第172話 ここ危険?安全?
海夜がスマホ買い替えとなったことにより――というか。タイミングよく海夜母から連絡があり……タイミングよくなんだよな?実は監視されてる?いや、それはないた。たまたまだろう。でも――こんなにドンピシャのタイミングでか……わからんが――まあ、気にしないでおこう。
そんなことがあり。現在俺と海夜は海夜の実家へと向かっているところだ。ショッピングセンターからはバスで移動の方が早そうとの海夜の意見により。現在はバスの車内だ。海夜曰くもうすぐ到着らしい。などと俺が外を見つつ思っていると到着したらしく。海夜が降車ボタンというのか。窓近くにあったボタンを押していた。
「先輩降りますよ」
「はいよ」
それからのことをいうと――俺海夜の家にて串刺しになりました。おやすみなさいとなったのだった。
――とかいう未来だと海夜がどんな反応をしたのかちょっと気になるが……もちそんなことはなかった。ってか――。
「今日はあの人同窓会で留守なのー」
海夜家に入ってすぐの海夜母より。である。
バス停から海夜の家までの歩き移動中に海夜とともになんか無駄なこと。いろいろなシュチュエーションを考えて……だったのだが。拍子抜け。さすがに隣で海夜も「それならそれで先に言ってよ」などと先ほど言っていた。どうやらまた海夜父と会うことはない様子だ。ってかこれ……会わないんじゃね?と、そろそろ思い出した俺だった。って、そんなことを思っていると突然帰って来る可能性もあるので――そのうち刺される。串刺しにされる。とここに来るまで海夜と話していたことを再度思い出していた俺だった。って、今考えると――何物騒な話をしてきたんだよ。だな。
「じゃ、先輩。お金もらいました。帰りましょう」
「……うん?」
「先輩。何ぼさっとしてるんですか?帰りますよ」
「あらあら海夜。そんなに急がなくてもいいじゃない」
「あれ?俺今玄関に居ただけなんだが……」
いろいろ俺が考えているうちに何か起こったのだろうか――海夜がもう帰る。出発みたいなことを言ってきたのだった。
確か、先ほど海夜の家に到着して、海夜母と雑談。そういえばその後すぐに海夜が室内へと入って行き――今に至る。って、あれか、お金ゲットしたから帰るというやつか。
「海夜。二階堂さんにお茶も出してないわよ。さあさあ二階堂さんあがってあがって」
一方で海夜母は俺を室内へ――という感じだった。って、親子で真逆のことしないでくれるかな?海夜は海夜で帰るって言いながら靴履いてるしさ。親子でちゃんと話さってから言ってくれるかな?
「先輩。スマホ買いに行きますよ。こんなところで時間を使ってはいけません」
「二階堂さん。ちょっとお話しましょうよ」
「マジで親子で話を決めてから話してくれ」
「先輩は大人しく付いてくる。お母さんは黙る」
そう言いながら海夜に引っ張られる俺。そして――。
「あらあらー、何々?海夜は二階堂さん取られると思ってるの?」
反対側から海夜母にも引っ張られる俺だった――伸びる。腕が伸びるから。
「違うから。って、お母さん先輩を引っ張らないで」
「……あの。まずどちらも引っ張るやめない?」
この親子仲良いわ。ってか、両サイドでなんか始めないでくれ。俺の声は全く聞こえてないみたいだし――って腕が伸びる……。
「そうだ二階堂さん。ちょっと良いことします?」
海夜母暴走開始である。ニコニコしながらなんか言い出したのだった。うん、相手しなくていいかなー。多分海夜が……。
「お母さん!変な誘惑いきなりしないで」
ほら、即反応してくれた。だから俺は何も言わない。
「はぁ……賑やか」
「先輩もちゃんと断る。何で何も言わないですかー」
「ふふっ、二階堂さん興味ありかしら?」
うん。触れなかったがゆえ――なんか結局両サイドから言われることになった俺だった……ってこれ反応してもしなくても同じ結果だった気がする。海夜母はニコニコ、ニヤニヤ、海夜はワタワタ騒いでいる。うん。玄関で何をしているのか。ってか。海夜は室内へと行っていたが。俺はここに来てから1歩も動いてないというね。今はまだ引っ張られてるし。
ちなみにこのあとすぐ海夜家のインターホンが鳴りどきりという場面があったのだが……まあインターホンを押したのはお荷物を持ってきた宅配便のお兄さんだったんだがね。向こうは向こうですぐに返事をしてもらい。ドアが開いてが――何か玄関に人がたくさん。とか思っただろうな。ちょっと驚いた表情をしつつ荷物を置いて出て行ったのだった。
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