079話 間話 大賢者レントは女好き

 少しお堅い歴史の話しにお付き合いください。プロローグ5話の伏線回収です(・・?ってなった人はタイトルワードを5話の本文から探してみて下さい。

 

 

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 大陸の多くの土地が魔王に奪われる前の時代。

 

 多くの種族は独自の国を複数作り、同盟として対等に力を合わせたり、傘下に入り帝国の一部となっていたりと繁栄したいた。人の住める土地は現在よりも広かった。豊かな自然と広大な農地は多くの人口を支え結果として、莫大な富をもたらした。

 

 人口に比例し強者は増える。その中でも魔法に優れた者を賢者と呼んだ。

 

 賢者は多くの魔法を使いこなし、その魔力とMPから繰り出される強力な攻撃魔法で戦場を支配した。

 

 賢者を集めた国は他国を蹴散らし肥大化していく、まさに賢者の全盛期である。

 

 数多の賢者を単独で破る最強の賢者が現れたのもこの時期である。

 

 人々は畏怖の念を込めて賢者を越えし賢者をこう呼んだ。「大賢者」その称号は一人のエルフの男、レントが歴史上において独占している。

 

 大賢者レント、彼の功績はエルフの帝国である、リモー帝国の領土を最大に押し上げたこともあるだろう。しかしそれなら強いが賢者止まり歴史的には有名だがこの時代の数多の賢者の1人だっただろう。

 

 そのくらいの実績はこの時代にたくさんいるのだ。

 

 大賢者レントのみが使った教義に反しない大魔法これが最大の功績である。この魔法は山を抉り、大地を穿ち、川を消し飛ばした。一撃の元に軍勢も賢者も街も城も砦も自然さえも等しく破壊された。

 

 これが大賢者レントの大魔法である。神々は新しい魔法の発明も科学の発展も認めてはいない。

 

 全ては禁忌であり、犯せば抹殺し成果は破壊しつくされる。なれども大賢者レントは禁忌を犯さず超えられないはずの魔法の威力を越えたのだ。

 

 

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 リモー帝国での大賢者レントは権力者ではない。その彼の大魔法に頼るが同時に最も威力を知っているのもリモー帝国自身なのだ。

 

 故に大魔法が帝国に牙を剥くことを極度に恐れ、報酬をはずんでいる。

 

 大賢者レントは金持ちであり、女にはモテた。男は恐れて近寄ってこないがムサイ男が来ても嬉しくないので気にしていない。

 

 自身の最強を疑わず仕事は全て戦場か魔物に一発大魔法を放てばほぼ終わる。一撃で足りなければ連射も可能なのだから、楽勝なものばかりなのに報酬はとんでもなく高い。

 

 ここまでくれば調子にのっても許されるだろうし実際、のりにのっている。大賢者レントの私生活はリモー帝国から与えられた屋敷に引き込もっている。

 

「大賢者レント様~今日は可愛がって下さいよ~」

 

「あ~抜け駆けはずるい~私にもレント様の子供を産ませて~」

 

「ケンカはいけませんよ。二人とも3日ぶりですからちゃんと可愛がりますよ」

 

 皆美人のエルフの女性ばかりのハーレムをレントは持っている。ちなみに女性がバカっぽい喋りをするのは大賢者レントの趣味である。

 

「さすが大賢者レント様~あそこもお強い~」

 

「ではお酒持って別途に行きましょう、君も混ざるかい?」

 

 最高級の酒を持ち運ぶのはメイドである。そしてメイドを交えて酒池肉欲!?をしようと言っているのだ。

 

「大賢者レント様~私達だけじゃ不満ですか~」

 

「私が一番かわいい~私だけにしよ~」

 

 大賢者レント様と呼ばれるのが好きなので女の子がそう呼ぶというか大賢者レントが、呼ばせている。

 

 ほぼ毎日、立派な城と呼べるような屋敷で酒と女を侍らせているのだ。下働きに至るまで女だけなのだから、独占欲と性欲の強さが伺える。

 

 そんな大賢者レントに仕事を持ってくる奴は男だ。大賢者レントが女を希望しのでそうしたら手込めにされて、そのまま大賢者レントは仕事に来なかったから男に変えられたのだ。

 

 これは大賢者レントも少し悪かったと思って受け入れた。

 

 なぜならその手込めにした女性が任務失敗扱いで鉱山奴隷にされてしまい、流石に仕事しようと反省し鉱山奴隷から屋敷の掃除婦にクラスチェンジさせたからなのだが。

 

「よぉレント今日もハーレムとは良い身分だな」

 

 そしてこの男が帝国から仕事を持ってくる任務を任された冒険者ガイトなのだ。ガイトは忖度などしない、帝国の偉いさんの胃に穴が開こうが帝都が消し飛ばされようが、報酬がもらえて自らが生きていれば良いのだ。

 

 そんな男でなければこんな仕事しないだろう。

 

「実際いい身分だからな、ガイトも大魔法を使えば成れる」

 

「まったく簡単に言うぜ、出来たらやってるよ。ほらよ仕事の資料だ。今度は南の狼獣人と戦争だってよ」

 

「ほぉ、モフモフ付の女をねだれるな」

 

「戦う前から勝った気でいるとは頼もしい限りで」

 

「僕は最強なのさ、ところで仕事をするなら少しは知性を感じさせた前」

 

「報酬くれるならやってるよ」

 

「男に払う金は生憎持ってないんだ」

 

「だったら諦めろ、今回は賢者殺しがいるらしい。せいぜい気を付けな」

 

「賢者殺しは大賢者の敵にならないさ」

 

「お前が死のうが生きようが知らねーが、報酬の期日までに出撃しろよ、タダ働きはゴメンだ」

 

「明日の朝じゃないか、これはみんなを可愛がってあげないとね。よし、皆の今日の仕事は終わりだ酒とおつまみ持って寝室に全員集合だ」

 

「はぁ~い」

 

 女達は下働きも皆大賢者レントの相手をする準備に移った。正しく酒池肉欲!?である。

 

「はぁ、こんなやつ死ねよ」

 

 彼女なし冒険者ガイトの心から漏れた呟きを聞いた者はいなかった。

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