第130話 お風呂でアイス
自分もお風呂でいろいろ楽しみたいので、俺はパパッと飲み物とカップアイスを買って部屋に戻ってきたところである。
俺は部屋に戻ってくると財布やカギを机の上に置いて、浴衣を脱ぎ。海夜の待つ外へと向かう。
ちなみに俺が部屋へと戻った際の海夜は、のんびりお風呂でくつろいでいた。気持ち良さそうに浮かんでいただな。力を抜いているのか。上手にぷかーという感じだった。
そして音で気が付いたのか海夜がすぐにこちらを見て手を振ってお湯の中で待っている。そんな海夜のところへと俺は戻ると――。
「ほら」
「あっ、ありがとうございます。えへへ」
「っか、海夜ちょっとアイス持ってくれ」
「はーい。あっ。冷たい。美味しそう」
アイスと飲み物を渡すと海夜がニヤニヤとしつつ受け取った。うん、めっちゃ楽しそうである。あと、お湯で温まったのか。ちょっとほっぺが赤くなり――かわいかった。
「先輩もかけ湯しないとですよ」
「するよ。ちゃんとかけ湯をするから、海夜に荷物渡したんだよ」
「先輩は飛び込みそうですからね」
「それは海夜だろうが」
「先輩ですよ」
などと海夜に言われつつかけ湯を俺もして――海夜の入っている横へと入る。ってかこれお湯の中に段差があって、ちょうど座る形でお湯に入ることが出来た。めっちゃいいじゃんである。ってか。これがあったから、なんか海夜がいい感じに、さっきお湯に浮かんでいたのか。と、納得していた俺だった。
これならお湯の中で段差を持てばだからな。などと思いながら俺がお湯の中で座ると、海夜が横にと寄ってきた。海夜の手には俺が先ほど渡したものが持たれている。なんか手をお湯につけないようにと言うのか。おかしなポーズだったことは――言わないでおこう。うん。揉めるとだからなね。
ちなみに露天風呂は広いので、海夜と一緒でも狭くない――って、慣れってか。うん。あれだな。海夜と一緒にお風呂というシチュエーションなのだが――普通というか。うん。何のためらいもなく一緒に入っているという。
まあ服?みたいなものを着てるということもあるかもだが。うん。特にドキドキが無いのはちょっと悲しかったが――まあでも普通に過ごせるからな。これはこれでいいかな。と思っている俺だった。
海夜とやっと露天風呂に入って少し。
「先輩と混浴ですね。えへへー。やばいですねー」
海夜がそんなことを言いながら持っていた飲み物などを露天風呂の淵に置いて俺の横にくっついてきた。
「……やばい。襲われそう。俺の身が危機か」
「だからおかしいですよ!?何で先輩が!なんですかー」
「って、海夜。そこに置くとアイスが溶ける」
俺はちょっとお湯が――というところで悲鳴を上げているかもしれないカップアイスを見つつ言う。うん。あれ――そのうち溶けるな。という感じだった。
「あっ、食べましょう。食べましょうよ。せっかくですから。今温まっていい感じなんですよね」
「それは先に入っている海夜だけな」
「先輩もすぐ温まりますよ。いい温度ですから――って……そういえばアイス1つですか?」
さすがにお風呂の淵ではね。アイス溶けるよ。と俺が思いつつアイスを手に取ると。海夜がすぐに俺の手からカップアイスを取って行き――不思議そうに聞いてきた。
「なるほど。ポコポコ海夜は1人一つ欲しかったと」
「なっ。そ、そういうわけではなくてですね」
「まあそこそこサイズあったから。とりあえず1つでいいだろ?まあ海夜食べたいなら全部食べていいぞ」
「えっ……一つなら。い、一緒に食べましょうよ」
そう言いながら海夜はカップアイスの上に置いてあった木のスプーンを俺に渡してきた 。
「海夜が先に食べていいぞ?」
「……はいです。先輩」
おかしいな。先に食べていいと俺は言っているのだが――何故かまだスプーンを渡してくる海夜だった。って、まあなんか恥ずかしそうにスプーンを渡してくる海夜から考えられることは――。
「もしかして、食べさせろか?」
「……はい」
「えー。だが、まあ、ほれ食え食え」
「な。なんか私を太らそうとしている先輩が居ます……」
俺はなんかぶつぶつ言っている海夜の口元にアイスをすくい持っていく。すると不満そうだった海夜だが。すぐに口を動かして――。
「……はむ」
遠慮という言葉はなく。パクリとアイスを食べた海夜だった。
おいおい、木のスプーンは短いんだから、そんなに大きな口で食らいついたら俺の手が危険だろうが。と俺は思いつつ――。
「元気に育ちそうだな。うんうん」
「先輩……余計な事言ってないで次です。これ美味しいです。ベストなやわらかさになってます。先輩が余計なことを言っているとアイスがドロドロになっちゃって、ベストな時を逃します」
海夜はそんなことを言いつつ口を開けて待っている。なんか別の物でも入れてやろうか。と考えたが――あいにく何もないのでね。俺は再度アイスをすくって。
「悪い悪い、海夜は……かわいいから」
「——はむ……先輩。もう一口」
うん。ちょろい。ちょっとかわいいを言ってみると――お湯で温まり赤くなっていた顔がさらに少し赤くなり――早く次アピールをしてきた。うん。かわいいである。
「はいよ」
「——はむ。美味しい……あっ、先輩私も食べさせてあげます。はい。スプーンスプーンです」
そう言いながら手を伸ばしてくる海夜だが――それはなんかな。恥ずかしいというか。いや、そこまで――なのだが。その後海夜にネタにされそうだしな。などと考えながら。
「自分で食うか」
俺はアイスを自分ですくう。
「なんでですかー。はい。スプーンスプーン」
すると海夜が俺の手をつかんできた。うん。こいつめっちゃ温まってるな。手めっちゃ温かかった。
「海夜、暴れない。アイスにお湯がかかる。または落ちる」
「先輩が渡さないからです。ほらほらーあーん。してあげます」
「ちょ、のしかかりをするな」
「重くないです!」
「重いとは一言も言ってないんだが――」
「今言いました!」
「えー」
「ほらほら、スプーンです。先輩を赤ちゃんのようにかわいがります」
「なんだよそれ」
「いいからです」
まあ、その後もなんやかんや楽しくアイス食べながらお風呂を楽しんだ俺達だった。
そうそう、結局海夜が途中スプーンを確保したな。うん。そしてニヤニヤ楽しんでいた。だった。うん。以上だ。余計なことは言わない。うん。
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