第174話 冷たいもの注意
「ありがとうございましたー!」
現在は携帯ショップで海夜の担当をしてくれたスタッフさんに、見送られているところの俺と海夜。ちなみに外はいつの間にか暗くなっていた。予想はしていたが――やっぱり携帯ショップでは結構時間がかかったんでね。
「地味に疲れました」
「まあ仕方ないか。いろいろあるんだよな。契約とか変えるわけじゃないのに」
「ですねー。動かなくなった機械を新しく――なんですがね」
「ってか。はじめ直そうとしてくれていたから待ち時間長かったからな」
とりあえず携帯ショップを出た俺達は疲れたー。腹減ったー。ということで、その後は、近くのファミレスへ――だったのだが。時間的に混んでいたため。まあそりゃそうか。夕食時だからな。そのため俺達は隣にあったドーナツ店へと入っていた。いや、こっちでもドーナツ以外の物は売っているんでね。ということでドーナツ店にて夕食を俺達は食べ。
「おお、綺麗です」
「新しいのはやっぱり動作も早いな。ぬるぬるってか。なめらかだわ。いいな」
「です。画面も綺麗です」
しばらく店内に居座る形で、まあ休憩だな。そこで海夜の新しくなったスマホを見ている俺達だった。ちなみになぜか海夜の母が海夜にお金を多めに渡してくれたらしく。海夜は「なら最新機種を!」って、ことになったのだった。そのため――すごくいい機種になっていた。うん。俺のスマホと比べると――技術の進化はヤバい。値段もヤバかったが――。
……まあなんか海夜がお金を出している時に、メモ?みたいなのを見つけ。即、カバンに押し込んでいたから――お金が多かったのは何か理由があってだと思うのだが……俺は触れなかった。うん。とりあえず海夜の顔が少し赤くなっていたのだった。ってか。一括でドン。と本体代を払う海夜なんかかっこよかったわ。うん。
「あっ、先輩先輩。飲み物頼んでいいですが?」
すると、一通り食べ終えていた海夜が再度メニューを手に取りそんなことを聞いて来た。って――なんかこの雰囲気俺が出すのかな?海夜?ちなみに食事の際は水があったので俺達は飲み物は頼んでいなかった。
「——飲み物は自腹な。他は――まあ出してやろう」
「なんでですかー。飲み物も奢ってくださいよ。けちけちしちゃってー」
「海夜の方が金持ってそうだけどな――お釣りもあったよな?」
「聞こえませんねー」
「おい」
「これは……そうです彼氏が全て出すのです。先ほどいじめられましたから」
「なんだそれ」
「良いですね?先輩」
「そもそもいじめたっけ?」
「いじめたじゃないですか。忘れてませんからね。お母さんと一緒にいじめてきました。はい。しっかり記憶に残っています」
何故か勝ち誇ったように言う海夜。うん。何か過去がおかしいような気もするんだが――気のせい?いや……そんないじめたっけ?
「なんか過去が変わったような――まあいいや。俺もなんか飲むかね」
「じゃ、先輩、一緒にこのプレミアムアイスココアお願いします」
そう言いながら海夜はメニューのドリンク欄にあった商品を指差しつつ言ってきた。って――。
「海夜。なんかソフトクリーム付きとか書いてあるが……って、値段高いし。ちなみにお隣には海夜の大好きなホットココアもあるんだが――」
俺は再度メニューを海夜に見せて、ホットココアと書かれているところを指差す。
「今日はアイスの気分です。それに今日は大変でしたからね。自分へのご褒美でプレミアムです」
「……海夜さすがにこれは――腹壊すんじゃないか?」
メニューに商品の写真があるのだが――なんかデカいんだよな。ホットココアとかは普通にマグカップなのだが。今海夜が言った商品は――なんかデカいんだよな。カップがどう見てもパフェとかに使いそうな形のものだし。それにこんもりソフトクリーム乗っているからな。まあシェアすれば余裕だろうが――。
「大丈夫です」
「ホントにかよ」
「久しぶりだからOKです。今日はご褒美です」
「知らねえぞ?」
結局海夜は商品を変えず――注文からしばらくして……なんかすごいものが来ていた。
俺の予想通りというか――多分ココアの量も通常サイズのアイスココアの1.5倍それ以上くらいあり。おまけにソフトクリームだ。まあ今のところ海夜は1人でパクパクと美味しそうに食べているが……。
「あー、幸せです。この甘さ。うんうんです。アイスはアイスで良いですね。それにソフトクリームも美味しいです」
「海夜。少しくらい手伝おうか?」
さすがに全部食べると身体冷えるだろ。ってことで俺が途中で声をかけるが――。
「何でですかー。これは私のココアです。あげませんよ?」
「身体冷えるぞ?」
そう言いながら自分の方にプレミアムアイスココアとやらを引き寄せる海夜。
「今日は精神的に疲れたのでこれでちょうどいいんです。癒しですよ癒し」
結局それからの事を言うと、俺は自分が頼んだ飲み物を飲んで海夜の様子を見ていたが――うん。パクパクソフトクリームを食べ。ココアを飲んでまたパクパク……どんどん海夜の身体の中に消えていったのだった。ちなみに俺は再度途中でも声をかけてやったんだがな。手伝おうぞ?って、でも最後まで1人で食べれるという海夜だった。
「美味しかったです」
「全部食べたよ。身体のどこに入っったんだよ」
俺の前には氷しか残っていないからのグラスが――ってか、グラスってあれを言うのかだが――まあいい。グラスにしておこう。大きなグラスと氷だけが残ったのだった。
「ちょっと冷えましたが。とっても美味しかったですよ?」
「まあ――ならいいが。じゃそろそろ帰るか?」
「はい」
海夜が食べ終えて少し休憩した後。俺達はドーナツ店を後にした――って。今気が付いたが。俺達ドーナツ店に入ってドーナツ食べてないというな。まあでも――メニューにあった物食べたんだから……言い出ろう。
それから俺達は駅に向かい、電車に乗り――家の最寄駅まで帰って来たのだった。そして、電車を降りてから少し。家に向かって歩いている時だった。
「……」
「海夜?」
ふと、電車の中では、またスマホをいじりつつ。新しくなったことに感動していた海夜だったが――そういえば駅に着いてから歩き出した後は、なんかずっと静かだな?と、思って俺が声をかけると……。
「……えっと――先輩。お腹冷えちゃったみたいです」
そんな返事が返ってきたため俺が振り向くと――お腹を触りながら海夜がヘルプという表情をしていたのだった。
――予想通りでびっくりだよ。
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