103話 間話 ちょろイン
エレンティア side
「ところでカイはどのくらい強い?ゲーヘルに勝てたしかなりなのは分かるけど、前世は最強と言われた大賢者だし、強者には興味あるよ」
魔法の研究したいけど、女としても前世での男としてもカイは、気になる存在なのだよ。
女性達はレベル高いし、カイの肉体はスピード、特に瞬発力を重視した鍛え方だ。もう少しマッチョでもいいけど、しなやかで無駄のない洗練された筋肉は美しい。
「ん?装備がマシになったし今ならゲーヘルは余裕で殺せるな」
「じゃ勝負だ、私は女の子だしハンデちょうだいよ。そうだな、私は魔法が得意だからかなり遠くから始めない?」
ステータスの振り方で近接戦闘も出来るけど反りゃ長距離で魔法を使った方が圧倒的に有利だし、なんか、弱い男がハーレムやってるとムカつくし、大賢者の実力を見せるのも悪くないだろう。
「好きな場所を選べばいいさ」
エレンティアは知らないが対物ライフルとスナイパーライフルは違うが問題は使い手である。
特殊部隊訓練も最高成績さらには航空機のコントロールと射撃にいたってはAIより好成績という海くん相手に長距離戦は無謀だろう。
少なくとも世界記録級の3,000メートルくらいの狙撃は普通に成功させそうだ。
「それじゃあの最下層の長い通路に行こうよ」
これは海くんが優姫ちゃんにお願いして狙撃練習用に作られた場所である。2,000メートルなので銃の有効射程にほぼ全体が入っている。もちろんそんなことはエレンティアは知らない。
「あそこか、それじゃ行くか」
「そうこなくっちゃ!端と端から始めよう」
あれだけ離れたらゲーヘルの武器も届かないだろうし、ナイフとか投げてきても魔法で撃墜してやろう!!
そして移動してカイは向こうの壁際にいる。
「それじゃ~!!行くよー!!」
始まり合図に声をかけて魔法を発動させようとする。
「動くなよ!!」
「え?」
足元と後ろの壁に何があたりバババっと破壊音がする。
「は?」
カイの攻撃は私の足の間の中央になる床に着弾、脇の間、顔の真横、厳密には目の真横を通過して後ろの壁に合計2発着弾している。
「次は眉間と喉と心臓狙うけど続けるか?」
「ん?え?ちょっとたんま、待ってよ!!」
改めて床と後ろのを確認します。
ゲーヘルの攻撃より威力自体は低いけどスピードは圧倒的に早いし、ほぼ同時というほどの連射だし、何より命中精度がおかしい。
「は?素早さで避けるとかそういう問題じゃないよね?防御力特化でも危ないよね!?」
エレンティアは知識がないがアサルトライフルの弾丸は音速を超えている。つまり発射音を置き去りにして着弾している。更にフルオート射撃の反動があり射撃間の時間は数瞬でありながら、有効射程の倍の距離で3箇所の精密狙撃成功させている。
銃に最適化された彼の肉体と頭脳、そして努力により叶えられた神業だ。
「ちょっと!?もっとヤバいやつ使う気なの!?」
さっきの攻撃した武器より明らかに大型の武器を構えている。誰でも分かる。大きくなればさらに威力が上がることくらいは。
そして一発だけど、容赦なくカイは攻撃してきて、今度は股間を通過して後ろの壁を大きく破壊する。本当に足の付け根ギリギリを通過して風圧を内股に強烈に感じた。
「うっぐ酷いよ」
やっと本能的な理解が追い付いたのと股間を抜けた弾丸の風圧の恐怖に涙が止まらないし、腰が抜けて座り混んでしまう。
いつの間にかカイは目の前に歩いて来ている。
「まだ続けるか?」
そう言うけどカイは右手を差し出してくれている。私はふるふると首を振って続けないと意識を伝える。
「うっぐすんすん、怖かった」
カイはしゃがむと頭を優しく撫でてくれます。
「立てるか?」
完全に腰が抜けて立てない。
「うっぐ、むりぃ」
「ほら、帰るぞ」
あっさりとお姫様抱っこされて、運ばれてしまう。今更ながらドキドキしている事を自覚する。
カイの顔を見ながら、前世の女達の気持ちはこうだったのだろうと思う。強い存在はかっこいい。
「ありがとう、カイは優しくてカッコいいね」
「そうか?」
「そうだよ、強いのに優しいからカッコいいのだからもっと女の子を囲わないとだめだよ」
大賢者に真っ向から勝ったのだから、同じか超えるほどのハーレムを作らないとね。まだ1割にも届いてないとかありえないだろ。
「あんまり増やすつもりはないのだが」
「むぅ、なら質をあげよう!量より質だよ」
料理の上手いキアリーに、頭がいいネイに、強いサイオンに、大賢者のエレンティア、そしてめちゃめちゃ可愛いくてダンジョンマスターのユウキ、質はすでに高いけど私は新参者だし、まだ何も貢献してないし、ここは魔法の研究と大魔法でアピールしないとね。
「質なんてよりどうでもいいんだが?」
「なんて心が広いんだ、私頑張るからね」
「まぁ好きにしな」
「うん♪」
さぁカイの攻略と魔法の研究をしましょう。
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