第156話 お別れ4

「あつっ」

「急いで食べなくても取らないぞ?」

「————違います。中が熱かったんです。タコアツアツです」

「一気に丸のみするからだな。どれどれ――熱っ」

「だから言ったじゃないですか。でもまあ出来立てはこれが良いんですよね」

「だな」


現在俺と海夜は――まだホームセンターの敷地内に居た。

海夜の二回目のお会計は無事に終わり――帰ろうとしたら……ホームセンターを出てすぐ隣に、たこ焼き。たい焼きなどなどの旗を俺たちは見つけてしまいましてね。

また寄り道をしていた。

お店というより――屋台?でいいのかな?うん。ちょっとしたスペースで売っていた8個入りのたこ焼きを俺と海夜は購入して――お店の前にあったベンチに座り今、たこ焼き争奪戦をしているところである。


えっ?取りあっている感じはないと?いやいやいつ開催されるかわからないからな。そうやって言っておくんだよ。相手が海夜なのでね。美味しいとかでどんどん持っていく可能性があるので。


ちなみにだがたこ焼きはソースである。マヨネーズ、鰹節などもたっぷりで――うんうん。これが美味しいんだよである。ソースたくさんあるのは美味いんだよ。あっ。でもソースがなくても美味いか。


「先輩。食べないならもらいますね」

「ちょ、食ってるだろうが」


ほらちょっと余計なことを考えていたら海夜の持っていたつまようじが俺のゾーンのたこ焼きを狙って来たのだった。

油断も隙もあったもんじゃないな。


それから少しの間俺と海夜はたこ焼き美味。という時間を過ごし――。


「さあ先輩。工作です」


俺の部屋へと帰って来ると玄関に置きっぱなしになっていた机のリメイクが始まったのだった。


まずは残っていた足3つを外すという作業からだった。


「……あっ。回った」

「ほらー。買ってきて正解じゃないですか」


うん。先ほどは全く動かなかかった残りの足を支えていたところのネジなどが新しいドライバーだと――あっという間に取れていき――1本取れて、2本取れて――終了したのだった。


「あっという間だったな」

「ですね。で、ここにキャスターの前に、ネジを抜いたところが凸凹しているので、やすりで削って――」

「海夜がなんやかんやでちゃんと考えて買い物をしていたという」

「えっへんです。自分のところの物ですからね。ちゃんと作りたいのです」

「それだと俺の部屋に置く場合はちゃんと作らないみたいなのだが――」

「いやいや、ちゃんとしますよ。私も利用してますから」

「——まあいいか。で、綺麗にまずするのか?」

「です。あと。ちょっと角とかもやすりで削りましょう」

「了解」


それから俺と海夜の工作は――順調に進んで行ったのだった。


うん。玄関が木くずやらやらだらけになったのだが――まあせっかく作るんだからな。ちゃんとしたものを――ということでしばらく黙々と2人で作業をした俺と海夜だった。

まあ楽しかったな。

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