第90話 GWはいろいろある9

ちょっと喉が渇いたから飲み物を飲んでいたら――ふと。隣に立っていた海夜が……。


「私たち晩御飯食べてなくないですか?」


と、海夜が俺に聞いてきた。

うん。ちょっと考えよう。えっと海夜の実家から帰って来てからの俺たちは――。


「……」

「……」

「……」

「……」


しばしの沈黙。そして――。


「……確かに食ってないわ」


うん。俺の記憶では帰って来てから飲み物は飲んだような気がするが……そういえば何か食ったはないな。ということでまとまったのだった。


「ですよね。なんかいろいろあって帰ってきて、片付けやらして……」

「海夜がアホなこと言ってた。っか、海夜とこで昼にたらふく食った。ってのもあったしな」


いや、実は今日のお昼はな。海夜母が料理を作ってくれたんだが……まさかうな重が出てくるとは思わなかったからな。


「確かに、初めてみましたよ。あんなにちゃんと母がうな重作ってるとか。ってかまさかさばけるとは思いませんでした」

「よく出る。ではないんだな?」

「なわけないですよ。私の実家なんだと思っているんですか!ってか七輪が出てきて私かなりびっくりしていたんですからね!?」


いやまあいろいろ出てくるというか。材料以外にもいろいろ出てくる海夜の実家は――ボンボンの家。と俺は言いたかったが……まあうん。


「……だよな。わざわざ準備してくれたのか」

「まあ、あれだけ食べたから。しばらくお腹いっぱいですからね。ってか話していてお昼ご飯を食べる時間も遅かったですし」

「だな。だからそこまで今も腹は減ってないが……ちょっとなんかほしいだな。特に思い出したらなんか小腹は空いてきた」

「はい。私もなんかちょっとほしいです」


自分のお腹を触りながら海夜が言う。って、海夜はもう少し食べても……いや。うん。でも今が抱き心地ベスト―—って余計な事を考えているといろいろ言われそうな

ので頭から余計なことは消して――。


「っか、海夜母がくれたのは……あーお菓子だったか」

「上を見た限りではお菓子でしたよ?」

「なら……軽くスープご飯とかか。ちょっと待ってろ」

「はーい。じゃ、私はお菓子チェックでもしてます」

「ああ」


それから俺は冷凍ご飯を温め、お湯沸かし……フリーズドライの野菜スープ?を作り。ご飯をそこに投入した。

はい。スープご飯。完成である。

簡単っていいよな。うんうん。失敗もないし。とか俺は思いつつ。海夜の分と自分の分を持って机の方へと移動しながら――。


「海夜できたぞ」


俺がスープご飯を持って海夜の方へと行くと……。


「なっ!?は、はい!」

「……うん?」


海夜はなんか慌てて?うん。紙袋にお菓子を詰めなおしていた。


「どした?海夜」

「あっ、いえ。なんでも……」

「—―なんか顔赤くない?」

「気のせいです!あれです。ちょっと美味しそうなお菓子が入っていて」

「ガキかよ」


うん。お菓子で興奮してたのかよ。ホントガキじゃんと思いつつも……まあ好きなものにはそんな反応になるか。と俺が思っていると……。


「—―そ、それよりいただきますです。はい。食べましょう」

「はいよ。ってか腹ペコかよ」

「ち。違います……美味しそうな香りがして……です」

「はいはい。どうぞ」


それから俺と海夜は軽く夕食のち。

またテレビを見つつ。2人でくつろいでいたのだが……。


「スープご飯でちょうどよかったな」

「……は、はい。ですね」

「—―うん?」


なんか……やっぱり海夜の様子がおかしかった。

なんか恥ずかしがっているというか……キョロキョロしているというか……うん。とりあえずなんか変だった。


「海夜?熱でもあるか?」

「だ、大丈夫ですよ。何もありません。元気です」


俺が聞くと海夜は体育座りをしながらちょっと口元を腕で隠しつつ返事をした。うん。なんで恥ずかしがってる?だったんだが――まあいろいろ聞かれたくないこともあるか。と俺は思い。


「まあ、なんか体調悪くてつらかったら言えよ」

「……大丈夫ですから。元気です」


本人は元気と言っているが――もしかしたら、今頃疲れが出てきたのかもしれない。まあいろいろ今日はあったからな。だから、海夜をいじめるとかはなるべくしないように俺はすることにしたのだった。


それからはゆっくりテレビを見て――って、面白そうな映画をしていたので、たまたま見ていたら――日付が変わっていたというね。うん。そこからは時間の流れが早かったです。

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