転生特典ゼロ！？スキルも皆無！？理不尽な異世界になんか負けません！！〜史上最弱少女マスターのダンジョン経営戦記〜

０５４話 四人目は蚊帳の外？

　こんばんわ、なんか海くんを盗られた気がする優姫です。

　さみしいけどちょっと嬉しいような、父親が再婚する子供ってこんな気持ちなのかな？

　でも私はね、海くんを狙ってる乙女ですからね。

　マジで嫉妬してるんですけど！！夕食前にはネイさんの部屋から海くんが一緒に出て来て、女達のマジバトルは朝から継続そのまま三人でやりあってます。

　今朝、海くんに止められたよね？でもそれで止まるなら浮気も三角関係もこの世に存在しないな。

「海くん！！いきなりなにするの！！」

　夕食の終わりにいきなり頬っぺたツンツンされてそれなりに痛いから、とりあえず逃走します。

　海くんは問答無用で追いかけて来て、私の脇腹をくすぐり攻撃に移行します。

「ギャハハハギャハハハギャハハハ」

「笑って楽しそうじゃん」

　なんとか逃げようと身をねじりますが狙い済ましてくすぐられて、酸欠で苦しくなって来ます。くすぐられたから笑ってるの！

「ギャハハハギャハハハ、女は突貫よーギャハハハギャハハハやっばギャハハハヒーヒーくすぐるから笑ってギャハハハ」

「まだまだだな！酸欠になるぞー」

　海くん楽しそうだけど、酸欠には勝てません撤退です。

「逃げるが勝ちよ！！」

　なんとかダッシュしますが、１秒で抱え上げられてあっという間に逆さまになります。

「おっそいな、そんなに捕まるのが好きか？」

「嫌だから逃げギャハハハやーめーてーギャハハハ」

　まさかのに逆さまにされてでの足裏くすぐり攻撃とはダメだって、海くんの力強いから抱えてるロックが外れないし、血が頭に集まるというか、その前に笑いすぎて苦しよ。ヘルプ！ヘルプ！

「笑って嫌って説得力ないって」

　海くんのドＳモード全開だー！？マジの逃走しないと酷い目に合うというか、現在進行形で酷い目にあってるよ。

「ギャハハハはーなーしーてーギャハハハ」

「んー？落ちたいのか？」

「それもいーやーギャハハハヒーヒーギャハハハやーめーてーって言ってるギャハハハ女は突貫よー！！」

　ロック外して？外して貰えた？兎に角逃走開始！！目指すはテーブルの下だ。

　ここならテーブルの、足に抱きつけば引きずり出されたりはしないはずです。ケガするような力を、私に海くんは絶対使わないからね。

　手がテーブルの足に触れる寸前、コンマ１秒前に海くんの手が、私のお腹に回されてあっさり抱き上げられて、片手片足がほとんど動かせないのに痛くない状態で抱き抱えられます。

　これどうなってるの！？私にも分からないのだけど！？

「動けない～！海くん！？技術の無駄使いだってギャハハハヒーヒーギャハハハやーめーてーギャハハハ」

　まさかの動けないロックをしながら、くすぐってくるとはどんな高等テクニックだよ。無駄に無駄を重ねた無駄に洗練された無駄な技術だよ！！

「うーうー！！ギャハハハしーぬーイヒヒヒギャハハハやーめーてーってギャハハハ」

「優姫って本当に面白いし可愛いよな」

「私は、おもしろくギャハハハないからーギャハハハ」

　ロックはそのままにくすぐり攻撃が止まります。

「ゼーハーゼーハー海くん酷い！！」

「楽しそうじゃん」

「うがー！女は突貫！復讐よー！！っていう動けない放せー！うーうー！うがー！」

「本当に優姫って最高に面白いな」

　海くんは本当に楽しそうでドＳどころか、完全に気が済むまで私で遊ぶ気だ！！しかし女は負けないんだからね！！

「ちょ！！くすぐりだーめギャハハハギャハハハギャハハハ」

「頑張って脱出しないと笑い続けるぞー」

「この悪魔めー！ギャハハハごめんなさいゆるしてーギャハハハギャハハハヒーギャハハハギャハハハ吐くなんかでるギャハハハ、夕飯がでーるー！！ギャハハハヒーギャハハハ海くん最高ー！ギャハハハ許せーギャハハハ解放を要求するー！」

　海くんに下ろしてもらい、恨めし下に見上げます。

「そんなに楽しかったか、もっとやってあげよう」

「違うって、突貫中止！！戦略的撤退だー！」

　海くんから逃走すべくリビングを走り回ります。

　海くんって猫ですか？曲芸的に先回りされます。なんで無音で私の上を飛び越えて目の前に正対して現れるのですかね？

　絶対キアリーさんの仲間の冒険者と戦った時よりすばしっこいよね？

「キャー！危なキャー！捕まりたくなーいキャー！ギャハハハギャハハハ」

　幼女相手に本気のフェイントとか見抜けるわけないでしょ。

　うー！！ほっぺたツンツンやろうとしたと思ったのにー。またまた脇腹をくすぐられて床を転げ回るけど絶妙にくすぐられて爆笑します。酸素プリーズ！！横隔膜が悲鳴あげてるのに笑いが止まらない！？

「なんでよー！ギャハハハ海くんからギャハハハ逃げるギャハハハとか無理でしょギャハハハ」

　私が疲れきって寝落ちするまで、爆笑の追いかけっこは続きました。開放も海くんの気紛れだし元より勝ち目ないけどさ。

　これだけ走り回ったら運動不足はしないかな？いつか海くんに一矢報いるんだからね！！女は突貫あるのみよ！！