第137話 猫海夜はかわいい4

「あっ、外気持ちいいですね」


海夜を抱いたまま外へと出てきた俺。

今のところ海夜は大人しく。片手を俺の首の後ろに回し。もう片方の手では首輪の部分にある鈴を握っている。うん、海夜よ。別に首輪は簡単に取れるぞ?だったのだが。先ほどの付ける時をちゃんと見ていなかったからか。外そうとはしない海夜だった。


「だな。っか。海夜はやっぱり食っても軽いよな。大丈夫かよ」

「か、軽くないですよ」

「あっ、海夜。猫語忘れてるぞ?」

「そ、外ですよ。ここ。ホントに……この先輩は……今日は調子乗りまくりですね。明日撃沈しても知りませんから……えっと――その……にゃ」

「うんうん。やばいくらい可愛いってか。恥ずかしそうだな」

「は、恥ずかしいですから」

「また忘れてる」

「そ、そんなに気にしないでください――にゃ」

「ってか。出てきたが真っ暗だな」

「ちょ、言わせておいて猫語には反応なしですか。ま、まあ反応しなくていいんですが――って。真っ暗ですね。星は綺麗ですが」

「おー、確かに」


海夜に言われて空を見ると――お風呂のところに電気があるため少し明るくて見にくい方角もあるが。星は綺麗に見えていた。さすが秘境に居るだけはあるだった。


それから海夜とぼけーと話しながら空を見たり。暗闇を見てみたり――ということをしていると。


♪♪〜


室内から着信音が聞こえてきたのだった。


「——うん?なんか鳴ってる?海夜のスマホか?」


俺が室内を見ると――。


「です――なんか……嫌な予感が……」


海夜がそんなことを言いながら同じく室内の方を見ていた。


「とりあえず戻るか。ってか鳴りやまないから電話か」

「電話です」

「なら出てこい」

「つ。連れてってくださいにゃ」

「なりきってるなりきってる」

「あっ」

「——遂に自然と出たか」

「ち、違います。意識していたからで――」

「まあまあとりあえず一回室内行くぞ」


その後俺と海夜が室内に戻り一度海夜を下ろすと……海夜は自分のスマホのところへ向かった。ちなみに海夜のスマホからなっていた音は先ほど室内に入った段階で止まっていたのだが――海夜がスマホを手に持ってすぐだった。


♪♪~


「……うわぁ!?」


再度海夜のスマホから音が鳴りだしたのだった。音が同じなので先ほどと同じく電話か。と俺が思っていると――スマホの画面を見た海夜が。


「——あー、出たくない」


そうつぶやいたのだった。うん。それだけで誰からの連絡かわかるようになっていた俺だった。

予想なので外れることもあると思うが一応言っておこう。


あれは海夜の母からと見た。うん。

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