092話 会談 下

 なんか家族同然の仲間に前世を秘密にしてた優姫です。

 

 

「そうだったの?後でキアリーさんとサイオンにも話しとかないとだね」

 

「それも大事ですが、スキルに無い武器を使ったりすれば、教会からつまりは世界全ての人々が殲滅対象にされかねません」

 

「そうなの?」

 

「新たな魔法とか技術の開発は禁忌、私の魔法研究も禁忌で研究過程も存在も成果も何もかも破壊して抹消去れるわよ」

 

「それはヤバくない?ダンジョンに引きこもれば大丈夫かな?」

 

「ダンジョンは混沌神マゼマが作ってるから混沌神しだいかもしれません。この村の維持のためにも、ダンジョンはかなりイレギュラーな魔法を使っているように見えるし、混沌神マゼマに信者はいないのでマシでしょう」

 

 さすが大賢者詳しいなぁ。

 

「バレなければダンジョンが有益なのは、間違いありませんからね。シバル王家は知らぬ存ぜぬでこのまま通すべきでしょう。ウレナイはどうします?」

 

「この部屋の防諜は完璧です。ネイ様の御心に従います」

 

「よろしい。では他言無用の最高機密に指定します。書類に残すことも許しません。さて、これでウレナイは大丈夫でしょう。次はエレンティアの扱いです」

 

 ウレナイさんが密偵モードになったよ。急にキリッとして凄い切り替えの早さだね。

 

「うわぁ、権力者は怖いなー。私が黙りますって約束をしてもいいけど、ダンジョンに匿ってもらえるなら、誰にも会わないで魔法の研究してるわ。それなら秘密は漏れないし、対価にいつでも大魔法くらい使うわ」

 

「ユウキ様どうしますか?」

 

「研究の成果も気になるけど、不老不死にしてしまえば、もっと有効な魔法が研究できるのかな?でも不老不死になるにはダンジョンの稼ぎが足りないからね。それこそ村じゃなくて都市か国家くらいないと厳しいよ。海くんはどう思う?」

 

「魔法の知識は興味あるな。よく分からないという事しか分からないからな。扱いは優姫に任せる」

 

 海くんは魔法の不思議が気になってるだね。

 

「なるほど、ではダンジョンが拡大して不老不死が可能になれば提供します。その条件で我々とダンジョン側についてくれますか?」

 

 ネイが私達の意見を聞いて交渉してくれます。これってさ私が居なかった方がスムーズに進むんじゃないかな?

 

「それは構いません。いずれ雲隠れして独りで魔法研究するつもりでしたから、拒否する理由はありません。私も一蓮托生でダンジョンの拡大に協力しましょう。ならば先ずは、ダンジョン稼ぎを増やす方法を考えないと行けませんね。魔法研究は不老不死になってからでも遅くはありません」

 

「信用はお互いにこれからですね。お互い裏切れば共に破滅ですから協力しましょう。大賢者の知識と力を期待してます」

 

「ありがとう。これからよろしくお願いします。」

 

「ん?エルフ巨乳の女の子・・・私と被ってる?」

 

「エルフは美形ですし、アーリィはとっても食べちゃいたいくらい可愛いから大丈夫ですよ」

 

 前世が女好きの大賢者レント、もしかして私が狙われてる!?

 

「ユウキ様はダンジョンマスター、絶対無二ですよ」

 

 ネイがフォローと名前の訂正もさりげなくしてくれます。

 

「まだ2次元だろ?だからかぶってないから安心しろよ」

 

「うがー!!エルフだからこれから大きくなるの!!」

 

 海くんは全力でいじって来ます。貧乳は前世だけで十分だよ。胸が重いから肩こるって言いたいんじゃー!

 

「エルフは大きいかほぼないかどちらかだよ、品乳はまた違った良さがある。この辺りはたまたま大きくなる家系のエルフが多く住んでるだけじゃないかな?」

 

 過去のエルフの帝国で最強の女好き大賢者だけあって詳しいね。

 

「なら私も大きくなる家系だから大きくなる!」

 

「三回目の成長期で少し大きくなると巨乳、そのまま背だけ伸びると品乳だね」

 

「ねぇ三回目の成長期っていつからいつまで?」

 

「まだ来てないと思うよ一回目がしゃべれるようになる3歳くらいから5歳くらいまで、背が伸びる二回目が10歳から12歳くらいまで、背が伸びて大人ぽくなる三回目が18歳から20歳くらいまで、最後の大人になる四回目が25歳から30歳くらいかな?だいたいは三回目で胸の大きさとか可愛い系とか美人系とか、男もダンディー系とか中性系とか分かるよ。まれに予想がはずれる人もいるけど、ある程度以上の美形なのは間違いないね」

 

「大賢者は巨乳になるの?」

 

「このまま成長するなら、巨乳セクシー系大人のお姉さんかな?昔は男に興味なかったからそこまで詳しくは分からないかな」

 

「そこまで分かる女好きってどうなのよ?まだ8年先までは分からないのね」

 

「子供は愛でるものでノータッチだよ。大人でもエルフなら子供体型の人もいるからね。エルフは最高なんだよ」

 

「完全に変態だよ」

 

「君を見てニヤニヤしてる、そこのお兄さんよりはマシだと思うわ、なんか魂食べてる?取り込んでる?なんて事までしてるようだしね」

 

「海くんはカッコいいからニヤニヤしていいの!それより魂がどうのってなに?」

 

 海くんに聞いてみます。

 

「なんか生き物から取り込まないと自分のが削れる気がするあれか?寿命的なのが減ってる気がしてとりあえず奪って変わりにして少し逆回転させてるな」

 

「そんな魔法の奥義ぽいのに適当って天才なのか悪魔なのか」

 

「海くんは優しいパパだよ」

 

「なるほど、それでダンジョン内では誰が一番?居候するしそれくらいは知っておかないとね」

 

「ダンジョンの支配者ダンジョンマスターはユウキ様です。権限の許可も剥奪もダンジョンの改造も改装も拡大も全てユウキ様が自由に出来ます。カイ様はサブマスターでラスボスをしている最高戦力です」

 

 ネイが説明するけど、確かにそうだけど、仕事の出来具合はネイの方が上司って感じだよね。ダンジョンマスターの私の方が権限はあるけどさ。

 

「分かりました。それでは今からはユウキ様に従います」

 

「それじゃ改めてダンジョンマスターの優姫だよ。よろしく、じゃコアルームに帰りますかね」

 

「はい、解散しましょう。ウレナイ、後は頼みますよ」

 

「全て秘密にいたします。お任せください」

 

 こうしてエレンティアを連れてコアルームに戻ります。

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