第34話 横に…2

「先輩、何で逃げるんですかー」


普通に海夜は洗面所まで俺を追いかけてきた。

どんだけ「かわいい」という言葉は言って欲しいんだよ…。と俺は思いつつ。


「あのさ、海夜」

「はい?」

「一緒に風呂入りたいわけ?」

「…。はい!?!?な、なに言い出すんですか!変態」

「いや、風呂場まで付いてきたし」

「ち、違いますから!私はただ…。って、何で先輩上着脱ぎ出すんですか!」


いや、寒いから早く風呂に入りたいんだよ。まあ上着くらいは脱いでも大丈夫だろ?学校でも教室で着替えてる男子いるだろ?とか俺は思いつつ。


「寒いから早くお湯浴びたいからだよ。脱がないと入れないだろうが」

「ちょ。だから!私居るのに堂々と脱ぎ出すのなしです!変態!」

「マジで元気だな」

「も、もう…。今日は帰ります。拗ねますから拗ねます。はい。さようなら」

「…。海夜」

「知りません」


とこちらに背中を向けていた海夜に俺は近づいて…。


「はいはい。かわいいかわいい」


ぽんぽん。


と海夜の頭に触れてみると…。


「…。ふにゃ!」


変な声が聞こえてきた。


「はい?」


そして海夜は自分の頭を触りながら…。パッとこちらを見た。ってかこいつ何故か顔真っ赤だった。って俺まだ上半身裸とかじゃなくて…。薄着になっただけなんだが…。と思っていたら…。


「な、何するんですか」

「頭をぽんぽん?」

「は、恥ずかしいことしないでください」

「撫でる方がよかった?」

「じゃ、じゃなくて!心臓に悪いですから!」

「顔真っ赤だな」

「うるさいです!」

「かわいいなー」

「…。はぅ…」


さらに海夜真っ赤になり…。


「壊れた?」

「か、帰ります!」


と言い海夜はリビングの方へと消えていき…。


それからすぐに海夜はバタバタと荷物持って再度俺の前を通過。そして自分の家へと帰って行った。


バタン。


ちょっと遊びすぎた?


でもまあ今の雰囲気的には…。楽しんでいたみたいだからいいか。と俺は思い。っか「寒い寒い」とつぶやきつつ玄関に行き鍵閉めてから…。


再度「寒い寒い」とつぶやきつつ風呂場へと向かった…。ってマジで早く風呂入ろう。寒いわ。なんで俺上半身薄着の姿で室内でうろうろしてるんだよ。である。風邪引くわう。うん。


ちなみにその日はその後何もなかった。

再度海夜が来るとかもなかったからな。

でも…


…。

…。

…。


翌日のことだった。


「先輩わかりましたか!頭ぽ、ぽんぽんとか…。撫でるはしちゃダメですから」

「海夜。朝から何言いにきてるんだよ」


後輩が朝から俺の部屋へと乗り込んできた。それも朝から大変元気に…。うん。元気だった。声うるさいし。うん。まだ寝てたのによ。うるさい後輩に起こされたんだよ。


「大切なことです。わかりましたか?絶対勝手にしちゃダメです」

「…。海夜も知ってはいると思うが…。まず海夜以外にするやつなんていないんだが…」

「私が居ます」

「しちゃダメなんだろ?」

「だ、ダメですが…。いや…。うーん。私にはちょっと…。」

「意味わからんこと言ってるな。朝だから寝ぼけてるか?」

「とにかく!むやみにしちゃダメです。わかりましたか?」

「後輩の行動が謎。っか朝ごはん食べていいか?なんか知らんが起こされたら…。腹減った」

「あっなら私の分もお願いします」

「自分とこで食べろよ」


…。

…。

…。


とかなんか朝から言い合ったんだよな。


うん。マジで何だったのだろうか。というのと…。確か「太った」…。やらやらの話から…。なぜか最後は頭ぽんぽんと撫でるのはむやみにするな。禁止。になったんだよな。


禁止というなら「太った」の言葉を禁止にするかと思ったんだが…。

後輩の行動は謎だった。まあ俺は別にいいか。だったんだがな。


ちなみにその日の海夜はご機嫌良さそうな感じだったな。昨日の夜は荒れていたはずなのに…。


まあもしかしたら…。太ったやらやらはいろいろあって忘れているのかもだったし…。

っか、マジで海夜は体型変わってないんだよ。

ってまあ海夜がこの話を忘れているなら触れないが正解だな。うん。変にまた言うのはやめておこう。


まあこんなことも少し前にありましたよ。って話だな。


なかなか意味わからんことがいろいろあったんだよ。うんうん。っか、頭ぽんぽんやらそのうちまたしてみるか。面白くなりそうだし。とか今思っている俺だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る