雨の日のホットココア

くすのきさくら

第1章 始まりは雨

第1話 ここからはじまる物語

 1年ほど歩いた大学の敷地内を今日も1人で歩いている。

 周りは今日も相変わらずというのかとても賑やか。

 見渡せばいろいろなところで大小のグループが出来ていて、それぞれがワイワイと盛り上がっている。

 昼間から夜の居酒屋にでも居るのかというくらいテンションの高い集団。グループも見られる。姿は見えないがどこかでは何が面白いのかはわからないが。大きな笑い声なども聞こえてきている。


 休み時間や夕方の講義終わりにはよく見られる光景。

 俺には関係ないが。あのような集団は苦手なので関わることはないのでね。

 

 入学してからずっと基本大学内では1人で行動をしている。

 まわりから陰キャラ?と言うのだろうか。まあ1人平和に大学行って講義を聞いて帰ってきて残りの自分の時間は好きなことをする。といった1人気ままに、自由に過ごしていた。


 現在は一人暮らしなので、はじめの頃はちょっと話し相手が欲しいとたまには思うが――慣れだ。慣れ。話し相手はいなければいないで慣れた。1人は自由で楽しい。好きなことが好きな時にできる。昔の俺からみたら今の俺はかなり快適な生活をしていると思う。


 のだが。まさか、このあと今の生活がガラッと変わるとはこの時の俺は思ってもいなかった。ホント何が起こるかわからないもんだよ。

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