第114話 私の先輩2
「……」
俺が海夜を引き寄せると、海夜は大人しく俺にくっついてきた。そして俺の服をしっかり握った。うん、海夜。しわになるから――きつくは握るなよ?と思いつつ。
「まあ、もし次何かあったら……覚悟するんだな。いや、予想より酷そうだったから――学校には報告か」
俺が再度USBメモリを見つつ言うと――。
「い、ちょ。俺は女子に言われて」
「あんた。裏切るわけ!?」
「俺はなんもしてないだろ?襲うとか乗り気はこいつだけだし」
「ちょ、俺1人の責任にするなよ。元は女子らだろうが」
「はっ?それこそ証拠あるわけ?」
「……」
おいおい。勝手に集団でなんか始まったよ。俺の予想では無理矢理男子か誰かがUSBメモリを奪いに来るかなーとか思っていたんだが――そういうことは考えもなかったらしい。ってことで……。
「—―なんか、勝手に盛り上がってるがこれ以上海夜になんかしてみろ。わかってるな?海夜。行こう」
「……うん」
馬鹿な言い合いを聞いている必要はないので……聞こえたかはわからないが――なんか言い合っている奴らにそんなことを言ってから俺は海夜を連れて家へと向かった。
まあ女子の中で声を出さず。ずっとどうしよう?というのか。まあ話さないが安全とわかっていたのか。ずっとこっちを見ていた奴には――聞こえたかもだがな。
まあとりあえず俺と海夜が歩き出しても誰も追ってくることはなかった。
何か揉めている声が後ろから聞こえてきているだけだった。
――。
うん、なんか普段しないことしたから……自分にめっちゃ違和感。っか強がって。ってか厳しめに最後も言ったが――あれでよかったのか?うん。普段しないことだから……わからん。そんなことを思いつつ。その後俺は海夜とともに駅へと向かった。
ちなみに海夜は先ほどからずっと下を向いたまま歩いている。
こういう時は声をかけた方がいいのかもしれないが……なんか不思議なオーラ?を海夜から感じたんでね――そっとしておく事にした。
まあでも海夜が無事?だったからよかったか。とか俺は思いつつ。学校から無言だった海夜とともに電車に乗り――うん。電車でも海夜は静かだったな。まあそんなこんなで家への前まで2人で帰って来ると……。
海夜は俺の家へと付いてきた。
うん。着替えとかもせずに荷物も持ったまま俺付いてきて……俺の部屋に入ると――。
スタスタと中へとへ行っていき――カバンを置いて。
俺の前へと移動してきて……。
「先輩……正座してください」
そんなことを海夜は言って――って……!?
「……あれ?」
うん。なぜかお説教がはじまりそうだな。なぜだ?俺……あなたを助けたはずなんですが――正座?どういうことだ?と思いつつ海夜を見ると――なんか恥ずかしそうにしている海夜が居たのだった。
あれ?なんでこいつ恥ずかしそうなんだ?怖がっているとか――泣き出すかもとかは予想していたんだが――これは予想してなかった。と思っていると俺だった。
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