072話 捕虜をどうしよう

 ヒャッホー、残念ウサギどうするの?と、とても困ってる優姫です。

 

 

 海くんがぐるぐる巻のウサミミ捕虜を肩に担いでダンジョンコアルームに戻って来ました。

 

 そしてポイって落とされて?捨てられて?も平気そうにしてますね。

 

「ネイ元王女様!?やっぱりボス部屋の奥にいた!どうしよう?暗殺しようとしたのバレてる?私殺される?死にたくない、死にたくない、死にたく・・・ハッばれてないから黙れば・・・」

 

 ウサミミがなぜか錯乱しています。その発言テンプレよりも酷い使い古された出涸らしのネタだよ。

 

「困りましたねー♪エマーシュはアスカファミリーの元構成員だったのですー♪トオイノナンデ家のゴルフコース伯爵に雇われのハニトラ要員で私の暗殺命令が出てぇー♪アスカファミリーから見捨てられているー♪という話がこれでは聞けませんねー♪」

 

 ネイがウサミミ改めエマーシュのことをなぜか知っています。

 

「全部ばれてる!?というか口調が・・・さては偽者だな!」

 

「王家の力を舐めるなですー♪アスカファミリーは金で動きますからねー♪エマーシュの将来を依頼しますよー♪さぁー♪キリキリ吐けですー♪」

 

「ひぃ、死ぬより酷いことされるは嫌ぁぁ~」

 

「まだ分かりませんか?ー♪」

 

「その通りなんですぅ、トオイノナンデ家の当主に依頼されてアスカファミリーには見放されて自暴自棄でダンジョン攻略しようとしたですぅ」

 

「だそうですよー♪ユウキ様どうしょう?ー♪」

 

「えーこんな頭悪そうな奴いらない」

 

 ウサミミ巨乳で頑丈で海くんのオモチャに向いてそうな美女は滅びてしまえ。これ以上のライバルは、いらないのだよ。

 

「ハニトラ要員にダンジョンアタックと格上の王家に暗殺を挑ませるが間違いですー♪頭悪いのは伯爵ですー♪」

 

「工作員なら自分の秘密喋るのはダメでしょ?」

 

「国家間の密偵なら覚悟が決まってますけどー♪所詮は裏社会からの雇われものなので忠誠心ないのですよー♪伯爵に派遣なら裏社会の人間としは中間から上位くらいの能力はありますよー♪」

 

「頑張りますからぁ、殺さないでください」

 

「それはー♪ユウキ様しだいですー♪」

 

「何でもします。もう完全なる忠誠を誓いますから、下っ端として使ってください!!このままだとマフィアとシバル王国に追われて、人間の尊厳を奪われてから、殺されてしまうんです!!」

 

 エマーシュは私に向かって土下座しながら懇願してきます。

 

「海くんはウサミミ欲しい?」

 

「んー弱いし要らないかな。それより伯爵に喧嘩売ったら面白いか?」

 

「伯爵の情報を提供しますから使ってください。おっぱい触りますか?好きにしてく・・・やっぱりやめときます」

 

 なりふり構ってられないほど切羽詰まってるんだね。そして私の絶対零度の視線に気が付いて色仕掛は辞めたね。チッもうちょいで黒光りカサカサ悪魔部屋草原ヴァージョンだったのにおしい。

 

「ユウキ様怖いー♪」


 ネイはちゃかしきます。これが海くんとイチャイチャしてる女の余裕なのか?

 

「私のも手は足りていますから、ネイ様は工作員を使い馴れている様子です。ネイ様の部下で使えば良いと思います。」


 キアリーさんもいらないと言うけど確かに王家で策略が最強に得意なネイなら工作員は使い道あるかな?

 

「ネイはこの残念ウサミミを部下に欲しい?」

 

「ぶっちゃけると密偵の組織がエマーシュのライバルマフィアはー♪タイラップなのでボスは私なんですー♪ウレナイが表の代表なんですー♪」

 

「えっえっえーーー!?もしかしてあの新興マフィアってシバル王家の部下なんですか!?」

 

 エマーシュが驚いてる。私達はもちろん教えて貰ってるので知ってます。裏工作員がマフィアを作って運営してるらしいです。

 

 村長ムサク・ミスがレイナ女王の直属の部下で豪商人のウレナイが密偵の表リーダー兼商人でミュウニーちゃんも密偵なのです。

 

 確かに情報統制も完璧だし、実力も構成員で役職かある者は、Bランクの冒険者程度は最低あるのです。


 密偵組織の資金を稼いでるのがウレナイ商会ということみたいです。商人としては問屋のような物流商会で密偵など確かに送り込み易いし、人の交代も楽なのでしょう。


 裏社会のマフィア代表とガチのスパイの代表が他にいてウレナイさんを含む、その3人がネイさんの直属の部下なんだそうです。

 

「王家部下というかおじいさまが作ったんですー♪」

 

「あんなヤバいマフィアに加入したら、ひぃ」

 

 残念ウサミミが怯えてしまいましたよ。

 

「ウレナイさんは優しくて面白い上に、サービスしてくれる良いおいちゃんだよ?そんなに怖いのかな?」

 

「ユウキ様は私の上司でお客様ですからー♪当たり前ですよー♪ちゃんとした密偵の育成と試験を突破したマフィア構成員と成り上がり犯罪者の集まりじゃレベルが違いますー♪」

 

 確かにネイがウレナイさんを呼んだのは儲けが出るからもありますが、密偵の窓口としてもあるそうですからね。直属の部下のウレナイさんは私のこともネイさんの立場も全てを知ってます。

 

 犯罪者こそ鉄の掟とか結束で警察とか国家権力からも逃れる頭脳もあるイメージなんだよ。

 

「犯罪者で成り上がるって強そうだし、頭悪いと厳しそうだよ?」

 

「元はスラム街の自警団とか、盗賊集団とか違法な物を売る商人とかを母体にしてますー♪本当に強い奴は冒険者とか騎士団で出世しますー♪騎士団の人員は平民ですからねー♪出世の道は他にもありますー♪」

 

 貴族の家督を継げない者は冒険者か内政の補助の役人か執事やメイドになることが多いので街の平民である職人や村の農民達を騎士団員として使うらしいです。

 

 そして治安維持や警備、常備軍として役割なのです。戦争の主力は冒険者だそうです。

 

「ネイ様、タイラップに入れて下さい。お願いします」


 残念ウサミミは正気に戻るとネイに懇願している。

 

「ダンジョンの中に入る連絡員ならエマーシュは便利そうですー♪密偵の冒険者は他国に潜入したりでー♪常に人員不足なんですー♪殺されることもありますしねー♪」

 

 ネイが妙に残念ウサミミの肩を持つのはどうやら引き抜く作戦だったみたいです。

 

 もしかして海くんとかサイオンも巻き込んで、アスカファミリーにも圧力かけたりして、エマーシュが泣き付くように仕向けたのかな?

 

「さぁ部下として最低の教育を受けて下さいねー♪ウレナイに詳しくは聞くようにですー♪」

 

 これはウレナイに根回しも終わってるし正にネイの掌で踊らさせられてたのね。


 巨乳ウサミミを滅ぼそうとする私まで織り込んでの策略とは流石だね。

 

 こうしてネイの密偵の一員になりました。

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