服脱いでちょっと水着になってベランダ行ってこい」

「やですよ。恥ずかしいじゃないですか。こんな時季に。誰かに見られるかもですから。それのここで脱いだら…。全部先輩に見られるじゃないですか」

「水着着てるんだろうが。っか早く体操服絞れ。体操服なら絞ったら何とかなるだろ?」

「先輩が服絞ったらいいじゃないですかー。私先輩によってずぶ濡れにされたんですから」

「俺も全身濡れてるからな?」


と風呂場でずぶ濡れの2人。なんやかんやと言い合い?をしていたら…。


「…。ハクシュン」

「…。クチュン」


同時にくしゃみをしましたとさ。うん。当たり前だよな。水浴びするには…。ちょっと気温がまだ低いというか。うん。間違ったことをしているのだからな。

ホント何してるんだよ…。俺達であった。

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