第126話 夕食

夕食時。

部屋へと運ばれてきた料理は――信じられないくらい豪華だった。

うん、やばいくらい豪華なおかずだった。山の幸たくさんだったな。うん。普段食べないものがたくさんで、お品書きを見つつ俺と海夜はあーだこーだ言いながらそして俺は海夜に料理を取られつつ。楽しんだ。ってなんで同じ料理を食べているのに俺が取られないといけないかなんだが――まあうん。元気に海夜が食べていたので――そのままにしておいたのだが……


うん。だからか――食事の後海夜が満腹と今、俺の目の前で休憩中である。


お腹をさすりながら。くつろいでらっしゃる。

まあそこまでぽんぽこには見えないが――うん、結構食ってたからな。うん。でもまあ海夜は細すぎるのであれくらい食べても問題ないだろう。と思いつつ俺が見ていると……。


「た、食べすぎました。調子乗った――満腹」


うん。くつろいでいると思ったが――これは――単に食い過ぎて動けなくなっているだった。


再度お腹をさすりながら海夜がこちらを見て言ってきた。


「まあ人の皿からもうばったからな」

「だ、誰ですかね。本当—先輩の物まで食べちゃうとは」

「海夜だな。っか海夜しかいないし。他に居たらそれはそれで怖いし」

「……」

「海夜だな?」

「に、2回も言わなくていいですよ――わかってるのに」


恥ずかしそうに海夜がつぶやいた。


いやまあでもさっきも言ったが俺的には海夜マジで細いし。軽いから食べてほしいんだがな。と、思いつつ。


「にしても、海夜幸せそうに食ってたな」

「だ、だってはじめて見るものが多くて――それにどれも美味しくて……」

「まあ確かにだな。どれも美味かったし。山菜ごはん美味かったな」

「ですです。御飯美味しかったです。あと天ぷらも。って……うー、動くと苦しい」


ちょっと身体を動かした海夜が――潰れた。うん。マジで満腹らしい。まあそれはいい事だろ。と俺は思いながら。


「ゆっくりすればいいよ。うん。部屋でダラけるしかないんだからな。食後のだらけるだな」

「……はぁ、これ、完全に――お、お腹でちゃった。うん」


海夜が小さな声で呟いた。まあ見た目全くわからないんだがね。まあ苦しそうにしているのは――何となく伝わって来るが。でもそれ以上に幸せです。ってのが見え隠れしている気がするんだがな。


「でも海夜。ぱっと見はわからんぞ?直接見ないとな」

「み、見るなー。です。恥ずかしい。見せるわけないじゃないですか」


そう言いながらお腹を隠す海夜。いやいや見ないから。と思いつつ。


「まあ無理に動くな。少し休め」

「うー、せ、先輩」


すると、海夜が横にやってきて俺の服を引っ張ってきた。


「うん?」

「その――ご飯の前は……そのご飯のあとはお風呂と言いましたが。お風呂。少し待ってください――はい」


恥ずかしそうに海夜が言った。

まあ今自分でも言ってたからな。ぽっこりお腹が恥ずかしいのだろう。って、ほんとにわからんと思うがな。と、俺は思いつつ。


「まあ、別に時間はいつでもだな。って、かなり恥ずかしそうだな?パクパクさん」


そう言いながら海夜が近寄ってきたのでお腹でもさすってやろうとしたら――。


「ちょ、変態!触らないですください」

「ガードは厳しかった」


うん。すぐに俺に手を掴まれた。気が付くの早いわ。である。


「もう、先輩が意地悪。恥ずかしいって言ってるのに……もう。だって本当にこれ、ぽっこりお腹はダメですって」

「別にいいのに」

「い、いやです。だ、だから――えっとそうだトランプしましょう」


そういいながら海夜がベッドに移動して、トランプをカバンから出してきた。うん。何やかんやで――普通に動いているが――まあいいか。と俺は思いつつ見つつ――。


「っか海夜。トランプで腹—―消化されるのか?」

「た、食べすぎて動けないですから――これで落ち着かせるんです」

「……はいよ。で、なにする?2人だが」

「あー、えっと――スピード?とか?」

「まあ無難だな。っか。トランプ久しぶりだな」


俺はそう言いながら海夜からトランプを受け取る。


「私もです。持っていただけでほとんど使ったことありませんでしたから」

「まだ順番に並んでるもんな。さすがぼっち」


箱から出してみると綺麗にまだトランプは並んでいた。


「トランプすら持ってなかった先輩に言われたくないです」

「……いや、だってトランプって1人で何する?」


うん。1人で遊ぶことが難しいものをわざわざ持っている必要ないからね。と俺が思っていると――。


「いやあー、まあ――」


海夜は何か言いたそうな感じだったが――うん。1人で出来て――海夜が好きそうな事……ね。と考えると。


「占いとか海夜はするのか?」

「……いや」

「しようとはしたが。やっぱりやめたか」

「な、なんで、勝手にー」


うん。海夜もそういうのやっぱり好きらしい。まあ1人でできる事か。と俺は思いつつトランプを配りだす。


「はいはい。配るぞー」

「むー、でも、トランプ持っていたから先輩とこうして遊べるんですよ?感謝してください」

「まあそれはそうか。さすが海夜」

「じゃあ先輩。ここは何賭けますか?」

「—―いきなり賭け事に変えやがったよ」


うん。何で今の流れで賭け事になるかなー。と俺が思っていると。


「あー、先輩。一応ですが。えっちなことはダメですからね?」

「どの口が言うか。変態娘が」


うん。これはあれだ。単に海夜が――甘えるための口実とかだな。と俺が思っていると。


「ちょ。な、なんですか!」

「変態娘だろ?」

「ち、違いますからね?」

「まあぽっこり海夜にハードなお願いはねー」

「こ、この先輩は――もう。って……先輩がその気なら――ですね。はい。乗ってあげようじゃないですか!いいですよ。わかりました。覚悟しようじゃないですか!私が勝ったらら先輩を辱めますから!徹底的にいじめて土下座させます」

「怖っ。やっぱ危険だわ」

「決めました。私は普通に飲み物とかの予定でしたが。先輩が変態だったがゆえに危険な遊びに変更しました。ハード級です」


……なんか海夜期待しているみたいに楽しんでるな――と俺は思いつつ。うん。だって――なんか海夜の表情から笑顔が漏れているんでね。うん。まあそんなことを思いつつ。


「—―じゃ俺が買ったら……まずぽっこりお腹の確認か?」

「本当にど変態だった!?って、そうだった!無理無理。先輩やめましょう。やっぱりダメです。そうですよ。ぽっこりなんですよ。忘れてました。私は馬鹿だー。賭け事はなしです。忘れてください」

「馬鹿だな」


うん。確か俺も少し前に、ぽっこり海夜って言ったんだがな。その時に反応しなかったから、もうお腹は気にしてないのかと思ったが――ちゃんと聞いてなかっただけらしい。


「なしです。なしですよ?」


うん。慌てている海夜だった。でもここで「はいはい」は何か面白くないので――。


「……却下だな」

「ひどい!?変態って叫びますよ?」

「海夜は元気だったと」


俺はそう言いながらトランプを配るのを続ける。うん。地味に配るの大変。うん。


「ちょっと先輩。いろいろ言いながらカード普通に配らないでください」

「海夜が言い出したんだが?」

「—―ぅぅ」

「まあとりあえず俺が買ったらスクワット100回くらいしてもらうかな。そしたら腹も見せれるだろ?」

「いじめじゃないですか!?」

「海夜、マジ元気。って、配り終えたし始めるか」


そんなこんなで、多分普段と場所が違うからか、ばたばたしていた海夜とトランプ勝負を始めたのだった。

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