第29話 おでかけ2

現在……何故か服が濡れている俺。

こうなった原因は……。


――。


海夜があれから乗りたいとか言ったのはジェットコースター?ではないと思うが。まあ同じジャンルかもしれないが俺は詳しくないのでね。とりあえずなんか船に乗って水の中にバシャーン!というもので……。


運悪くというか。20人弱?で乗るアトラクションだったが。俺と海夜は一番前の席にたまたまなって……。


何故か俺だけ水しぶきを横から食らいましたとさ。


その時に海夜にめっちゃ笑われた。

大爆笑してやがった。

こいつにも水かけてやろうか。と思うくらいホント大爆笑された俺だった。

海夜にもいつか水をぶっかけてやろうと決めました。


いやあまりに海夜が笑うからか。後ろに居た人も……笑っていたしな。ってまあ俺と同じ側に乗っていた人数人も濡れたらしいが……とりあえず濡れた人笑われました的な?でもまあ……俺以外の人はこのアトラクションは濡れるものと理解していた様子だった。うん。タオルとか持ってたし。濡れた人もむしろ楽しんでたしな。


っか俺は聞いてないっす。海夜は……絶対知っていたよな。うん。やっぱりそのうち水かけてやろう。


「……なんでこんなに晴れてるのに俺ちょっと濡れてるんだよ」

「先輩には笑いの神様が居るんですよ」

「海夜が端に座っていればよかったのに……」

「……変態」

「何が?」

「私が濡れたら。大変なことになりますよ」

「あー。なるほど。お化けになると……って海夜は前の髪型ならお化けだが。今なら大丈夫だろ」

「違いますよ!服ですよ!服!もう――」


とかなんか言いつつ。一度俺たちはお昼休憩とした。

もちろん昼代も俺が出す。

って遊園地内はなんか途中であった自販機もそうだったが。いい値段してるよな……ホント。でもまあ美味しかったからいいが。


ってめっちゃ美味いじゃんとなっていた俺だった。

知らない料理も選んでみるものだな。新たな発見もあったし。


昼を食べた後はお土産などが売っているところを2人で見ていた。

まあ今買うとかではなく。帰りの寄った時のためにチェックらしい。

店内にはキャラクターの物やお菓子など。いろいろと種類があった。


「先輩」

「なんだ」

「ところで先輩はお土産買う人いるんですか?」

「いるわけないだろ。海夜の付き添いで見ているだけだし」

「さすがぼっち先輩。って、よくよく考えたら私も親くらいですので帰りに適当にお菓子だけ買います」

「親には適当かよ」

「まあ親も忙しいので……お菓子位なら空き時間にでも食べてくれるかと思いまして」

「そういえば後輩よ。お前最近ずっと俺のところに居座ってるが。実家に連絡してるか?」


気になっていたことを俺は聞いてみた。


そういえば夏の頃は帰っていたのを知ってるが……そうそうで帰ってきたらエアコン壊れたー。だったからなよく覚えているが。


それ以降は海夜が実家に帰っているところを俺は見たことない。

さすがに高校生1人だし。どこかで連絡くらいはしているかと思ったのだが……。

顔見せなくていいのか?とちょっと最近思っていたのでね。


――えっ?俺も実家に帰ってない?

いやいや大学生は問題なし。むしろ帰ったら邪魔とか言われるからな。俺に関しては大丈夫だ。便りが無いのは良い便り。とか言うことだよ。


「一応してますよ?変わりなし。って感じに」

「業務連絡的だな」

「あっ。でも遊園地行くとかはちゃんと言ってありますよ?そしたらお小遣い振り込んでくれましたから。だからお土産は何か買わないとですからね」

「なかなか良い親で。っかどう言ったのか知らないが……ってどう言ったんだ?」

「心配しなくても大丈夫ですよ。だって私の親。先輩の事知ってますよ?」

「—―はい?」


いやいやなんで海夜の親に俺のことが伝わっている?ってまあ、海夜が人の家にお世話になっているから……言った?うん?

って俺……高校生を連れ込んでるというか。なんていうのか……大丈夫なわけ?とか思いつつ。


「えっと……海夜さん?」

「なんですか?先輩さん」

「—―どのように俺は紹介されているのでしょうか……」

「え?そりゃもちろんぼっち大学生の先輩のお世話してます。って」


そんなことを海夜は笑顔で言ってきたが……おいおい待て待て。


「馬鹿じゃないの?って、嘘の報告するな。俺が捕まるだろうが」

「まあ、嘘ですよ」


再度笑顔の海夜。こいつ楽しんでやがる……。


「……こいつ」

「本当は……頼りになる先輩が同じアパートに居たのでいろいろ助けてもらってます。ですよ」

「……ホントにそんなこと言ってるわけ?頼りになるとか思われているようには見えないのだが――」

「まあ言ってませんよ」

「お前……本当は連絡してないんじゃないか?」

「してますよー。で、先輩のことを言ってあるのも事実です」

「えー。そこは事実なのかよ。俺挨拶もなんもしてないけど……」

「じゃあ、春休み後半に帰るので一緒に行きましょうか?」

「—―はい?」


この後輩の言う事のどれが真実かわからないまま話は進んだ。

ってどうなる俺?って自分で言ったことだが。

挨拶は?は変か。お友達です?う、うーん?なって言うのが正解だろうか…。とか思っていると……。


「本当に先輩の事は年末連絡した時に話してあるんですよ?で、一応……何故か話したら……あっこれはそのうち話そうと思っていたんですが――親が会いたいと言ってるんですよね」


となんか普通に聞いていたら……変な言葉が聞こえた気がするが……。

俺が確認する前に海夜はスマホを出し。何かをしだしたと思ったら。画面をこちらに向けてきた。


そこには……。


「母」


と表示されていて……。

結構長いメールだったのだが……その一部に俺の目がとまった「……お父さんも会いたがっているから。春休みにでも二階堂さんの予定をちゃんと確認して、一緒に帰ってきなさい。ああ見えてお父さんすごく心配しているんだから。年末年始は仕事で海夜と会えないってわんわん泣いてたんだから。あっ。お母さんは二階堂さんの写真が先に見たいわー」と――うん?


「……なあ」

「はい?」


何ですか?という顔をしつつ。スマホをしまう海夜。


「どうしてこうなっている?」

「いや。私も驚きまして……まあこのことはホテルでゆっくりと……」


そんなことを言いながら海夜は歩き出した。


「あっ逃げた」

「先輩!次は外のジェットコースターに乗りますよ。この話はここでしなくてもいいですからね。今は楽しみましょう!」


上手いこと――?逃げられたというか。すごく気になるところで海夜が逃走した。

まあホテルまで話す気が無いようなので……俺はあきらめて海夜に振り回されたのだった。


それからは海夜が1度乗ってハマったアトラクションに何回か乗り……。

俺は酔った。

なんで海夜はこんなに元気なのか。まあ俺の思い出としては途中園内を回っているSL?というかまあ乗り物に乗っている時が一番平和だったな。うん。あとは大変でした。


その他は園内のスイーツ。お菓子とか食べたりして……また乗り物と。まあいろいろありましてね。疲れたよ。

あとジェットコースターは何回も乗るものじゃないよ。ホント。

海夜はかなり楽しそうだったが……。


俺達は今夜泊まるホテルが近くということもあり。

閉演時間までゆっくり園内を満喫というか……いや満喫はしたよ?でもな俺はホント疲れた。後輩の相手をするのは疲れるよ。年の差だな。うん。間違いない。あいつはガキだから元気すぎた。である。


「楽しかったです先輩!」

「……それは良かった」

「にしても……先輩。体力ないですね」

「お前が化け物なんだよ。何回同じもの乗るんだよ」

「空いていたんだからいいじゃないですか。初めてですし。すごく楽しかったですから。あとはホテルで温泉ですね」

「ホント元気だ……」


その後俺たちは遊園地前からホテルへの直通のバスがあったので。それに乗って移動したのだった。

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