068話 ちょっとかたすぎる
お久しぶりです。主役なのに忘れられてそうな気がする優姫です。
「なんなんですか?あのバグウサギは?」
サイオンが強い侵入者がいるから情報収集をして欲しいとのことで監視している私の感想はまさにバグってるだろ!?だったりします。
遅いし攻撃力も低いし魔法も無いようで雑魚なのですが、とにかく打たれ強い。というかあれは防御力かHPに極振りしてるタンクだよね?
ゴブリンなんて何発殴っても無効で意味がない。それは理解出来る。
装備のしっかりした冒険者やステータスの高い冒険者には体格の小さなゴブリンの攻撃力は低すぎるのだ。
今はサイオンが戦闘中なんですが、サイオンにウサミミ獣人の攻撃は全く当たることはない。
素人の私から見てもナイフの扱いも素人だし、技術なんてなく、ひたすら突きというか体当たりを繰り返すだけなのだ。それでも私よりかは強いと思うけどね。
逆にサイオンのボウガンは確実に命中している。命中しているはずである。たぶん命中してる。私の目には当たってるようにしか見えない。
ウサミミ美女が現在進行形でサイオンの猛攻を受けてもノーダメージというのは異常である。顔面に当たってもなんの影響もなく突撃しているのは、ギャグかホラーでしかない。
サイオンのボウガンは海くんと強化したのでフライパンは余裕で貫通して、薄い石壁くらいなら破壊する威力がある。しかも矢が重いストーンアローなのだから貫通力と衝撃力を兼ね備えた凶悪兵器である。
私の作ってる銃より圧倒的高性能で静音性も高いのだから・・・(ノ∀`)アチャー、銃はもっと高火力になるからね!!まだ発射も出来ないけどさ。
銃は忘れておいて、そのクロスボウの衝撃と貫通力をノーダメージというはあり得ないでしょ。
「バグってるほど確かに防御力があるな、物理法則を無視してる気もするが防具なのか、ステータスなのか?判断が難しいな」
海くんも映像を見ながらバグの正体を探っているよ。無敵になるスーパーな星でも触ったの?効果時間が長すぎですよ。
「純粋な防御力がとてつもなく高いのだと思います。」
キアリーさんは元冒険者だから意見は助かります。
「ステータスが高ければあんなことも可能になるの?」
「それ以外に方法がないと思います。魔法も物理も当たっていて、効かないというのは無効スキルならMPが続きません。防具なら国宝級でしょう。そこまでの防具ならもっと強力な武器も持っているはずです。」
「なるほど確かにそうだな、防具だけ異様に優秀という可能性もあるが自力と見るべきか」
「防御力特化って珍しいですよー♪鍛える前に死んじゃいますー♪ですが攻撃力不足だと打つ手がないので厄介なのですよー♪あのウサギは小さい頃から拷問でも受けたのですかね?ー♪ならもっと傷跡が多いと思いますけどねー♪」
ネイの知識は実戦よりは机上の理論だけど判断の正確さと必要な情報を押さえてるから私より的確だと思います。
ウサミミ美女は疲れたのか座り込むとサイオンの猛攻を無視して休憩している。
「「「「・・・」」」」
きっと全員の気持ちは絶句と共に揃ったと思う。
「あいつ無敵か?」
「攻撃力を上げればなんとかなりそうですがサイオンでは無理そうですね。」
「毒とかもきかないのかな?」
「スキルで防御されない限り効くと思います。」
「さすがに防御系のスキルは持ってるとおもいますー♪」
「名案だと思ったんだけどね。どうにか攻撃力を上げるしかないかな?銃火器が何か完成してれば攻撃力は足りたかもなのにな」
話していると、サイオンが撤退を始める。サイオンでダメなら火縄銃くらいなら耐えそうですけどね。火縄銃の威力知らないけどさ。
これ以上はノーダメージなのだから時間のムダと判断したみたいです。
「無い物ねだりしても仕方ないだろ?」
「カイ様には何か作戦がありますか?」
「とりあえず水に沈めて氷らせるくらいか?」
「それで何もかも解決しそうですねー♪」
ウサミミ獣人美女が歩き出します。
魔物をすぐに倒せないけどやっぱりウサミミ美女はダメージを受けないからチビチビとダメージを受けた魔物が倒される。
「なんか違うけどあれはチートの完成形の一つなのか?ただのバグなのかな?」
「窒息を狙う方向で作戦立てる。あとの監視は任せる」
会議は海くんが作戦を決めたので解散です。
海くんの準備時間の確保と少しでも情報収集をするため足止めとして魔物をけしかけて、海くんに頼まれた監視を続行します。
「ユウキ様あんまり無理なさらないで下さい。」
キアリーは私に追加で紅茶を淹れてくれる。
「私には監視と魔物の操作しか出来ないからね。キアリーさんこそいつもありがとう」
「ユウキ様のおかげで仕事が出来るのですから胸を張って下さい。」
女性陣はより海くんをリーダーに私をナンバーツー扱いな気はするけどダンジョンマスターだから1番なんだからね。最後は海くん頼みだし間違いって程じゃない。私はありがとうが言えて傲らない上司になるのだよ。
「あれを撃退したらね」
「カイ様がなんとでもしてくださいますから大丈夫です。」
こうして理不尽な侵入者に備えるのでした。
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