159話 本当の敵はだれ?

 本当の敵を見極める優姫だよ。

 

 

「ユウキ様ー♪歪曲魔族がこのダンジョン破壊のためにー♪派遣される事が決まりましたよー♪」

 

 ネイの報告に疑問が出てくる。

 

「なんで?おかしくない?シバル王国がそういうのは、止めるよね?」

 

「月神ウーの神託でダークエルフは歪曲魔族を滅ぼす必要があるらしくー♪敬虔な信徒であるダークエルフはー♪このダンジョン利用法が気に入らないらしくてー♪なら2つのうちどちらかが滅びたらラッキーということですねー♪」

 

「分かるけど端折りすぎて分からないよ」

 

 このあとのネイの話しをまとめると、傭兵の歪曲魔族をダークエルフが雇い、私達のダンジョン破壊を依頼する。

 

 ダークエルフは、歪曲魔族か私達のどちらかが滅べば良いと思ってる。シバル王国には大金が支払われて、歪曲魔族の滅亡に協力するためダンジョン開放する。これが表向きの発表だよ。


 宗教が影響するからシバル王国も逆らえないらしいよ。

 

 でも裏取り引きでは今回の歪曲魔族の派遣を最後に、シバル王国のダンジョン利用法(ダークエルフはダンジョンに村を作るのが気に入らないらしい)とダンジョン所有権を永久に認める。他にも細く色々とシバル王国に便宜をはかる。

 

 意外にもシバル王国よりも、バンパ王国が強固に反対したらしい。ダンジョンを刺激するなと、そしてシバル王国に即刻、永久な所有権を認めろとダークエルフに掛け合ったらしい。

 

「なるほど、それで歪曲魔族はなんで滅ぼされるの?罰当たりな事したの?」

 

「神の決める事はよく分からないよ。詳しい説明なんてないらしいし。ダークエルフは特に月神ウーの保守的な信者だから、理由なんて神の意志で十分なんだ」

 

 ここでサイオンが参加します。

 

「へぇ、なんで私は、エルフと着くと仲良く出来ないのかなぁ?」

 

「エルフとは仲良いのではー♪エレンティアもエルフですよ?ー♪」

 

「ユウキがエルフと仲良くしないだけで、住んでるエルフ達は仲良くしたいと思ってるよ」

 

「なんか政治利用で仲良くなるのは違うくない?」

 

「どうして?」

 

 ネイは王族でサイオンは皇族だけに政治利用が当たり前なのかな?

 

「友達として仲良くしたいだけなの。それで私は、歪曲魔族を滅ぼして終わり?」

 

 ダンジョンの防衛力を考えて、突破されるとは思えないもんね。

 

「問題がありましてー♪どうやら族長が魔王と引き分けるくらい強いらしくてー♪勇者か大賢者並みの実力者らしいのですー♪」

 

「マジで!!Sランクの魔物を余裕で殺せるのかぁ。それってゲーヘル級の強さなの?」

 

「ステータスだけなら上回ってるのは確実ですー♪ナイフでオーガの魔王と引き分けたらしいのですー♪」

 

「魔王に勝てないくらいなのかな?」

 

「オーガのでは魔王はこのあたりでは強い魔王ですー♪内陸部に行けばドラゴンの魔王とか桁違いに強いのがいますけどー♪」

 

「国くらいの広さに生息するドラゴンを力でねじ伏せて支配するドラゴンとかヤバい世界だね。それは置いておくとして、えっと・・・魔物なら単体で国単位の広さを支配できる強さの敵が、攻めてくるのかぁ。もう意味わからん強さだね」

 

「あんまり早くぶっ殺しても、ダークエルフとか月神ウーに警戒されそうだよ」

 

 サイオンが指摘する。

 

「ダークエルフは分かるけど、なんで神様?」

 

「人を見てるらしいよ。特に神託で滅ぼせだから監視してるかも?」

 

「ダンジョンは混沌神マゼマの管轄なのでー♪監視可能なのかさっぱり分かりませんー♪神のすることは神託か勇者召喚かステータスの付与ですー♪早く滅ぼしてもー♪せいぜいが人類が敵になるだけですー♪」

 

 サイオンが反論を口にする。

 

「それはさすがに・・・あれ?勝てそう?んーカイとエレンティアもいるし、ダンジョンに引きこもって敵を殺せばDP困らないのでは?」

 

「先陣をレールガンか砲撃でやって、魔物で逆侵攻かな?」

 

 私のプランを言う。

 

「このあたり一帯の国家はただじゃ済まなさそうですー♪そういう事なので月神ウーは気にするだけ無駄ですー♪」

 

 確かに神様相手に戦争なんて出来ないし罰当たりならもう当たってるかな。それなら敵はダークエルフ?とにかく歪曲魔族から話しを聞けたらいいかも?

 

「ねぇねぇ、歪曲魔族も私達もダークエルフが敵なんだよね?」

 

「歪曲魔族は雇い主ですからー♪微妙に違いますー♪」

 

「うーん、敵が同じなら仲良くなれないかなって思ったけど仕事だし無理かぁ」

 

「敬虔な信者なら神託に従って、自死しするんじゃないかな?」

 

 サイオンが物騒な事を言います。

 

「あー、そっか宗教戦争だと妥協が難しいのだったけ?」

 

「光陣営も闇陣営も教えは同じだし、滅ぼす戦争はしないで妥協するよ。教義から外れた存在には抹消しにかかるけどさ」

 

 サイオンが解説してくれます。

 

「抹消はやだなぁ。歪曲魔族と話し合えたらラッキーくらいで、基本は返り討ちのつもりで防衛だね」

 

「その方針で良いかと思いますー♪」

 

「分かったよ。少しずつ時間をかけて撃退だね」

 

 こうして情報確認と私達のスタンスが決まりました。

 

 敵はダークエルフ!そのうち蜘蛛でもこっそり送り込んで滅ぼしてやろうかな?

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