最終章 マジギレしてるもん!!現実は残酷なり

169話 動き出す歴史

 後の歴史家は歪曲魔族の絶滅という偽情報により、ラスボスがヤバいダンジョンは保護され、最後の準備期間を稼いげた事がターニングポイントとする者と、ゲーヘルから技術を手に入れた時点で防衛力は問題なく、ターニングポイントではないとする者に、別れる。

 

 ダークエルフへの神託は達成されたと、月神ウーは判断しており、ラスボスがヤバいダンジョンの破壊神託はこの時期に下されていない。

 

 破壊神託が遅れたことで、この後の5年間でシバル王国の王都の移転は進み、ダンジョンの巨大化が指数関数的に加速していたと推測される。

 

 そして防衛に主眼が置かれ、沈黙の成長期と呼ばれる15年が終わり勇者ナナトの殺害し、第一次大陸大戦時代へと移り変わる。

 

 もし破壊神託が下されていれば防衛しきれたのか?それがターニングポイントで有るか否かを決めるのだろう。

 

 軍事力は大きく見せ、そして切り札は秘匿される。特にダンジョンの兵器と総戦力の詳細は強大であり、突破されたことは無いという事実しか公表されていない。

 

 魔物は総数も不明で、ダンジョン内で生き残りをかけたサバイバルを繰り広げ、勝ち残り進化した個体のみが、生き長らえている。実戦経験も多く、魔王の元で保護された魔物よりも高く強い能力を保有する。

 

 そのため戦力の正確な推測すら難しいのだ。それでも多くの歴史家が、すでにダンジョン破壊は非常に難しいと予想する。ターニングポイントを主張する歴史家はそれでも、防衛が、成功しても逆進行が出来る戦力はなく、5年間戦争が継続され、疲弊したダンジョン戦力では、勇者ナナトの前に防衛力不足で突破されると訴える。

 

 歴代の勇者でも才能は最もあり、最速で魔王討伐を成し遂げていることから当時のミレーナ、歪曲魔族よりも遥かに、強いとの主張である。

 

 それらは、IFであり、思考実験である。

 

 何はともあれ5年間は、何事もなく時が流れたことは変わりない。

 

 

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 20歳になった優姫だよ。エルフだからまだ子供だけどね。エレンティア予想で、私は品乳でスリム系のロリ体型らしいよ。なんで前世よりも小さく成るのか、異世界転生特典がおかしいと思わない?

 

 

「ユウキ様ー♪どうやら上の森のオーク魔王がー♪討伐されたらしいですー♪」

 

 ネイが報告してくれる。

 

「あれ?4年前に魔王が確認されて王都の移転が進んだけど、討伐作戦はなかったよね?」

 

「どうやら光陣営の太陽神オーが2年前に召喚したー♪勇者が成し遂げたようですー♪」

 

「へぇ~、何処から召喚されたのかな?」

 

「異世界の地名なので詳しくは分かりませんがー♪日本という国の○○○○県の○○○大学らしいですよー♪」

 

「げっ私の前世で知ってるよ、Fランクで有名なボロ大学じゃん。ねぇ!!海くんは○○○○県○○○市の○○○大学って分かる?」

 

 私は射撃訓練してる海くんに連絡をします。

 

『大学は知らないが、○○○○県○○○市は知ってるな』

 

「ありがとう、うーん、これは勇者とも同郷確定だね」

 

「どうなさいるおつもりですか?ー♪」

 

「どうもしないよ。敵なら戦うけど魔王退治してるだけなら関係ないしね。それよりも、よくそんな情報分かったね」

 

「シバル王国に滞在してますからねー♪魔王も討伐されて貿易も再開するための交渉も始まりましたー♪情報収集は基本ですー♪どうやらここの攻略準備してるらしいですー♪」

 

「なるほど、敵なのね。でもあそこの大学生とか大丈夫かな?二桁の足し算も間違えてたし、漢字も読めなかったバカだったのに社長子息で、セクハラ野郎だった奴の出身校だよ」

 

「その話は良く分かりませんがー♪かなりの実力派で戦闘スキルとステータス値は凄まじいらしいですよー♪」

 

「ふーん、最悪レールガンで消し飛ばすとしてさ、交渉はどうなの?」

 

「光陣営の聖女と肉体関係にあってかなり熱心な信者らしくー♪パーティーメンバーには聖騎士もいますしー♪味方に引き込むのは難しいと思いますー♪」

 

「えーと、スキルで作れない技術は認めないとかいうやつだったけ?バレたら抹殺対象のエレンティアとか、海くんとか武器とかあるとなると、殺すしかないのかな?勇者って男だよね?」

 

「ハーレムしてる太ましい男のようですねー♪」

 

「うわぁ、テンプレ勇者してるのね。男とお手付きの女の子達なら、サイオンが海くんに捧げることもなさそうだし、撃滅する作戦考えて貰うかな」

 

「同郷ですがー♪殺してしまうのですか?ー♪」

 

「あのパリピと同類なんて嫌なんだけど、それよりも交渉の余地無さげじゃん。ミレーナみたいに仲間に出来るかはサイオンに任せるよ」

 

「パリピはよく分かりませんー♪なんとなく嫌いなのは伝わりましたー♪作戦はカイ様とサイオンが決めると思いますのでー♪情報はカイ様に伝えておきますー♪」

 

 海くんとサイオンは勇者ナナトがアイテムボックスを持つために撤退はしないと判断し、魔物では足止めにもならない。優秀な斥候が居るためダンジョントラップと効きそうにない。そこで威力偵察を行う事になりました。

 

 そしてサイオンの護衛にミレーナを付けて、挟み撃ちのクロスファイア作戦で、勇者ナナトの実力を測る事にしたのです。

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