第91話 GWはいろいろある10
海夜とのんびり映画を観ていて…今は見終えたところである。
「あー、面白かったです」
背伸びをしながら海夜が言った。
いやクライマックスは食い入るように2人とも見ていたんでね。めっちゃ2人とも集中していたと思う。背伸びをする海夜を見つつ俺も背伸びをした。
そして……。
「思っていたより面白かったな。っか。そろそろ寝るか?」
「――寝るんですか?」
「なんで寝ない設定なんだよ」
俺が聞いてみるとなぜかなんで寝る。という選択肢が出てくるですか?という顔を海夜がしていた。
「明日休みじゃないですか」
海夜がそう言いながら俺の服の袖を何故か引っ張りだした。いやいや伸びるからやめなさい。と俺は思いつつ。
「休みでも寝ろよ」
っか、大人しくテレビを見ていたら――少し様子がおかしかったの直ったかな?まあよかったよかった。と俺が思っていると。
「よくよく考えたら……先輩に甘やかされてません。ってことを思い出しまして」
「――意味わからんこと思い出すなよ」
「今日は実家でたくさん恥ずかしい思いをしたので、たくさん先輩に癒してもらうまで寝ませんから」
「急にうざくなった――さっきまで大人しかったのに」
「あ、あれは……いいんです。ってか先輩。もう――暑くないですよね?」
まあ部屋は確かにちょうどいい温度になっていて……なのだが……もちろんこんな時に「暑くないな」とか俺が言ったら――まあすぐに飛んでくる奴が居そうなので……。
「暑い、超暑い。だからくっつくはなし」
先に予防線を張ろうとしたのだが――。
「拒否します。私はちょうど良くなりました」
「意味わからんこと言いながら近寄るな」
海夜は俺の服から手を動かし……俺の腕を掴んできた。うん。確かに風呂上りから時間が経ったからか。海夜の手は少し冷たく感じた。
「先輩、ずっと映画見ていて、私の相手してなかったですからね。2時間延長です」
「いやいや、海夜も見てたじゃん。めっちゃガン見だったじゃん。って2時間延長ってなんだよ」
「だ、だって……なかなか面白かったですし。最後は――とっても良かったのですが――集中しすぎて私の相手――見ながらも先輩とくっつくことはできました。それを先輩はしなかったので2時間延長です」
「夜行性かよ。ってか意味が分からん。普通に見ろよ」
「むー。先輩。ちょっとだけでいいですからー」
海夜が甘え声で言ってきた。
いやいやかわいいけどさ……なんかすり寄ってくる感じにドキッとはしたけどさ――。
こいつ……疲れてないのかな?と俺は思いつつ。
「……寝ろよ。今日はいろいろ動いてたんだし」
「なら……また腕枕を」
「えー」
まあいいんだけど……と俺が思っていると。
「じゃ……あとおやすみの……キスとか」
なんか言い出したので……変に意識しないようにちょっと息を吐いてから――。
「――えー」
「なんで同じ反応なんですか!」
「いや、甘えん坊が復活してきたなぁ……と。また暴走か。ってね」
うん。変に意識することなく言えたな。と俺が思っていると……どうやら今の返事はご不満だったらしく。海夜の頬がちょっと膨らんで……。
「……わかりました。寝ます。おやすみなさい」
――パサッ。
そういうと海夜はベッドに向かい。布団に丸まったのだった。
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