第44話 花見2
現在の俺たちは公園へと来ている。
桜の木がたくさんあり。多くの人が居たところからは少し離れているところに居る。なぜ離れたところに居るかという理由は…。まあこちらの方が人が少なかったというのと。一応桜はここでも見えたし。何よりベンチが空いていたのでね。人が多いところにわざわざ突撃して行かなくてもいいだろう。ってことでね。
ちなみにちゃんとライトアップされている桜が見える場所だから花見は出来ている。
そうそう公園へとやって来たということは。食べ物を無事にゲットしたという事。
回転寿司がかなりの行列で入れなかったんだが…。その後に行ってみたおにぎり屋さんは閉店間際だったが…。
とか俺がちょっと少し前の事を思い出していたら…。
「じゃ、いただきます」
海夜がおにぎりにかぶりついた。
うん。ちょっと海夜のいただきますが入ってしまったが。
まあ結局というか。あれからおにぎり屋さんに俺たちが行くとおにぎりの種類はもうそんなにはなかったのだが…。閉店前ということで残っていた商品が安くなっていて。
おにぎりを2つずつとコロッケ。あとたまたまあったみたらし団子を2本どれもお得に俺たちは買ってきたのだった。
「先輩。お得な晩ご飯。花見になりましたね」
「だな。でもまあ無駄なく食べ物食べるのはいいことだろ」
「そうですよね。食べ物は大切にしましょうですね」
「財布に優しいし。完璧だよ」
と言いつつ。俺もおにぎりを食べた。うん。梅のおにぎり久しぶりだが…。いいな。これ。うん。うまい。
「桜もう少しで満開ですかね?」
海夜が少し離れたところにある桜を見つつ言った。確かにまだ満開ではないのでね。もう少ししたら…。さらに綺麗だろう。と俺は思いつつ…。
「大学の入学式くらいがいつも満開だからな」
「じゃ来年は満開の桜の中私は大学生ですね」
「海夜は進学か」
「ですよ?だって…」
「だって?」
「まあ…。学生のままの方がいいじゃないですか」
「まあそれはな。学生は自由だな。確かに俺も海夜に捕まらなかったらフリーでハッピーな大学生ライフだったな」
「ちょっ、なんで私邪魔者みたいなんですが。ぼっち先輩」
「ぼっちが急に現れたからな」
「むー。先輩のみたらし団子も食べちゃいますから」
「さすが花より団子」
「食べますよ。本当に食べますからね」
「はいはい、ごめんなさい。っか。海夜。ご飯粒付いてる」
「なっ、嘘。ど。とこですか?」
と。ワタワタと口の周りを触った海夜だが…。
「嘘」
「…。先輩」
「ってことでみたらし団子いただきます」
「あー、私もです。みたらし食べます。」
とまあ、おにぎりとコロッケを食べ終えた俺たちはなんやかんやと話しながら…。みたらし団子を食べつつ再度桜を見ていたのだった。うん。食べ物食べつつ花見。いいじゃん。である。
そしてそのあとは夜桜見物というのか。くるっとライトアップされていた公園内をまわり…。まあ食後の運動だな。
すると急に海夜が…。
「先輩。これデートですかね?」
とか言い出したが…。
いやそんな雰囲気なくない?と俺は思いつつ。いやだって海夜と歩くってよくあることだしな。うん。
「さあな。まあ花見だろ?これって」
「そこはデートって言いましょうよー」
「単なる言い方の違いないだけだろ?」
「反応が薄い先輩ですね」
とその時目についた光景というか。ちょうど海夜と話している時に前の方を歩く男女の姿があったので…。
「…。なるほど海夜はあんな感じに手を繋いで歩きたいと」
そう海夜に言ってみた。まあカップルが前を歩いていたということだよ。からかうというか。まあそんな軽い感じでな。そしたら…。
「…。です」
うん。なんか俺の思っていた予想では…「そんなことありませんから!」とかが返って来るかと思ったが…。なんか違った。ちょっと小さな声が返ってきただけだった。
「うん?」
「そ、その、迷子になるとですから、手を繋ぐもいいです…。ね。と」
うん。こいつ…。照れているというか。うん。良い反応?してるな。とか思いつつ…。
「迷子予防なら…。海夜の首根っこつまんどこうか?」
「おい」
…。ちょっと調子乗りました。
ミスりました。
はい。これは…。やべー。やべーよ。ガチトーン。ってか。マジでやべー声を聞いたよ。
今どっから出したんだよ。ブラック海夜とかいらんからな?数秒前の恥ずかしがっている海夜でいいから。戻ってくれ。だよ。と思いつつ。
「怖い怖い」
「…。繋ぎましょう。迷子予防です」
うん。俺がどうしたら海夜がブラック側から戻って来てくれるだろうか…。と考えながら話していたのだが…。あっさり海夜の方からブラックを離れた。
そして海夜が俺の横に来て…。手を掴んできたのだった。
うん、海夜の手は暖かかった。 っか小さそうで…。普通だな。うん。
「…。先輩の手。意外と…。冷たい」
「悪かったな」
どうやら俺の手は冷たいらしい。
「あと、大きい?」
「聞くなよ」
「いえ、あまり変わらなかったなぁー、と」
「手の大きさなんか気にしてもな」
「大きな手ってなんかいいじゃないですか。包み込んでくれるみたいで」
「はいはい、冷たくて微妙なサイズの手ですよ」
「先輩が拗ねました」
「っか、海夜は…。熱いくらいだな。手汗?」
「殴りますよ?なんか殴る物マジで探しますよ?」
「怖っ」
うん。ごめんんさい。また余計なことを言いました。というか…。なんか言いたくなるんだよ。海夜に対してはそういうことを。いい反応してくれるし。
「先輩が怒るようなこというからです」
「なるほど、手汗は否定しない」
「違いますから!」
「わかったわかった、手を繋ごうと言い出した割に恥ずかしかった。そういうことか。なるほどな。わかったわかった甘えん坊よ」
「…」
「そっぽ向いたよ」
「違います…。恥ずかしくないですし。ずっと手くらい握ってれますから」
「なら家に帰るまで繋ぐか?」
うん。俺は多分余裕だぞ?子守しているみたいというか。まあ特に何もないというか。普通だし。むしろ楽しいくらいだし。
「なっ!?」
「海夜。顔真っ赤だぞ」
「このぼっち先輩。なんで普通の態度なんですかー。ぼっち」
「ぼっちぼっちうるさいな。だからな。海夜相手なら余裕なんだって」
「ぐぬぬぬぬ…。ってか先輩。桜見ましょうよ」
「確かに…。せっかく来たのに桜あまり見てないじゃん」
「はい。だから見ないとですよ」
「だな」
先ほどから話していたから全く桜を見ないで歩いていた俺たち。
桜の木の下で立ち止まり桜を見たのだった。うん。まだ満開ではないがまばらに?咲いている桜もいいじゃん。という感じだった。
そして桜をしばらく見たり…。公園内を歩いて回った後は…。まあ先ほど俺が言ったというか。俺が特に離すことをしなかったからかな。アパートまで海夜と手を繋いで帰ったんだよなぁ。うん。いや途中で海夜が離しましょう。離してください。的な事を言ってくるだろうと思っていたんだが…。
公園を出たあたりくらいから海夜がホント無言でよ。
なんかどんどん小さくなるというか。恥ずかしいなら無言でもいいから手を離せばいいのに…。結局最後まで。まあ俺たちのアパート。家まで手を離そうとしなかったからな。
そして家に着く頃にはもう顔真っ赤っかの海夜よ。まああの表情は表情でちょっとレア?な感じでいいもの見れたと俺は思っていたんだが…。うん。海夜的には即逃走したい気持ちだったのか。なにも言わずにアパートに着くとすぐ自分の家へと海夜は消えていったとさ。
えっ?俺?それがよ。なんか海夜を見ているのが面白くて…。まあ普通に帰って来たってところだな。ちょっと静かすぎるのは…。なんか微妙な感じだったが…。まあこういうのも悪くはなかったな。うん。っか俺も家に帰ろう。
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