第33話 横に…
…。
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…。
これはちょっと昔の話。
まだ炬燵がリビングにて大活躍していた頃だな。
正月…。の頃だったかな?
えっ?なんでそんな前の話を始めたかって?
まあまあ暇つぶしと思って聞いてくれたらいいよ。
あの時の海夜もおもしろくてな。ふと思い出したんだよ。
…。
…。
…。
「暖かい…」
海夜は炬燵にて本日もこたつむり。完全にだらけてらっしゃる。
まあ外が今日も雪ということもあり。俺たちはずっと室内に居るからこうなるかだがな。
ってかマジでこいつ帰らないんだよな…。炬燵ってホント人をダメにしている。いや炬燵は神だから。悪口は…。なんだがな。ってうん。人をダメにするくらいいいやつ。ってことだな。うん。
ってか。そもそも今年は雪が多い。ホント天気が1年中おかしくなっているような気がする。夏は暑くて冬は寒いが極端すぎる気がする。
ってまあ天気の事は置いておいて…。
とりあえず…。
本日のスケジュール。まあどんな生活を1日していたかというと…。
起きる。
着替える。
炬燵。
朝ご飯。
炬燵。
雑談。
お昼ご飯。
ぼーっと。
ゲーム。
炬燵でおやつ。
炬燵でウトウト。
夜ご飯。
炬燵。※今ここである。
俺と海夜。全く動いてないというか…。
食っては炬燵のだらだらな1日だった。いや何度も言うが外には行けないからな。雪降ってるし。積もってるし。なのでまあ家でしか生活できなかったからこうなったとも言える。
でもまあ俺はまだ炬燵から出る時間があったが…。
海夜は完全にだらだらモードだった。安心しきっているというか。何というかだが。
まあマジで人を駄目にするパワーを炬燵が見せてくれていた。
まあ海夜がリラックスしているともいうが…。リラックスは大切だからな。
でもさすがにだらだらっか。炬燵ばかりに居るから。俺はまた禁句の言葉を海夜にふとなんとなく言ってしまったんだよ。
「海夜。完全に駄目人間になってるぞ」
「今日は寒いから安全のためです」
「まあ確かに寒いのは寒いが…」
「マジで食ってだらけるだけだったな」
「…」
すると海夜がなんか…。ちょっとハッとした表情になった。
そして…。なんかお腹周りを気にしてるな。とか思いつつその時に俺が…。
「まあ普通ならこんな生活していたら太るな。これが正月太りっていうんだろうが…」
と、そのあたりまで俺は言ってからふと正面を見ると…。
「…。ぅぅ…」
自分のお腹を摘まみながら?涙目になっている奴がいた…。って、めっちゃ睨まれていた。
「…。どうした?海夜」
「先輩」
「…。はい?」
「言ってはいけない事をまた言いました」
「いや、え?あっ、正月太り」
「それだー!太るとか禁止の言葉言ったー!先輩が悪いのにー、こんな快適な場所作っちゃったから私太ったー!先輩の馬鹿ー!責任とれー!」
後輩が急に怒り出したのだった。
「…。後輩が夜に元気すぎる件ついて…」
「意味わかんないこと言わなくていいですから!」
まあいきなり後輩がそんな事を言いながら…。
まあうん。クレーム?を言ってきた。
って、いやいや俺は海夜が太った。と言ったわけではなくてな。って、俺がちゃんと言おうとしたら…。
「馬鹿!うー、うー先輩と出会ってしまったから…。私太りました」
「なんで俺の責任なんだよ」
「先輩が悪いんです!」
と言いながら…。海夜は炬燵を出て…「…。寒い」とかつぶやきつつ。ベッドへ移動していった。
そして頭から布団を被ったのだった…。
いやいやなんだよこれ。である。っかそこ俺のベッド。寝るなら帰れよ。なんだが…。
海夜は俺のベッドを乗っ取ってきた。
「…」
そして布団の中からはなんかぶつぶつ聞こえるが…。何を言っているかはわからなかった。
ってかな。ちゃんと言うが。別に海夜が太ったとか言ってないからな?「まあ普通ならこんな生活していたら太るな。これが正月太りっていうんだろうが…。なのになんでこのぐーたらは食べてだらけてるのに全く変わらないかだよ」って俺は言いかけたんだよ。
これはマジだからな?
海夜はマジで変わってないから。何でだよ。って言いたかったんだが…。
何故か俺が海夜に太った。と言ったことになったらしく…。
「先輩のバーカバーカ」
と、なんか布団に丸まっているやつが言ってきた。
「あのな。誰も海夜が太ったとか言ってないからな?」
「言いました。言おうとしたのを今変えましたよね。わかります。わかります。先輩が優しすぎるから私は太りました。学校再開したら…。いじめられますね」
「おーい。海夜。帰ってこーい。なんでいきなり拗ねたんだよ」
「…。太った…。太った」
「っか、普通ならぶくぶく太りそうなのにこいつ変わらないんだよな…」
「また言った!」
「ちゃんと話聞いてるか!?」
「知りません!」
「…。だめだこりゃ」
ちょっとでも話す時に太った。やらの言葉が出ると海夜が反応してしまうので…。
なかなか話が進まなかった。
「海夜」
「…」
「ちゃんと聞けよ」
「嫌です。太った太ったって言われるだけですから…。できれば横じゃなくて上に伸びて欲しいのに…」
「いろいろつぶやくな」
「先輩。黙るです」
あー。ホント後輩の子守は大変。である。
っか俺はそろそろ風呂入ってとっとと布団に丸まりたいんだがな。
「海夜」
「黙るです」
「いやいや、普通に俺風呂入るから。勝手に帰るなら鍵締めてポストに入れてくれ」
「…。先輩が逃げた」
「どーしろってんだよ」
「…」
「黙ったよ」
「…。太った」
「だから。海夜は変わってないからな?」
「嘘」
「はぁ…。じゃどうしたらいい?スリムスリムとか行って欲しいのか?」
「私…。スリムじゃないです」
いやいやお前がスリムじゃなかったら…。だよ。お前…。ちょっと背丈小さめだがスタイルいいからな?っかいろいろとこれから成長するだろ。とか思いつつ…。
「海夜」
「…」
「海夜は…。かわいいから大丈夫だって」
「…。へっ?」
なんか海夜が反応する言葉がないかと思いつつ出てきた言葉を言ってみたら…。
こいつ、かわいいは反応するな。と俺は知り…。
「かわいいぞー」
「…」
「海夜はかわいい」
うん。とりあえず連呼してみたが…。これはミスった。これ言う方がダメージあるな。と気がついた俺。って…。気が付いたらなんか布団から顔を出しているやつがいた。
「…。先輩。それ言っていて恥ずかしくないですか?」
「めっちゃ恥ずかしいな」
「ですよね。だから…。あと1回言ったら…。やめてください」
「…。何だそれ」
「あと1回」
「さあ、風呂風呂っと」
「ちょ、先輩」
俺が風呂場に行こうとしたら海夜が布団から出てきた。
「先輩、あと1回。かわいいって言ってくださいよ」
「俺風呂行くんだが」
「その前にー。あと1回」
「じゃ。風呂行くから」
「ちょっと何で言ってくれないんですかー…。太ったは何度も言うくせに」
「2回、3回は言ったぞ?」
「あと1回。かわいいもあと1回言いましょうよ」
「寒いから風呂風呂」
と俺は言いつつ洗面所へと移動する。いやマジで炬燵の中は最高だが室内はそこまで暖かくなってないからな。
炬燵から出るとすぐに冷えてくるから早く風呂行きたいんだよ。とか思いつつ移動していると…。
「先輩、何で逃げるんですかー」
普通に海夜は洗面所まで追いかけてきた。
どんだけかわいいは言って欲しいんだよ。と、思いつつ。
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