第43話 花見

桜がちょっと咲きだした頃のこと。


「海夜」

「はい?」


今日も海夜が昼過ぎから俺の家に遊びに来ていた。


「そういえばさ。成績どうだったんだ?」

「なんで先輩が親みたいな立場なんですかね。って急にどうしたんですか?」


いや、ホントふとな。

そういえばこいつ成績どうだったんだろうか…。ってまた気になったんだよ。この前3位とかで自慢してきたが…。その後はどうなったかなー。とな。


「いや。なんとなくというか。ふとな。俺ところに遊びに来るやつが勉強サボってないかと」

「サボってませんから。結構真面目にするときはしてますからね?」

「まあ、サボって成績下がっていたら親がこっちに何してるんだ?的な感じで来てるか。っか、順位は1位になったのか?」

「あっ…。それは…」


俺が聞いてみると…。海夜は俺から目をそらせたので…。ってことは…。


「まだ1位にはだったか」

「…。だってー。上の方々賢くて」


隣に居たやつが言い訳を始めた。確か前はすぐに抜くとか言ってなかったか?とか前の事を俺は思いだしつつ…。


「まだ3位か?それとも落ちたか?」

「落ちてません。現状維持です。3位でした」

「まだまだだな」

「ちょ。なんで上からなんですか。私先輩より絶対に賢いですからね」

「まあだろな」

「さらっと認めましたよ」

「でもまあ3位なら頑張ってじゃん。すごいすごい」


俺がちょっと適当?だが褒めてやると…。まあご機嫌よく?なったのかは知らないが。ちょっと海夜は照れて感じになり…。


「…。です。あっ、ならお祝いしてください」


そんな話を言い出してしまった。うん。ミスったー。である。俺何言ってるんだよ。である。のんびりを自分から壊しにいったようなものだった。


「…。話を完全に俺はミスったな」

「お祝いお祝いです。回転寿司でもいいですよ?最近行ってませんし」


ヤバイ海夜がその気になったというか。もうなんか俺が食べさせてやつみたいな感じで話が進んでいる。早すぎるだろ。どうする俺?と思いつつ…。


「わかったわかった。次海夜が2位になったらだな」

「…。私が1位になることはないと先輩はお思いなのですね」

「じゃ、1位取ったら行くか?」

「ちょ、ダメです。まずははじめに言った2位でって…。取れるかなぁ…。上の2人ほとんどミスなしですから…」

「自信ないのか」

「だ、だって…。試験は多分満点ばかりの感じの人たちですから…。それにです。次の成績発表じゃ…。夏休みじゃないですか。ますば3位維持おめでとうでお祝いしてください。これは決定事項です」

「お祝いね…。まあ確かに回転寿司久しぶりだから行ってもいいが…」

「なら行きましょう」

「っか、違う店行くか?」

「えっ?あっ、はい。って、私はどこでもいいですけど…」

「回らない回転寿司も行ってみたくてな」


と俺が言うと…。急に海夜の顔が近くに来て…。


「なんと!先輩…。大好きです!」


とか言われた。なんだ急に?ただ回転寿司行くって言っているだけなのにと俺は思いつつ…。


「…。はい?」

「いゃ、だって、私のためにお高いお寿司屋さんに連れて行って…」


と急に海夜の目が輝き出したが…。


「いやいや、最近テレビで言ってなかったか?ロス無くすためかは知らんが。注文のみで回転寿司のレーン?がなんかまあ配達専用?みたいなやつ」


こいつえらい勘違いしてるな。と思いつつ俺は行く予定のお店を説明した。すると…。すぐに海夜も理解したらしく…。


「…。あー、なるほど。って先輩。先ほど大好きと言ったのを一時撤回します」

「なんでだよ。ってまあ別にいいけど」

「先輩はまだ100円の域でした」

「おい。まあ確かに100円だがよ。ってか、なら行かないか?100円じゃ満足できない海夜は置いておいて。1人で行ってくるが?」

「行きますから!回らない回転寿司行きます」

「…。行くのね」

「まあ新しいタイプのお店も見てみたいですから」


…。

…。

…。


ということでそれから俺たちは準備をして…。夕食を食べに前とは違うお店。回転寿司屋に向かったのだが…。


「まさかの1時間待ちとは」

「長いです」


お店へと来ると多くの人が並んでいた。ってか…。あれだよな。テレビでしたばかりだから…。それで人が多いのだろう。と俺は思いつつ。


「どうする?他行くか?っか。テレビ効果すごいな」

「ホントですよ。ってかどうしましょうか…。待っていてもいいですが…」

「他だと…。近くにあるのは…。フライドチキンの店やハンバーガーとかの店だな」

「うーん。ですね。あっ、あとおにぎり屋さんもありますが…。時間的にあのお店はもう閉店間際ですかね?一応まだ開いているみたいですが…」

「あー、ああいうお店は商品が無くなったら終わりとかだもんな」

「でもこのままここで待つと…。この列は長そうですよね」

「だな…。まあ持ち帰りで来る途中にあった公園で花見しながらもこの時期ならありだが…」


と。俺が来る途中の事を思い出しつつ話すと…。

いやさ。ちょうど歩いてくる途中にあった公園の桜がいい感じに咲き始めていてよ。そこそこの人が花見してたんだよな。ってことで印象に残っていたから会話に出したら…。食いついたやつがいた。


「あっ、それいいじゃないですか。そうですよ。途中にあった大きな公園。花見のお客さんたくさん居ましたが。空いているところも確かありましたから。何か買って私たちも行きましょうよ」

「なら…。何がいい?」

「うーん。花見と言えば…。お団子?」

「花より団子の海夜ね」

「なっ」

「まあじゃ無いかもだがまずおにぎり屋を見るか。団子とか置いてるかもだし。そこが無かったら…。まあコンビニでもいいし」

「なんか…。先輩に馬鹿にされた気がしますが…。はい行きましょう」


ってことで回転寿司が行列。人多めだったため。予定を変更した俺たちはおにぎり屋へと移動して…。


それから30分もしないうちに公園へと移動していた。

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